概要
通称「汚忍(おにん)」。「ブロントさん」の敵対者。
アンパンマンに対するばいきんまん、キン肉マンに対するキン骨マン、リョウ・サカザキに対する如月影二のような存在。
FF11の忍者装備のキャラクターに黒い目線を入れたものが有名、ゲーム内にそういうキャラクターが存在するいうわけではなく、FF11内でこの装備が可能という程度の認識で良い。後述の動画「ブロントファンタジー」で初めてこの装備が起用され、それが「汚い忍者」というキャラクターイメージとして定着しただけのものである。
命名の由来
FF11におけるジョブ「忍者」への怨恨の声である。
当時から「ダメな忍者」に対する一般的な蔑称はすでに存在しており、「忍邪」「葱」「糞忍」などと呼ばれていたが、「汚い忍者」という名前では定着していなかった。
今でこそ"忍者は汚い"がネタとして認知されているが、もちろん相手にとっては「侮辱」とも取られ得る文句であるため使いどころを誤ると裏世界でひっそり幕を閉じることになる。
「ネトゲ実況@2ch掲示板(通称ネ実)」で、ブロントさんが「汚いなさすが忍者きたない」と書き込んだのが発祥。
これが証拠ログ
52 名前:既にその名前は使われています 投稿日:2005/12/29(木) 12:18:59 77V/Lx2S
これ立てたの絶対忍者だろ・・汚いなさすが忍者きたない
俺はこれで忍者きらいになったなあもりにもひきょう過ぎるでしょう?
俺は中立の立場で見てきたけどやはりナイト中心で行った方が良い事が判明した
忍はウソついてまでPTの盾役を確保したいらしいがナイトに相手されてない事くらいいい加減気づけよ
ナイトは忍者よりも高みにいるからお前らのイタズラにも笑顔だったがいい加減にしろよ
空蝉
この様な書き込みがなされた背景には、FF11における忍者の技「空蝉の術」が防御用のスキルとしてチート並の性能であった事に起因していた。
「空蝉の術」(以下、空蝉)とは、分身を作り出すことで一定時間内(一定回数)、敵の攻撃を100%回避可能になる魔法である。このスキルは使用するたびに特定のアイテムを消費するため、ある程度の資金が必要になるが、それ以外のリスクはほぼゼロで発動できるメリットが大きい。詠唱時間が長い「空蝉の術:壱」と瞬時に発動する「空蝉の術:弐」を組み合わせることで、常に空蝉状態を発生させることが可能で、慣れればほぼ敵からダメージを受けることがなくなる。もちろん味方を守るための「盾」役を引き受けることが可能で、味方への攻撃を引き受けつつ自分も無傷で攻撃し続けることが可能。必然的に仲間メンバーへの負担が小さくさり、PTに入れることは効率的だとしてもてはやされた。
そのため、該当スレッドは不遇となったいくつかのジョブ(忍者が脚光を浴びる前、高い防御力で壁役を担っていたナイト等)を貶める内容のものであった。(~はイラネ、~は帰れ、などの書き込みが多数あった)ちなみにこのような他ジョブへの罵倒は当時のネトゲ実況板では日常茶飯事であり、忍者が強い時期だろうが、弱い時期だろうが荒れていた。実際これも数あるスレの一つに過ぎない。
サポ忍の有用さはブロントさんも認めるほどであったため、HNMなど一部の環境を除けば、冗談抜きで蝉盾(空蝉を使って盾役をする忍者)以外のジョブは仲間に入れる必要性がほとんどないという状態であり、忍者以外のジョブへの冷遇が後を絶たなかった。
忍者がFF11内で優遇されすぎていた事に関しては、無論プレイヤーに非は無く、開発側のバランス調整不足による不手際が原因なのだが、その結果どこもかしこも「空蝉」を使える「忍者」および「サポ忍」が跋扈。忍者を使って遊んでいるプレイヤーが文句の標的になった。
このような問題があった事から、後にバランス修正が加えられた。
現在では、敵側に空蝉を無効化してくる技が多く実装され、蝉盾一強の地位に影を落としている。
二次創作において
以下は二次創作キャラクターとしての「汚い忍者」について説明する。
主にMUGENや東方有頂天シリーズで活躍しており、固定ファンも多い。
「汚い忍者」は彼の名前そのものであるが、上述したような理由から関係ない場所では「忍者」そのものへの蔑称と取られないよう注意して使うべき。
ブロントファンタジー
初出は2ちゃん全板人気トーナメント決勝の際に作成された支援動画「ブロントファンタジー」から。
「アワレにも盾の役目を果たせず死んでいた」忍者が見事PTの危機を救って見せたブロントさんへの逆恨みから裏テルを送ったり、挙句の果てに闇王やカムラナートら悪役の側に回るという展開であった。レイズを唱えてもらったのにお恩を仇で返すとか汚いなさすが忍者きたない。
ニコニコ動画における汚い忍者の外見設定(ヒュームF4茶髪)はこの作品に準拠しており、後述する「目線」もこの頃から装備されている。
ちなみにブロントファンタジー以前にネ実で広まっていた「汚い忍者」は、ヒュームF1金髪であった。
MUGEN
「ブロントファンタジー」を元にマンドラフ氏がキャラを作成。
氏による様々な技や、自らアフレコした絶妙な小物臭漂うボイス(褒め言葉)によって現在の汚忍イメージが確立されるに至った。
東方有頂天
ヒキョウな手を使い、ブロントさんからメイン盾の座を奪い取る事を目的としている悪役。元の設定どおり素の実力と盾能力ではブロントさんに及ばない。
負けた時の台詞は決まって、ブロントさんの言語録でも有名な「勝ったと思うなよ・・」である。
中には、彼もまた一流の実力者であり、ブロントさんがナイトにこだわる様に彼もまた忍者にこだわりを持つキャラである――ように描かれる事もある。(「空蝉」がもてはやされた半面、それ目当てのサポートジョブとしての忍者の方が広まってしまった事を嘆いている、等)
ブロントさんを倒す為に敵対している事が大半だが、稀に共闘も見られる作品もある。
余談だが「笠松ノブオ」と呼ばれている事がある。
これは「東方陰陽鉄」という作品でのオリジナル設定であるため、「東方陰陽鉄」ベースの派生作品以外では無闇にノブオなどと呼ぶのは控えるべき(しきたり)。
目線
テレビなどで容疑者の顔を映すときなどに使用される目隠しのようなもの。
上述の「ブロントファンタジー」において、彼の顔に目線が入れられていたことに由来する。
これで正体がバレないとでも考えていたのだろうか。
大抵の作品で、汚い忍者の基本装備として定着しており、「汚い忍者」として活動する時に面が割れないよう使用していたりするらしい。
サングラスのようにで着脱可能だったり、呪いの一種だったりと設定は様々。(存在が「忍者」への蔑称とならない為の配慮である、という意見も稀によくある。)
装備
鬼哭
ブロントさんのメイン武器「グラットンソード」に対抗して、汚い忍者のメイン武器とみなされることの多い武器。初出はMUGENのモデルだと思われる。
その入手難度は「レリック装備」の項目をみるとわかりやすい。仮に「グラットンソード」と同じ「片手剣」というジャンルであれば「エクスカリバー」に相当するのだから、そのレベルが計り知れようというもの。
だからといってネタにマジレスするのは無粋。
また、「レリック装備」の特徴として、武器自体が意志を持っているため、汚い忍者とは、お互いに意志の疎通、更には普通に会話ができる。稀によく擬人化されることもある。
ちなみに忍者は二刀流が可能なため、もう1本武器が装備できるが、そちらについてはまちまちである。
参考までに、MUGENの汚い忍者は秋水を装備している。
乱波装束
忍者のアーティファクト。ブロントさんの「ガラントアーマー」と同じぐらいの価値。
汚いは、誉め言葉だ…!
汚い忍者の代表的な決めセリフ。
BASTARD!!闇の反逆軍団68話にて、人質を取ったアビゲイルが「畜生!汚ねぇぞ!」というセリフに対し、「ありがとう!!最高の褒め言葉だ!」と返したシーンが元ネタだと思われる。
その後に登場した、往年の格闘ゲーム「サムライスピリッツ」の第一作において、プレイヤーキャラのひとり不知火幻庵もまた同様のセリフを残している。
「ひょきょう者? ありがたい褒め言葉だケ!」
また、HELLSINGのアンデルセン神父の言葉を借りるのであれば、戦では騙撃、裏切りはあたりまえ。それどころか賞賛されてしかるべきである。
そう、まさにFFは遊びではないのである……が、それは敵に対して行った場合の話。
汚い忍者の場合盾役を気取るくせに「味方に対して」行い、「LSにおいてそんな事ばっか行っていたから盾としての信用がぜんえzんない」のが彼の立ち位置である。
なお、『汚い』と名乗ってこそいるものの、それは『道義・倫理的にダーティな手段でも平気で使う』という意味であり、「FFは遊びじゃない」理念から来る効率・機能性第一の気性もあって、使う道具の整理整頓や段取りの組み上げ方、実行のしかたについてはむしろ非常にシステマチックで猥雑さを嫌う。
汚い忍者と名乗っていても身なりや動作まで汚ならしい訳ではないのである。
テーマ曲
島谷ひとみの「深紅」がブロントさんのテーマ曲のように扱われることが多いのと同じように、往年のロボットアニメ「忍者戦士飛影」のオープニング「LOVEサバイバー」が、汚い忍者のテーマ曲のように扱われることがある。前述のマンドラフ氏製作のMUGENにおいて、一撃必殺技「汚いガマガエル」使用時のBGMが初出。
チョイスの理由としては作品が「忍者つながり」である他、歌詞に「オマエを護る盾になる」といったニュアンスが含まれることから、汚い忍者のキャラクター性と合致しているためではないかと思われる。(「汚いガマガエル」は、技自体のインパクトも非常に強力。)
関連イラスト
関連動画
巡音ルカのオリジナル曲「Japanese Ninja No.1」の替え歌。
マンドラフ氏が改変して、自ら歌ったバージョンもある。汚いなさすが忍者きたない