「ここから消えるがいい」
「何か勘違いしてないか? お前に選択肢はない。返すべき言の葉はただ一つ。『了解』のみだ」
「自らの心を殺せ。そうすれば何も感じなくなる……」
CV:安元洋貴
概要
『コードギアス 奪還のロゼ』の登場人物。
ネオ・ブリタニア帝国皇帝直属騎士団「アインベルク」のリーダー「白のキング(ヴァイス・キング)」である仮面の男。乗機はファウルバウト。
まだ幼い旧ブリタニア皇族のカリス・アル・ブリタニアを新たな皇帝に擁立し、ホッカイドウブロックにネオ・ブリタニア帝国を築いた。
ネオ・ブリタニア帝国の真の最高権力者であり、カリスはお飾りの皇帝に過ぎず、誰もノーランドの圧力には逆らえない。
国の幹部であるアインベルクの面々であっても、失態を犯した者には挽回の機会すら与えず、ヒース・ロットは自害を無言で強要されるなど、圧倒的な権勢を有する。
他者との交流を拒むかのように寡黙な一方、相手の心理の裏を突くような戦略眼の持ち主でもあり、劇中で何度も敵対者を驚かせている。
一方、ホッカイドウの各地で激戦が巻き起こっている状況を顧みない様な方針に出る事も少なく、また行動を観察すると不可解な部分が浮かんでくる。
カークウェイン兄弟は日本人を殺したらノーランドに褒められると言いながら、一方ではナタリア・ルクセンブルグによる日本人特別区画を認めるといった矛盾した部分もある。
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第2幕ネタバレ注意!
カリスの代わりにアバシリから連れ出した皇サクヤを皇帝に擁立する。カリスの時と変わらず傀儡として扱い、ダモクレスによるサッポロの壊滅を諫めた彼女を一蹴した。
アッシュ・フェニックスの義父であり、クリストフ・シザーマンを介して、アッシュに非人道的な形であらゆる殺人術を叩き込み殺人マシーンへと作り上げたが、その事で彼からは憎悪と殺意を抱かれている。
第3幕ネタバレ注意!
ネオ・ブリタニア帝国以前の経歴が一部明らかとなった。
旧神聖ブリタニア帝国の帝国最強騎士ナイトオブラウンズの一員、ナイトオブファイブ。
一部がジノ・ヴァインベルグの口から語られたが、同じラウンズであってもノーランドのことは全く知ることが叶わなかった。ノーランドが聞いたのは第98代ブリタニア皇帝シャルル・ジ・ブリタニアの命令だけだった。
ヴォーグ制で養子にしたアッシュ・フェニックスには、養子にするものでは決して無い心が殺されるほどの苛烈な拷問紛いの訓練を当時からの直属騎士であったクリストフ・シザーマンを通して行い、そして不都合な人物に対する暗殺を強要し続けた。
ヴォーグ制で養子にした者を軍属にするというのはブリタニアの貴族においては常識ではあったが、暗殺者であることを強要し続けていたことに対しては、同僚のビスマルク・ヴァルトシュタインからも品位のないものとして諌められるほどにまともではなかったが、人殺しの道具として自身の役に立てばそれでいいと意にも介さなかった。
そして、ネオ・ブリタニア帝国建国から2年後、暗殺の強要で心が壊れる寸前であったアッシュをニコルが手伝った際に、ニコルが同じ孤児院出身のルビィを殺してしまい、それのカバーのために爆破工作を行った時に一つの終わりの始まりとなった。
ノーランドは失態をした者のことは一切許さない、例え養子であっても。
アッシュの失態をニコルが庇ったことで、ニコルをいらない者として殺害した。クリストフからやりすぎではないかと窘められるが、元より要らない子であり残していても役に立たないと何でもない声音で吐き捨てアッシュを激昂させ反逆を招いた。
それがノーランドの過去とアッシュの間に起こった出来事であった。
以上のことからわかるように異常ともいえるほど冷酷無機質な人物であり、他者を自身の役に立つか否かでしか量らず、失敗すれば一切の躊躇もなく切り捨てる。
一方で功績を挙げても「好きにしろ」というだけで無関心の体であるなど、良くも悪くも他者の感情や気持ちに徹底して無理解であるなど「自身」と「他人全て」を別の種かのように切り分けており、その精神性は無機的な昆虫に等しいと言える。
クリストフが皇サクヤを捕縛した際にギアスをよこせと要求したが、サクヤの反応からできないと悟るとそのまま興味を失う。
そして、狂人の集まりだと客観視されているネオ・ブリタニア帝国の態度からあり得ない和平交渉というものを超合集国へと持ちかけることで数ヶ月間の戦況が停滞し続けていた。
その間に、ノーランドの真の目的である超兵器の準備が完了し、全世界に対して未曾有の大殺戮が起こる。
第4幕ネタバレ注意!
ノーランドの本質は、イレヴンはおろかブリタニア人を含む人類そのものに仇なす者であった。
ロキがファウルバウトと連携されたことで、用済みとなったスタンリー・フォンブラウンすらロキに始末させたノーランドは、ネオ・ブリタニア皇宮地下のファウルバウト格納庫にて最後の準備に入る。
そして乗り込んできたロゼこと、ブリタニア皇族の血を引く皇サクヤに対し、仮面の下に隠された素顔を晒すノーランド。
その顔はサクヤの祖父でありかつてのノーランドの主君、シャルル・ジ・ブリタニアと全く同じであった。
かつてシャルルは人としての時間の概念から外れた兄・V.V.と妻・マリアンヌ・ヴィ・ブリタニアの在り方から老化と寿命に恐れを抱き、ラグナレクの接続と並行しスペアの肉体として自らのクローンたる強化人間を遺伝子の権威であるウィリアム・ビッシュに命じて製造、それこそがノーランドであった。
とはいえノーランドがスペアとして完成した後も、シャルルの肉体は壮健そのものであったため、時間がかかっていたラグナレクの接続を優先したシャルルは頭脳の移行を先送りとし、ノーランドについてはナイトオブファイブとして私兵とし、その後シャルルが消滅したことでノーランドのみが残されたのが真相であった。
愛情もなくシャルルの道具として生まれ育ったノーランドは、自らの心を殺し騎士の誇りすら持ち合わせず「敵の殺戮」のみを第一目的として過ごしてきたことに加え、優れた強化人間としての存在から「純粋なる、人類への生理的嫌悪」のみを積み重ねるに至ったことで現在の人格へと至った。
ずっとマスクを装着していたのも、シャルルと同じ顔という身元の隠蔽に加えて、唾棄すべき害虫にも等しい人間の姿や声を直接知覚するのも嫌であり、マスクに仕込んだモニターやスピーカー越しにしか彼らと接触したくない(このため、ギアスの対策にもなっている)という理由であった。
自身の領土を囮としてのホッカイドウ急襲・カリス謀殺からの新皇帝サクヤ擁立・ダモクレスをサッポロに落とす……などといった、これまでの周囲を驚かせてきた采配も、ある意味で「使えない手札は腐る前に切る」という、こうした冷徹性の発露とも言える。
マスクを外したノーランドはファウルバウトのコクピットに搭乗、強化人間ならではの神経電位接続によってファウルバウトと自らを接続、ファウルバウトの思考操作に加え全世界に散らばったロキの同時制御という離れ技を行使、さらにファウルバウトの能力によりキャサリン、アッシュをも退け、遙か上空から人類「駆除」計画の最終段階に入る。
ホッカイドウブロックの全土にシトゥンペバリアを広げ、自身は上空に滞空、目的の達成を待つだけの時間に入り、一人目を閉じていた。
しかしシトゥンペバリアを解除させたサクヤと復活したアッシュの駆るZi-オルテギア・メギストスゼータと対峙、一対一の激闘を繰り広げた。
ファウルバウトのタイタンモードから放つシトゥンペビームにより当初は優勢だったが、同時発射可能な数は2発までということ、またビームの連射を続けると発射速度が徐々に低下していくというシトゥンペビームの欠点を見抜き、それの隙を見出した二人の戦法の前についに敗れ、Zi-アポロの刃により機体事、体を貫かれて敗北。
死の中で一つだけ思い返すのはアッシュとニコルの兄弟との間柄。そして無意識ながら二人に抱いていた感情は嫉妬。
アッシュとニコルに対して当たりが極めて強かったのは、その出生と冷徹さだけでなく、人間的な兄弟関係に無意識ながら嫉妬していた。OPで兄弟を見つめる人物の正体は幼少期のノーランドであり、二人に対しては人類に対する生理的嫌悪感とは違う別の感情が窺える表情をしている。
死の間近に自身の敗北を悟り、道連れすべく密かに自爆装置を作動させ、自身の運命を悟ったか、もしくはアッシュの強さを認めるかのように微笑みながら目を閉じて、死亡、そのままアッシュと運命を共にする形で、空中にてファウルバウトと共に爆発四散、その野望は潰えることとなった。
彼の敗因は皮肉にもKMF同士の戦闘で勝つことは全く意味がなく、相手が不動になれば戦闘を行わずに簡単に制圧できるという、合理主義を突き詰めた事で、元ラウンズの実力を持ちながらも、シトゥンペビームを頼りすぎた事やシステムの欠点を見落とした事が致命的なミスを犯すことになった。
真の関連タグ
シャルル・ジ・ブリタニア:遺伝子的オリジナル。容姿もさることながら、目的が果たされれば全て帳消しとなるため他の人物・事象を全く顧みないという点で行動様式も非常に似ている。ただしノーランドと違いシャルルの計画は根本に愛する人の存在と裏切りに対する怒りがある。
フル・フロンタル、ラウ・ル・クルーゼ、カロッゾ・ロナ:3人ともマスクしているのが共通だが、前者はかつて主人公のライバルを元に生み出された存在、中者は遺伝子操作を受けて生み出されたクローン、その出自故にそれを招いた人類そのものを憎悪を抱く、目的の為に味方すら欺く、後者は人間には操作不可能な巨大MAを、完全思考制御によって手足すら使わずにコントロールする、人類の粛清に開発された大量殺戮兵器により、人間のみを徹底的に破壊・殺戮するなど、それぞれ通じる点を持つ。