A-trainで最も豪華な車両の概要
京都線で9300系が登場した後、こちらは神戸線及び宝塚線向けに製造された車両である。
9300系と違い、当形式の座席はロングシートとなった。
2006年7月に神戸線で、2007年9月に宝塚線で営業運転を開始。
内装はA-trainとは思えない豪華な内装で、阪急らしい木目調パネルと緑色の座席で構成されている。
主要機器
制御装置や主電動機をはじめとした床下の電気機器は神宝線用車両の慣例により東芝製となっている。
制御装置は東芝製IGBT素子VVVF(ベクトル制御・純電気ブレーキ対応、1C2M方式)を搭載。
主電動機定格出力は200kW、定格回転数は1980rpm、最大回転数は4716rpm。
駆動装置はTDドライブとWNドライブが混在する。
9300系と同様に定速制御も装備している(阪急では惰行制御と呼称されている)。
台車は9300系同様住友金属工業製のFS565(電動)・FS065(付随)を採用。
ブレーキ装置は踏面片押し式ユニットブレーキを装備。
前照灯は当初シールドビーム式だったが、2013年頃より全編成が順次LEDに更新された。
編成貸出など
2013年4月1日現在11編成88両が在籍しており、そのうち6編成が宝塚線、5編成が神戸線に所属している。
本数が増えだした2012年から全編成が両線予備車の役割を担うようになった(宝塚線所属車は神戸線予備、神戸線所属車は宝塚線予備)。
2012年10月に神戸線所属の9004Fが一時的に宝塚線で運用されており、同年12月5日には宝塚線所属の9001Fが神戸線での運用を開始していたが、2013年2月に宝塚線に復帰した。
また、2013年3月に9003Fが神戸線に転属していたがこちらも同年12月に宝塚線に復帰した。
これ以外にも車両の運用状況によって神戸線の在籍車が宝塚線に一時的に転属するもしくはその逆のケースも発生することがある。
2016年現在、9001F・9003F・9007F(宝塚線)、9002F・9004F・9006F・9008F(神戸線)が相手路線に貸し出された経歴を持つ(2編成が同時に貸し出されることもある)。
全編成が神戸・宝塚両線の表示幕を装備しているため、貸し出す編成が特定されない。しかし2017年頃からは1000系が貸し出されることが増えており、当形式が貸し出される頻度は減りつつある。
編成
2006年~2013年に8両固定編成11本が製造された。
8200系などの2連車を増結した10両編成での運転も可能。
集電装置を持つ大阪方制御電動車9000(Mc1)、SIVとCPを搭載した中間付随車9550(T1)、中間付随車9570(T2)、集電装置搭載の中間電動車9500(M1)、集電装置を持たない神戸・宝塚方制御電動車9100(Mc2)が存在する。
西宮車庫:9000F、9002F、9004F、9006F、9008F
平井車庫:9001F、9003F、9005F、9007F、9009F、9010F
補足
- 9002F以降の編成からは車内照明がLEDになった。
- 9003F、9006F、9008Fのみ艤装工事はアルナ車両が担当。
- 9009F、9010Fは手すりの形状が変更されている。
運用
西宮車庫所属編成は神戸線・神戸高速線を中心に走っており、朝ラッシュ時には今津線の準急に入ることもある。競馬開催時には仁川~梅田の臨時急行に充当されることも。
平井車庫所属編成は宝塚線を中心に走っており、ラッシュ時には箕面線に入る運用もある。しかし、日生エクスプレスの運用に入ることはできない。
特急日生エクスプレスでの運用について
9000系は、能勢電鉄線への乗り入れは仕様上対応しているが、試運転を含めて実際に乗り入れをしたことは無い(種別表示機には表示が入っている)。
かつては7000系7018Fが神戸線の予備車とされていたが、9000系デビュー後は予備車が全て9000系となった。
試運転もしていないのに日生エクスプレスの運用に入られては困るため、9000系は本線と箕面線のみの運用となっている。
また、8000系と本形式では運転方式が違い、能勢電鉄社員は本形式の運転訓練を受けていない。
そして2015年3月の改正で日生エクスプレスの10両運転が廃止され、1000系が当形式を越して日生エクスプレスの運用に充当された。
ラッピング
9002Fは2010年12月の営業開始から2011年3月末まで「未来のあかり号」としてラッピングを施して運行された。
また、2014年3月下旬から12月下旬まで宝塚線の9009Fが今津線の7000系の7001Fとともに宝塚歌劇100周年を記念したラッピング列車「宝塚歌劇トレイン」として運行された。