概要
本作は伝説級のクソゲーとして有名だが、セールス的には大コケするどころかかなりの売れ行きだったようで、開発者によれば『80万本売れた』とのこと。
余りにも理不尽すぎる謎解きゆえクリア不能者が続出。しかも最初に発売された攻略本が攻略にすらなっておらず、ユーザーの抗議電話に応対した編集者があまりもの苦情の多さに辟易した挙句、「担当は死にました」と嘘をぶちかましたと言う逸話もある始末。
前衛的でシュールなゲーム内容は後の北野映画作品に通じるものがあり、道行く住人や自分の家族を無差別に攻撃したり、多種多様な店で様々なサービスが受けられるといった自由度の高さなどは、後の「グランド・セフト・オート」に通ずるモノがあるとも言われる。
ビートたけしは本気で沢山のアイディアをもっていたらしく、当時のファミコンの性能では実現できなかったアイディアが大半で、タイトー側も苦心して作っていたそうである。
実際町の住民やプレイヤーが勤める会社の社長、更に奥さんや息子も倒せるうえ、宝の地図を渡した恩人に至っては撲殺しないとゲームはクリアできない。
VC化
バーチャルコンソール化が難しいタレントゲームであるにもかかわらずバーチャルコンソールで配信されており、今もこのソフトが愛され続けている事に、たけし本人も「あんなくそげーをまただそうっていうたいとーはえらい!」「かったやつはもっとえらい!!」」と、コメントしている。
※ちなみにファミコンソフトにも関わらずCERO:B(暴力、犯罪)である。
スマートフォン版
タイトーの名作をスマートフォンでリリースする「TAITO CLSSICS」シリーズの第2弾として2017年8月15日にリリースされる。「まさかの追加コンテンツを携え、新たな姿となって登場!」とうたっており、課金要素ではあるものの新たに被ダメージ倍加と新EDを加えた「はーどもーど」、イベント以外でのダメージを無効にするお助け要素「むてきもーど」が実装された。もっとも、難易度は据え置きであるが。
時代を先取りしていたギミック
『リアルタイムが必要となる場面』『マイクを使わないといけない(*)』が攻略に採り入れられていた。
現在ではゲーム機の時計機能を利用したシステムや本体にあるマイクを使う事が多く見受けられるようになっている。
当時としては確かに斬新であったが、やはり時代的には早すぎた点も否めない。
*ニューファミコンにはマイク機能はついていないが、2コントローラーの下とAボタンを同時押しすると『もしもし』という吹き出しが出てくる。その後は2コンのAボタンを押すと、マイクの代わりとして使用できる。
pixivでの作品傾向
ネームバリューの割に、pixivに投稿されているイラストはあまり多くない。
割合としては、ラストシーンとゲームオーバーの葬式の場面のパロディが多い。
その他
本作の公式タイトルは「たけしの挑戦状 ポリネシアンキッド南海の黄金」というサブタイトル付きで、ゲーム中にハンググライダーで到達できる複数の島の内のひとつに着陸することでこのサブタイトル画面が表示される。
本作がこんなゲームになったのは、ビートたけしが打ち合わせ後の酒の席で話した素人案を、スタッフが誠実に全てゲーム内に取り入れたから、と言う事らしい。手抜きや不誠実が多いクソゲー業界において、他と一線を画するそのスタッフの誠実な姿勢が、伝説のクソゲーを生み出したと言える……かもしれない(当時のプレイヤーはたまったものではないだろうが)。
後年「ゲームセンターCX」にて、有野課長が他番組でビートたけし本人に、このソフトの話をした際に、上記の制作秘話は「全部その通りだ」と、さらに「それを1個にまとめたあの人達が偉いよ」と語っていたと話していた。
関連イラスト
関連動画
たけし軍団総出演のCMも製作されたが、オンエア翌日にフライデー襲撃事件を起こしたためお蔵入りになった。