「時間の無駄でしたわね」
概要
折神家親衛隊の第二席を務める刀使。京都の名家のお嬢様。
第一席である獅童真希とともに折神紫の警護や荒魂討伐の指揮を任されている。
プロフィール
人物像
鋭い洞察力を持つ親衛隊の頭脳的存在。プライドが高く、お嬢様口調で棘のある言葉をズバズバ言ってのける。
全国の刀使が剣術を競う折神家御前試合において、綾小路武芸学舎の代表として2年連続準優勝するという実績を残して親衛隊入りした。その2大会とも真希に決勝で敗れていることから彼女をライバル視している。といっても真希との関係は険悪なものではなく、感情に流されがちな真希を時には宥め時には叱咤する良きパートナーとして支えている。
「レンジでチンされて熱くなったコンビニ弁当の中の漬物」という何とも言えないモノが好物。名家のお嬢様とは一体……。
刀使として
剣術の流派は鞍馬流。愛用の御刀は九字兼定。
鞍馬流の特徴である「変化」と呼ばれる相手の刀を巻き落とす技術を会得している。
また、相手が迅移を使うタイミングを読むことにも長けており、現役の刀使の中でも個人戦闘では最強クラスの衛藤可奈美と渡り合うだけの実力を持つなど、戦闘力は非常に高い。
そして彼女もまた他の親衛隊たちと同じく、折神家が密かに研究している荒魂との融合技術によって身体を強化されている。
波瀾編にて獅童真希から「なぜ荒魂を受け入れたのか」と問われた際に、荒魂を受け入れたのは強さに水をあけられたくない人がいたからだという、なんともピンポイントかつ個人的な理由であったことが明かされた。(ちなみに原因にあたる当の本人は、名前こそ出さなかったものの目の前で打ち明けられたにも関わらず、彼女が荒魂を受け入れた理由が自分にあるとは気付いていなかった)
経歴
胎動編
折神紫の護衛として御前試合決勝戦の会場へ同行した際に十条姫和による紫への突然の襲撃に遭遇し、以後は襲撃犯である姫和と逃亡を助けた衛藤可奈美の2名を捕えるため真希とともに捜査の指揮を執る。
紆余曲折あって姫和たちの逃走先が特定され、寿々花と真希、皐月夜見の3人は機動隊を率いて出撃した。寿々花と真希は、夜見に追い立てられた姫和たちと山中で交戦する。寿々花と可奈美が互角に戦う一方、真希が姫和を写シが切れる寸前まで追い詰めたことで親衛隊の勝利は目前と思われた。しかし可奈美と姫和の咄嗟のコンビネーションによって真希が一撃を受け、その隙に2人を取り逃がしてしまう。更には指揮所に潜入した古波蔵エレンによって折神家の秘密である「人体とノロの融合技術」の証拠となるアンプルが奪取され、姫和たちと反体制組織「舞草(もくさ)」の合流も許してしまうという散々な結果に終わった。
紫が策略によって舞草を壊滅させた後、折神家本部を急襲して来た6人の刀使を親衛隊が迎え撃つことになり、寿々花は再び可奈美と対峙する。S装備を纏った可奈美に対し、寿々花も荒魂との融合で得た力を発揮して一進一退の攻防を繰り広げたが、ついには敗れた。決め手となった可奈美の技は、皮肉にも寿々花の技術を学び取ったかのような「巻き落とし」であった。
時を同じくして真希も姫和に敗れ、親衛隊の同僚である燕結芽は力を使い果たして病死した。結芽の死に動揺する真希を叱咤し、寿々花は結芽の遺体の処置を引き受け、真希には可奈美たちの後を追うように促した。
波瀾編
「胎動編」における事件から4か月後、寿々花は新体制となった刀剣類管理局の下で人体と融合した荒魂を分離する医療研究に協力していた。しかし紫の体から逃げ去った荒魂が3体に別れて互いに争うという事態が発生したことを受け、真希とともに刀使として復帰する。
皮肉にもかつての敵であった可奈美達と共闘する事となり、真相を知らない世間的には「此度の事件における黒幕(=折神紫)の側近の一人」として快く思われないであろうということを覚悟の上で戦線に立った。
真希との合流・再開の際には、一人で突出した行動を取り場を混乱させたこと、また死に急ぐような真似をしたことに対して真希を厳しく叱責している。
タギツヒメ覚醒後はかつての仲間だった皐月夜見を対峙し打倒するも、最終的には取り逃がしてしまう。その際、夜見にはタギツヒメに対してではない何らかの思惑があることを察している。
また、終盤にはタギツヒメ側に就いた高津雪那を捜索し、全てを失って自暴自棄になっていた彼女を発見して説得を試みた。
これらの行動は基本的に真希と二人で行っており、時には直情かつ自虐的になりがちな真希を叱咤激励する手綱取りとして、またある時は背中を預け合える共闘相手として、良きパートナー同士といえるコンビネーションを見せた。
エピローグでは折神茜に仕えていると思われる新親衛隊の一人として、真希および糸見沙耶香、益子薫と共に黒基調の新しい制服に袖を通して御前試合を見守る様子が描かれた。
真希との関係
上述のように、親衛隊に入る前の御前試合で一度も真希に勝てなかったことから彼女を強く意識しており、これ以上強さに差を付けられたくないという思惑だけで荒魂との融合を受け入れるなど、彼女に対しては並々ならぬ思いを抱いている。
その思いは決して強さに拘ったものばかりではなく、夜見と対峙した際や最終話のエピローグなどで真希から告白まがいの言葉を掛けられた際に頬を赤らめるなど、彼女に対して好意を抱いていると思われる描写も見られる。
しかし、悲しいかな真希自身は寿々花の思いに一切気付いておらず、荒魂を受け入れた理由を聞いた際にも「そんなに思われる相手が羨ましいよ」と全く自分の事とは思っていない鈍感さをみせる。
エピローグでも、桜並木の下で寿々花の手を取って「ボク達も強くなろう...一緒に...」と言うなどシチュエーションまで完璧なプロポーズまがいの事をしているくせに、顔を赤らめる寿々花を見てキョトンとするなど、どうにもすれ違っているようにある...。
いつか寿々花の思いが通じることを願うばかりである。