A-trainで最も豪華な車両の概要
京都線では9300系が登場した後、こちらは神戸線及び宝塚線向けに製造された車両である。9300系との違いは、当形式がロングシート使用であること。車内案内表示装置のLCDは小田急電鉄3000形(2代目)の一部編成で搭載された千鳥配置方式で、二面配置。2008年以降に製造の9300系9303F以降もこのLCDを採用した。東芝製のVVVFインバーター装置を搭載しておりVVVF素子はIGBTである。
外観は似ていても9300系に比べて、側窓の縦の長さが短い。
内装は9300系と同様、A-trainとは思えない豪華な内装で阪急らしい木目調と緑のアルパカのシートで構成されている。車両は勿論、阪急伝統のアルミ合金製であり、長さは京都線の9300系とは異なり、長さ19000mm×幅2700mmで構成されている。
色は勿論、阪急でお馴染みのマルーンである。
他のA-trainに比べて高価で鉄道業界の人曰く、東武50000系数量分は阪急の車両1両分になるとまで言っている。
2006年から2013年までに8両固定編成11本が製造され、以降の増備は1000系に移行することとなった。
貸出など
2013年4月1日現在、11編成88両が在籍しており、そのうち6編成が宝塚線、5編成が神戸線に所属している。2012年度は2編成が増備され、6月に宝塚線、10月には神戸線に各1編成が配置されている。
本数が増えだした2012年から全編成が、それまで7013,7018Fが担っていた両線予備車の役割を担うようになった(宝塚線所属車は神戸線予備、神戸線所属車は宝塚線予備)。9000系を運用している宝塚・神戸線間での編成の移動については、2012年10月に神戸線所属の9004Fが一時的に宝塚線で運用されており、同年12月5日には宝塚線所属の9001Fが神戸線での運用を開始していたが、2013年2月に宝塚線に復帰した。また、2013年3月に9003Fが神戸線に転属していたがこちらも同年12月に宝塚線に復帰した。これ以外にも車両の運用状況によって神戸線の在籍車が宝塚線に一時的に転属したりその逆のケースも発生することがある。2016年現在、9001F,9003F,9007F(以上、宝塚線)、9002F,9004F,9006F,9008F(以上、神戸線)が相手路線に貸し出された経歴を持っている。また2編成が同時に貸し出されることもある。なお、9000系は全編成が神戸・宝塚両線の表示幕を装備しているため、貸し出す編成を特定していない。しかし2017年頃からは1000系が貸し出されることが増えており、9000系が貸し出される頻度は減りつつある。
編成
全列車8両編成である。パンタグラフ搭載の制御電動車9000形(Mc1)、SIVとCPを搭載した中間付随車9550形(T1)、中間付随車9570形(T2)、パンタグラフ搭載の中間電動車9500形(M1)、制御電動車9100形(Mc2)が存在する
- 9000F、9002F、9004F、9006F、9008Fは西宮車庫に所属している。
- 9001F、9003F、9005F、9007F、9009F、9010Fは平井車庫に所属している。
備考・特筆事項
- 9002F以降の編成からは車内照明がLEDになった。
- 9003F、9006F、9008Fのみ艤装工事はアルナ車両が担当。
- 9009F、9010Fは手すりの形状が変更されている。
運用
- 神戸本線を走る9000系(西宮車庫所属編成)は神戸線、神戸高速線を中心に走っている。朝ラッシュ時には今津線の準急に入ることも。また、競馬開催時には仁川→梅田の臨時急行に充当することもある。
- 過去にはこの車両も増結運用に入ったが連結すると不具合が起こる場合があるため神宝線共に現在は10両編成にはほとんどならなったが、最近は増結運用に入る機会も増えている(神戸線の10連特急運用のみ)。
- 宝塚本線を走る9000系(平井車庫所属編成)は宝塚線を中心に走っている。ラッシュ時には箕面線に入る運用もある。また、日生エクスプレスの運用に入ることができない。詳しくは後述のその他の日生エクスプレスの運用についてを参考にされたし。
- 9000系は神戸線・宝塚線の間での短期貸し借り車両とされているため、車両が足りなくなる度に他線へ貸し出しがなされており、場合によっては2編成同時に貸し出される場合も存在する。
その他
特急日生エクスプレスの運用について
9000系は、能勢電鉄線への乗り入れは仕様上対応しているが、試運転を含めて実際に乗り入れをしたことは無い(種別表示機には表示が入っている)。
かつては7000系(7018F)が神戸線の予備車(貸し借り車両)とされていたが、9000系デビュー後は貸し借り車両が全て9000系に設定されたため、試運転もしてないのに日生エクスプレスの運用となってしまっては困るため、9000系は本線と箕面線のみの運用となっている。また8000系と本形式では運転方式が違うのであるが、能勢電鉄社員は9000系運転の訓練を受けていないために9000系を運転できないことから、現在のところ9000系による日生エクスプレス運用は行っていない。今後の運用変更に期待したいところである。
そして2015年3月15日のダイヤ改正で日生エクスプレスの10両運転が廃止されたため、阪急1000系が9000系を越して日生エクスプレスの運用に充当することになった。
ラッピング
9002Fは2010年12月17日の営業開始から2011年3月31日まで、「未来のあかり号」としてラッピングを施して運行された。
2014年3月21日から12月24日まで宝塚線の9009Fが、今津線の7000系の7001Fとともに、宝塚歌劇100周年を記念したラッピング列車「宝塚歌劇トレイン」として運行された。
関連項目
阪急に関連するもの
阪急9300系 阪急1000系 阪急1300系 阪急8000系 阪急7000系 阪急6000系