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編集内容:女神転生のマンセマットの項目整理と、DSJの追加ルートについて

マンセマット

まんせまっと

マンセマット(Mansemat)は、旧約偽典「ヨベル書」に登場する天使。一般的にマスティマ、マステマ(Mastema)と呼称される。

概要

マステマ(マンセマット)の名はヘブライ語で『敵意』を意味する“mastemah”が語源とされ、死海文書においても『敵意の天使』として扱われる。

「ヨベル書」は、旧約聖書の「創世記」の時代の出来事が記されており、地上を見張る任務を与えられたエグリゴリが人間の娘に魅了されて堕天したこと、巨人ネフィリムを始めとした悪霊を生み出して地上を荒廃・堕落させた末にアザゼル達が幽閉されて、大洪水によりノアの一族を除いて全ての生物が滅ぼされたことが語られる。

洪水から二世代の時が経った頃、前述のネフィリムや悪霊がノアの子孫を脅かしたことから、は悪霊を捕縛する為に天使達を派遣した。

このとき、一人の天使が神に「悪霊達を自分の部下として残し、人間を堕落させ、滅ぼす任務に使用できるようにしてほしい」と懇願した。神はこれを承諾し、悪霊の十分の一をその天使に与え、残りは予定通り捕縛させた。

この懇願を行った天使こそが、マステマである。

続く「ヨベル書」の記述で、マステマは配下を駆使して人間を堕落させ滅ぼし、カラスなどを用いて不作をもたらした。

預言者モーセがヘブライ人を救う為にエジプトに足を踏み入れた時、マステマはエジプトに協力している。モーセとファラオの宮廷にいる魔術師の術比べでは魔術師側に力を貸し、モーセがヘブライ人を連れて国外に脱出した時は、モーセを追撃するようエジプト人達を唆した。

さらにマステマはエジプト側も己が任務の対象としており、過越祭の夜に羊の血の印がついていない建物、畜舎の長子を全て殺している。

以上のマステマの姿から、彼を敵対者としてのサタンの原型とみなす説が存在する。

女神転生シリーズのマンセマット

“マステマ”名称では、魔神転生の派生作品「RONDE -輪舞曲-」でボス悪魔として登場している。

真・女神転生 STRANGE JOURNEY

主要キャラクターの一人として登場。悪魔としての種族は“大天使”。

海外版ではMastema(マステマ)表記で登場。ミトラス宮殿においてクルーの変装をして主人公とゼレーニンに接触し、以後レッドスプライト号が苦境に立たされるとどこからともなく現れ手助けをする。

主である“神”の命を受けてシュバルツバースに降臨したと称し、数多の天使を配下に従え『良き霊』という言葉を使うなど、天使然とした振る舞いをする。だが、言葉の端々に人間を馬鹿にしたような物言いが漂い(ヒメネス曰くペ天使)、レッドスプライト号とジャック部隊の交戦が始まるとともにその真意が明らかになって行く。

マンセマットの目的は現在の人間を支配する“天使の歌唱”の獲得と、それによって人類から神の意を伝える者のみを選別し、一つの霊に統合することである。

現在の人間は古代から「変容」していることから、普通の天使の歌唱が無効化されてしまう。そこで、マンセマットは現代の人間を天使に変えて歌唱機とし、バニシング・ポイントを通じて地上を歌唱の力で満たして、他者と争い合うことのない、ただ『神』のみを崇める世界に変えようとした。

マンセマットはこれを“新たな高み”と言っているが、実際は地球を神のために作り変え、それを手柄に天使からさらに上の存在になることが目的である。

特にカオスルートではマンセマットと交戦する場面があり、主人公への敵意をむき出しにした荒々しい口調で、人間をただの道具程度にしか見ていなかった真の顔を見せる。

真・女神転生DEEP STRANGE JOURNEY

上記作品のリメイク版におけるCVは森川智之

今作は会話パートにおいて主要キャラクターの立ち絵が表示されて表情の変化がわかる仕様になっており、マンセマットにもいくつか表情が用意されている。

特にカオスルートにおけるマンセマットとの戦闘は、通常デザインではなく憤怒に歪んだ表情のマンセマットが画面に映し出される仕様になっている。

今作で追加されたロウルートの新ストーリーでは、アレックスの口から旧作のロウED後の世界の状況が語られている。

そこでは天使の歌唱によって神を賛美する者と歌唱が通じなかった者に分かれてしまい、後者の人類は地上に降臨した天使たちによって処分の名の下に虐殺され尽くす地獄と化していた。

その未来に対して疑問を持ったゼレーニンは新たな秩序を得るために三賢人を討つことを決めて『十天への至』へ乗り込むが、その途上でマンセマットと邂逅する。

マンセマットは三賢人が“第5の宇宙卵”によって力を盛り返したことに戸惑いつつも、ゼレーニンに三賢人へ協力して地上を歌唱の力で満たすように命令する。しかし、ゼレーニンによって命令を拒否されたことでマンセマットは激高し、感情も露わに罵倒と呪詛の言葉を投げかける。ゼレーニンの裏切りによって地球を神の為に作り変えるという手柄を得ることが不可能になったマンセマットは、三賢人たちに霊の統合を任せる旨の言葉を残して地上を巡る闘争を見届けることなく天に帰ってしまう。

この新ロウルートのマンセマットの振る舞いは、彼が作中で“人類の為”と称した行動すべてが自己の利益に終始した策謀の布石でしかなかったこと、ニンゲン及び地球を利用する対象としか見ていなかったことをより強調しているものと言えよう。

真・女神転生Ⅳ

今作のCVは高木渉

作中のマンセマットはタヤマと彼の率いる八部連合阿修羅会に協力するという立場であり、主人公とミッドタウン最上階において邂逅する。

マンセマットは、悪魔たちにタヤマの作る赤玉を供給することで人間への不可侵を保つという契約を取り付ける仲介者、及び阿修羅会が版図を広げるための後ろ盾を務めており、ミッドタウンで赤玉を狙うガイア教徒たちを見張る役目をしている。

彼の目的は四大天使たちと同じく“主の意思を実践すること”である。

ただし四大天使が東のミカド国建国後も介入を続ける方針を取ったのに対し、マンセマットは建国後は人を見守る立場を取ることこそ神の言う天使の役目であると主張し対立している。さらに“秩序”は人自身によって保たれるべきというスタンスで、過去にアキュラ王と契約を交わして四大天使が進める東京諸共ケガレビトを消滅させる計画を防ぎ、封霊塔カゴメにガブリエルを除く三天使を幽閉している。

『貴方たちの同胞である者』などの慇懃かつ胡乱な口調は真SJ以来変わっていないが、初登場時にわざと戦闘態勢を取って主人公をからかう一面をみせる。一方でCクエスト「地下を飛翔せし大鴉」では主人公を『操られるしか能のない土人形』と罵倒するなど相変わらずの性格である。

またDLCミッション「大天使の羽を折れ」は、“M”という他シリーズ作品大天使を思わせる名で依頼が行われている。

左門くんはサモナーシリーズのマステマ

神に仕える悪魔、という原典とほぼ変わらない存在として登場。

街の住人や悪魔(赤い竜に所属する堕天使)を堕落させながら天国に連れていけそうな存在を探す。

その過程で事件の調査をしていたサルガタナスを負傷させられたネビロスと九頭竜を被害に会わせた左門を激怒させ、かつて自分が見てきた聖人を思わせるてっしーを天国へ連れてくため暗躍する。

左門たちとの激戦の末に敗北、もともと立場もよくなかったためか天界から特に弁護されず封印という形で決着がつく。

しかしベルゼビュートに捕えられたアンリ・マユを救出するため左門に封印を解かれる。

その性格は左門が閉口するほどウザい。しかも確信犯。

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