ピー・プロダクション
主に活動していたのは1960~70年代。社長のうしおそうじが映画・漫画業界出身だったこともあり、特撮番組に止まらずアニメ制作も行っていた。
社長のうしおそうじが手塚治虫と親交があったことからマグマ大使の実写ドラマ化やアニメ鉄腕アトムの下請け制作も行っていた。
だが特撮ブームの終焉とともに業績は悪化。75年の「冒険ロックバット」終了後は映像作品制作から遠のいた。
2006年に「快傑ライオン丸」のリメイク作品「ライオン丸G」にて久々に復帰。
そして2011年秋に「電人ザボーガー」の劇場版を公開され、ピープロは企画・原作という形で参加した。
作風
ピープロの作品は円谷プロや東映特撮作品にはない独特な雰囲気を持ったものが多い。ピープロならではの表現技法としては、実写にアニメーションを部分的に組み合わせたアニメ合成が挙げられる。これはピープロがアニメ制作の下請けを引き受けていたことから派生した技術であり、今のCG合成と発想は同じである。
また、ピープロの作品には放送当時の時代背景や社会風潮をストーリーに盛り込んだ作品が多いのも特徴である。幻想的な円谷特撮や外連味たっぷりの東宝特撮と違い、ピープロの特撮はある種生々しいまでの人間模様や社会の不条理が描き出されており、高度成長期の日本のおどろおどろしい雰囲気が醸し出されている。
怪獣や怪人のデザインも非常にグロテスクで生理的嫌悪感すら視聴者に感じさせるものが多い。
また、ピープロはかつかつの経営をしていたためか番組にまわせる予算が少なく、チープな映像になってしまっている作品も多い。
こういった要素が複雑に絡み合った結果、ピープロは今なお特撮ファンや好事家達からカルト的な人気を得るに至ったのである。
一口で語るのは非常に難しいが、ピープロ作品の魅力とは絶妙なB級感、アングラな雰囲気であると言って良いだろう。
代表作
・怪獣王子
・スペクトルマンシリーズ