共通事項
車内外・システム
225系をベースに様々な新機軸が盛り込まれており、先頭部と車内は521系3次車の仕様に変更された。ステンレス車体で先頭部分が鋼製。車内表示機は321系・225系の液晶式ではなく、LED式を採用している。ドアは片側3か所。
321系・225系の「0.5M方式」を踏襲して全車電動車となり、クモハ227形にパンタグラフが付いている。トイレはクモハ226形に設置されている。運転台は225系のものをベースとした2ハンドルタイプ&高運転台構造で、ワンマン運転に対応するため一部機器の配置が見直された。
新機軸
「新保安システム」ことATS-DW、戸挟み検知機構、フルカラーLED式行先表示器、グラスコクピットを、JR西日本の在来線用車両では初めて採用した(後2者はN700系が初)。
行先表示器のフルカラーLED化に伴い、側面の表示器は種別幕と行先表示器が一体化された。221系以来永らく続いた「種別幕+3色LED」の形態は、ここにきてついに廃止された。
広島地区向け227系
「國鐵廣島」と呼ばれるほど国鉄型車両が大量に残っていた広島地区向けに、その代替車両として2014年より投入。JR西日本発足後、初めて広島地区に投入される新製電車であり、国鉄時代から数えても広島シティ電車政策で導入した115系3000番台以来32年ぶりとなる。車内は扉間が2+2列の転換クロスシート、車端部がロングシート。
カラーリングは「広島らしさ」(県木のもみじ、広島東洋カープ、厳島神社大鳥居など)をイメージした赤基調の新デザインとなっている。このデザインに至るまでは、複数のカラーリング案が検討されていた。駅施設のサインシステムと一体化したこのデザインの評価は高く、2015年度グッドデザイン賞の受賞に至っている。
先頭車の運転台側面にも転落防止幌が新製時から設置されている。この幌が翼を広げたように見えることや、将来の広島近郊の公共輸送を担うことなどから、「未来へ羽ばたく赤い翼」という意味の「Red Wing(レッドウィング)」という車両愛称が付けられた。
最終的に3両編成64本、2両編成42本の計276両が揃う予定。3両編成はA編成、2両編成はS編成となっており、後者は番号の複雑化を避けるため車両番号が-65からスタートしている。
その他
列車種別表示部分に「カープ坊や」が入っている。特別に設定したものではなく、新製時から用意されており、2016年のプロ野球・広島東洋カープの優勝を機に満を持しての登場となった。2017年でもカープが優勝したため再び使われた。
奈良・和歌山地区向け227系
JR西日本が保有している105系は奈良・和歌山地区(桜井線・和歌山線・紀勢本線用)にも残っており、また117系も使用されていたことから、その代替車両として2019年より投入される。
広島地区向け227系とは異なり緑基調のデザインが採用されるほか、車内はロングシートへ変更される。最終的に2両編成28本の計56両が揃う予定。