炎上祥鳳
えんじょうしょうほう
アニメ『艦隊これくしょん』のネタバレとショッキングな表現が含まれます。
また、性質上艦これのアニメをネタにしているというだけで不快感を呈する人もいます。目的外の濫用は避けるようにしてください。
2015年2月20日午前1時30分(2月19日深夜25時30分)頃、悲劇は突如提督と彼女を襲った。いや、繰り返されたというべきか・・・
概要
問題となったのは、アニメ『艦これ』第7話の一シーンである。
戦闘中の一場面に祥鳳が登場。
その周囲は業火に包まれており、今にも倒れそうな姿の彼女がいた。
そして10秒ほど経過したあと・・・
フェードアウトである。
台詞も何もなく、特に触れられないまま次回へ続いた。
そして、その後の話で一切祥鳳について安否も生死もなにひとつ言及されることはなかった。
劇場版においてもまた然りである。
一応史実に沿った展開(史実における空母祥鳳は、ポートモレスビー攻略を目的としたMO作戦にて戦没している)であるとは言え、台詞もなしに10秒程度で退場させられるという扱いは各所で物議を醸すものとなった。無論、祥鳳を愛する提督達が大きなショックを受けたことは言うまでもない。
また、主人公の成長とある程度関わりがあった如月の場合とは異なり、祥鳳と吹雪は別組織に所属している設定とされたため全く交流がなく、ドラマ上の必要性が一切なかったことも問題として挙げられている。
この用語の由来は、劇中で祥鳳が置かれた状態を示すとともに、大した意味もなくキャラクターを死亡させてファンの話題を得ようとする安易な「炎上商法」的な描写に対する揶揄の意図も含まれていると思われる。
波紋
Twitterのトレンドは僅かな出番しかなかった「祥鳳」が急上昇する等、一定の影響が見られたものの、流石にNHKにまで爪痕を残した第3話ほどの影響はなかった。これは、7話時点でアニメに軽空母の艦娘は鳳翔以外登場しておらず(それも回想シーン)、多くの視聴者が彼女の登場すら予測していなかったこと、そもそも祥鳳というキャラクターについてろくな説明もなかったことが背景にあると考えられる。
出番の少なさについてであるが、これについては彼女に限った話ではなく、最終回に至るまで、台詞のあった当時実装済みの軽空母娘は鳳翔だけ(回想でたった一言)であり、他には隼鷹・龍驤の後姿が登場したのみ(千歳型は水上機母艦としての登場)で、飛鷹・祥鳳の姉妹艦である瑞鳳・その親戚である龍鳳に至っては、その存在にすら触れられていない。皮肉なことに、あのワンシーンだけの描写ですら軽空母の中で一番クローズアップされていたのも祥鳳であると断言できる有様だったのである。
制作陣には艦娘に対する愛はないのだろうか……。
批判の声
前述のとおり、生死不明となった展開だけでなく、祥鳳のセリフやキャラクターへの言及が作品内で皆無だったことに対する批判も大きい。
如月は『主人公(吹雪)の親友(睦月)の親友(如月)』という立ち位置ながらも、1話・2話で顔見せはされており3話での「死亡フラグ」の乱立っぷりから如月ショックが引き起こった。
だが祥鳳は大破炎上しているシーンが初登場かつ唯一の出番となり、モブ艦娘としての登場も「如月の二の舞か!?」と驚かせる伏線さえもなく、いきなりの展開だった。ピンチを演出する為だけに使い捨てられてしまったとすら解釈できる有様なのだ。
また、長門や吹雪には仲間の死を悲しむ描写が4話にあったにも関わらず、7話以降で(別鎮守府所属扱いとはいえ)彼女達が祥鳳の安否を気遣う場面や心配をする場面が一切なく、同作品内でキャラクター描写が矛盾している。(吹雪は祥鳳が危ない状況にあると情報を得ていた)
ちなみに珊瑚海海戦で祥鳳と共に出撃し、祥鳳の乗員救助にも関わった漣は、7話ではいなかったことにされている。ちなみに青葉、衣笠、加古、古鷹の四人は設定上出撃していたことを示唆する場面もある。
なお、第七駆逐隊は五航戦や珊瑚海とも浅からぬ縁がある(※)のだが、漣どころか第七駆逐隊、ひいては綾波型自体の出番が無いに等しかった(1話に綾波型の服を着た艦娘が歩いているシーンがあるが特定は不可能、10話のモブに綾波が確認できるのみ)。
※史実の珊瑚海海戦において、曙と潮は五航戦の護衛を担当している。朧は開戦前に秋雲と共に五航戦の直属であった。漣は前述した通り祥鳳の乗組員救助に携わっている。
7話以降・および劇場版において
一切言及されていない。生死はおろか、
7話における祥鳳の場面は何の意味もなかったのだ。
また、同映画では艦娘の深海棲艦化が示唆されていたが、祥鳳についてはその深海棲艦化の描写すらなかった。
この一連の祥鳳に対する扱いで、制作陣には祥鳳に対する愛はないと明らかになった。
祥鳳はたった10秒間の演出のために使い捨てにされ、彼女のファンは愛を否定されたというわけだ。
艦これにおける祥鳳の扱い
アニメのみならず、艦これというコンテンツにおいて、祥鳳の扱いは冷遇としか言いようのない差別を受けている。
確かに、アニメ後にはある程度ゲーム側では祥鳳提督に対しても一応のフォローがなされている。
・梅雨限定グラフィック実装
・祥鳳改のグラフィック変更
・クリスマス、バレンタインなどの季節限定ボイスの追加
しかしながら、如月とは異なり、2018年3月現在未だ改二実装はされていない。なお、姉妹艦の瑞鳳は2018年2月に改二が実装した。
如月は騒がれたから慌てて改二を実装したが、祥鳳はそれほど騒がれたわけでもなかったため、ファンへの配慮を怠ったのだろうか。
当然、祥鳳提督からは「差別的な扱いだ」、と不満の声が続出した。
もっとも、彼女の担当声優の種田梨沙氏は病気により長期療養に入った時期があるため、一概に意図的な差別扱いをしたわけではない可能性もある。
しかしながら、同氏が長期療養に入る前に改二を実装する機会はいくらでも存在したはずである。その件を考慮するならば、少なくとも祥鳳ファンの心情に対する配慮が足りなかったことは確かだったといえよう。
なお、その当の如月ですら、アニメでの深海棲艦化を彷彿とさせるような限定グラフィックの実装がされており、到底ファンへの細やかな配慮があるとは思えない扱いを受けている。
ちなみにbob氏によって毎年投稿される記念イラストでは、二周年では川内と共に最前列に描かれる、三周年や四周年では中心部付近に描かれるなど、かなり目立つ位置にある。
生みの親であるbob氏も、祥鳳の扱いの悪さに何かしら思うところがあったのだろう。
なお、このようなbob氏の配慮にも関わらず、艦これ公式Twitterでは、同氏の記念イラストにおいて祥鳳のことを何一つ言及していない(ほかの艦娘は言及しているはずにも関わらず)。
これらの事実は、艦これ公式・艦これ運営が祥鳳というキャラクターを嫌っておりそれゆえに冷遇をしている証拠だと言えよう。
おそらくはbob氏や祥鳳のファンに失礼だという認識もないのだろう。
以上のことから、アニメ・ゲーム共に祥鳳は異様なまでに無視・冷遇されていると言えるだろう。
余談だが、アズールレーンの祥鳳はハロウィングラフィックを追加される、他のキャラとの交流がゲーム内で描写されるなど、艦これの同名キャラとは対照的に非常に優遇されている。
艦これ側のスタッフも、アズールレーンスタッフを見習うべきではないだろうか?
注意点
「艦娘にモブは居ない」という主張を行う提督も多い。
艦隊これくしょんが今までのミリタリ界隈でも影の薄かった艦にも焦点のあてられているコンテンツである事を踏まえた上で、今回の一件について考えてもらいたい。
無論、この件をダシにして祥鳳を貶める迷惑行為も控えるべきである。(事実、祥鳳関連のコミュニティでは、このアニメや瑞鳳をダシにして祥鳳を貶めるコメントが散見され、荒れる事態が多発した)
関連イラスト
劇中では描かれなかった、孤軍奮闘する場面を想像したイラストや倒されてしまった状態のイラストが投稿されている。
(※前述の通り、あくまで生死不明である)
アニメとゲームキャラは別物と割り切り、本人がアニメの状況を見て嘆いたり驚いたりしているイラストも。
また、炎に包まれているというシーンを逆手に取り、格好良いイラストを描く者も。
自力で脱出し、助かった状態を描いたイラストも存在する。
さらに、同じ炎に包まれた繋がりか、城之内克也のシーンと混ぜ合わせたネタ絵が描かれている。
※キャプションを見ればわかるが、ネタを交えつつも「闇の脚本」と称するなど、上記イラストの作者の少なからぬ製作陣への批判・揶揄が含まれていることが推測される。
さらには史実の状況を描いたイラストや、こんなイラストも。
なお、剣崎(剣埼)つながりであの男が祥鳳を救うSSもあったりする。
(なお、同作者は如月と同じ名を持つ男が彼女を海の底から救うSSも書いていたりする)
関連タグ
その他の関連タグ
祥鳳(アズールレーン)←艦これとは違い、まともな扱いを受けている同名キャラ。
吉野弘幸←祥鳳炎上回の脚本家。ちなみに吉野氏はインタビューで「ファン数の少ないキャラも大事にしてゆきたい」とコメントしている。アニメを見る限り、嘘八百であったことが明白である。
田中謙介←艦これプロデューサーにして、祥鳳冷遇の戦犯の一人。