概要
CV:石川由依
アニメ『けものフレンズ2』における主人公。本作初登場で、アプリ版にも登場していない。
ある日、廃墟と化していた謎の施設の中にあるカプセルのような物の中で目を覚まし、ジャパリパークを宛てもなくさまよっていた所をカラカルと出会う。
自分の帰るべき「家」を曖昧ながら覚えているようで、サーバルとカラカルと共に自分が住んでいた場所を探すための旅に出る。
人物
服装は黒インナーの上から青いベストジャケットに、裾を折り曲げて足首部分を露出させた白ベルトの付いた淡いグレーの長ズボンといった出で立ち。
また、パークガイドが被るものとはまた異なるデザインの帽子にショルダーバッグ、スケッチブックといった物を身に付けている。
瞳の色は深い青だが、よく見ると中心部分にそれぞれ異なる色が灯っており(右目がピンク、左目が青)、オッドアイのそれに近いものとなっている。
前作の主人公であるかばん同様に一人称は「ぼく」で、さらにこちらは髪が前者よりも短く、服装も相まってボーイッシュな印象が強め。また、帽子が取れると頭頂部にアホ毛があり、短く見える髪も後ろで束ねている。
性別については現時点において一切言及されておらず、当初のかばんのように性別不明扱いとなっている。
初対面の相手にはさん付けで呼ぶもののあまり敬語は使わず、割とフランクな口調で話している。また、サーバルやカラカルの事も初めから「ちゃん」や「さん」を付けずに名前を呼んでいる。
絵がとても上手く、見た光景をスケッチブックにかなり鮮明なものとして描写できる。
性格に関しては後述のように子供とされているからか、動物扱いされるとそれを否定するような言動を取る、癇癪を起こしやすいといった悪い意味での幼さが目立つが、これはキュルルが「ホモ・ルーデンス(遊ぶ人)」(20世紀の歴史学者・ホイジンガの著書で、人間の本質を“遊び”にあるとする考え方)でもあり(※)、おうちの外で他者との関わり方を学んでいく発展途上型の主人公だからとも捉えられ、他者との関わり方にトゲが立ちやすいのも人格形成が未だ構築途中である事が理由と思われる。
※アニメ!アニメ!のインタビューより(外部リンク)
他方、内藤隆によるコミカライズ版では性格の刺々しさが抜けており、フレンズにもちゃんと敬意を払うなど1期アニメの雰囲気を踏襲したキャラ造形になっている。
キュルルの謎
正体について
公式では「ヒトの子供」と表記されているのでヒトもしくはそれに準ずる存在である事はほぼ確定かと思われる。実際、作中でもサーバルが過去に珍しいフレンズ=ヒトと旅をしていた事に言及したカラカルがキュルルを見て「この子もヒトなんじゃない?」と発言しているので、その可能性は高い。
しかし、眠っていたカプセルのような物の中にはキューブ状のサンドスターと思われる発光体が敷き詰められており、普通の人間とは何かが異なる存在ではないかという推測もある。
さらに、近日行われたコトダマンとのコラボにおいて、ゲーム内におけるコラボワードのなかに「いりょうしせつ(医療施設)」というシリーズの世界観と照らし合わせるとあまりにも不自然な言葉が確認されており、キュルルが眠っていた謎の施設と何かしらの関連性を匂わせている。
この他、視聴者の間では
- 髪の配色が過去シリーズにも登場したカコに似ている→前作の主人公のようにパーク関係者のヒトの一部からフレンズ化した存在
- 過去の時代に生きていたが何らかの理由でコールドスリープ状態になっていたヒト
- 人工的に生み出されたヒトのフレンズ
- ヒトから輝きを奪って生まれたフレンズ型のセルリアン
- 瞳の色がどこか機械的、チーターに吹っ飛ばされた時硬い音がした→ヒトを模したロボット
……等々、様々な憶測が流れている。
スケッチブックについて
キュルルが眠っていたカプセルのような物の中には、ショルダーバッグ以外にスケッチブックが置かれていた。
目覚めた時には既に何ページか絵が描かれており、この絵を頼りにパーク内を旅する事になるが、いつ描かれた絵なのかは不明。中にはこれからキュルル達が出会うフレンズ達がピンポイントで描かれている事もあり(中には姿がぼかされているフレンズもいる)、これは過去に同様の体験をしていたのを目覚めてから再び体験しているのではないかと推測されている。
とあるページだけは破られて失われており、これが何を意味するのかは謎に包まれている。
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10以降の動向など(ネタバレ注意!)
夜の森の中でカンザシフウチョウとカタカケフウチョウの二人に出会ったキュルルは、「なぜお家に帰りたいのか」「お家に帰ったところでどうなる」という問いかけをされた際にあまり思い出せないと返した所、「果たして本当にそうか?」「元々そんなもの無いのかもしれんぞ」「或いはあったが、消されたのかも」と意味深な言葉を突き付けられ困惑する。
一方、かばん達はパークのあちこちでフレンズの姿を模した強力なセルリアンが出現している事を聞き、とある一つの推測に基づいてキュルルからもらった絵に描かれた博士の部分を切り取ってセルリウムを注入するという実験を行う。
本来ならばここで切り取った紙の形をコピーしたセルリアンが発生するはずだが、そこから現れたのは博士の姿を模したセルリアンだった。
これらや6話でジャパリバスの形をコピーしたセルリアンが発生した事から、セルリアンの強さには物の形の他に「物に対する思い入れの強さ(≒かがやき)」も関係しているとかばんは推測。
同時に、キュルルの持つスケッチブックには特別に強い「思い入れ」があるがためにフレンズ型のセルリアンが発生している原因になっている事も示唆され、これから先の旅でキュルルがスケッチブックにフレンズの絵を描いていけば、セルリウムがそれを取り込んでフレンズ型の強力なセルリアンが大量発生する元凶になりかねないという残酷な事実が判明した。
そして同時期、キュルルはリョコウバトにある一枚の絵を手渡した後、サーバルと口論の末に誤って海に落ちてしまう。
海底でなぜか再びフウチョウの二人と出会ったキュルルは何故絵を描いているのかを問われ、「みんなの事を好きだったから……だと思う」と答える。
そして、リョコウバトに渡した絵の中にあのアムールトラのビーストがいた事も「あいつとも分かり合えると思ったのか?」と指摘された際、「分かり合えなかったとしても分かろうとするのは別にいい事だ」と返す。が、「確かにヒトのおかげでたすかったけものもいるが、ヒトが不用意に近づいた事で迷惑したけものもいるかもしれない」と含みのある言葉を返されると同時に、二人に促されて遠くで噴火を起こしている海底火山に目を向ける。
二人がまるで幽霊のように姿を消した後、意識を取り戻したキュルル。
博士に呼ばれてジャパリホテルへ向かっていたバンドウイルカとカリフォルニアアシカが発見した事によって助かったキュルルは、二人からフレンズ型セルリアンの発生原因の真実を聞かされ、責任を感じるキュルルはサーバル達の制止も聞かずホテルの奥へ単身で駆け出す。
そして同時期、海底から現れた巨大な船の姿をしたセルリアンによってホテルの窓ガラスが破られ、リョコウバトが異変を察して部屋を飛び出した後、そこから漏れ出したセルリウムが部屋に残された絵を取り込んで大量のフレンズ型セルリアンを発生させるという最悪の事態が発生してしまう。
その後、博士達の呼びかけで集まったフレンズ達の奮戦やキュルルが原因となった絵を回収した事で一度はかばんと共に避難したキュルルだが、そこへ再びフウチョウの二人が現れて再び問いかける。
そこに現れたアムールトラのビーストに何かを感じたのか、キュルルはかばんにホテルへ戻るよう頼み込む。そして、そのまま引き連れて行ったアムールトラが暴れ回ったのを皮切りにセルリアンも全滅し、フレンズ達も崩壊するホテルから脱出。
その後、自分の「おうち」がどこにあるのかを自分なりに考えたキュルルは、サーバルやカラカルがいる今この場所こそ自分の居場所だという答えに辿り着き、帰る必要がなくなった事で「おうち探し」を終わらせる。
その後は旅の目的が「自分がみんなの役に立てる事を見つけるための旅」になり、再びサーバル、カラカルの二人との冒険を再開するのであった。
結局、キュルルが何者なのかは劇中ではっきりと明かされる事はなかったが、その後イエイヌが過去にヒトからもらった手紙や絵を眺めるシーンにて「パークのおにいさんおねえさん」というタイトルの絵が現れ、そこにキュルルらしき人物の他にサーバルとカラカル、さらにイエイヌやパークの職員と思しき人物達が描かれている。
さらに、この絵はキュルルのスケッチブックの失われたページの破られた切り目を照らし合わせると、その絵と切り目が一致している事が分かる。
これらから察するに、キュルルは過去の時代に実在していたパークの来客(もしくはそのヒトをモデルにフレンズ化した存在)である事、そしてイエイヌが待ち焦がれているヒトはキュルル本人である可能性が示唆されている。
が、仮にそうであればサンドスターらしき物質が敷き詰められた物の中で何故キュルルが眠っていたのかなど、未だ多くの謎が残されたままアニメの物語は幕を閉じる。
これからのシリーズ展開でキュルルの過去がどのように明かされていくのか、そしてそれにキュルルが気付くのか、今後に期待したい。