これはもう『爪』を超えた・・・・・『牙』だ
これからは『牙(タスク)』と呼ぶ!
概要
第7部「スティール・ボール・ラン」の主人公、ジョニィ・ジョースターのスタンド。
ジョジョの歴代主人公では初の遠距離型スタンド。終盤までスタンドのビジョンによる戦闘はなく、その点でも異色と言える。
基本的には、本体であるジョニィの爪を回転させ、カッターのように物体を切り裂いたり、爪を弾丸のように射出したりすることができる、というもの。射出した爪は「爪弾(つめだん)」と呼ばれる。
射程距離は10mぐらいだが、切断伝導範囲は数mと思われる。また、回転は10数秒持続する模様。
スタンド能力を得てからジョニィが精神的な成長を見せるとともに、スタンド能力も進化していった。
名前の由来はフリートウッド・マックのアルバム「牙(タスク)」より。
ストーリー上は上記のセリフにあるように「爪以上のパワーを持つ」ことに因んで、ジョニィ自身がつけたもの。ただし作中では能力そのものが「爪弾」と呼ばれることが多く、「爪(タスク)」という風に表現されることまである。牙どこいった。
タグは「タスク」で登録されていることの方が多い。
ACT1
【破壊力 - E / スピード - E / 射程距離 - E / 持続力 - B / 精密動作性 - E / 成長性 - A】
ジョニィが「遺体」の左腕と融合したことによって発現した能力。
スタンドのビジョンは当初左腕の守護精霊として登場したものが後にタスクと同化している。
能力は爪弾を打ち出し、回転した爪で切り裂くというシンプルなものだが、ACT2以降とは違って爪弾の再生速度が非常に早い。また爪の回転は人体を切断する程の切れ味を誇る。
また、爪の回転を地面に当てることで下半身不随のジョニィでも高速で移動をすることが出来、地中を掘って進むことも可能。
その他、スタンド(精霊?)の意思によって、ジョニィの意思とは無関係に足の爪を発射させられるなどということもあった。
なお、ACT2に進化して以降、ACT1のビジョンは登場していない。「遺体」の左腕を失った影響と思われる。
ACT2
【破壊力 - D / スピード - D / 射程距離 - D / 持続力 - C / 精密動作性 - C / 成長性 - A】
サンドマン戦にて、ジャイロ・ツェペリから黄金長方形の回転を教わることによって進化した能力。
スタンドのビジョンは機械的なものへと変化している。
爪弾を黄金長方形の軌跡で回転させることでACT1では足りなかったパワーが上昇。
さらに爪弾が着弾した穴が数秒間敵を自動的に追尾する能力が付いた。穴はD4Cの能力を用いても隣の世界へは送りこめない。
ACT1との違いとして、爪弾の回転がACT1では円盤状に回転していたのに対し、ACT2では指を軸に回転するようになったほか、爪弾の再生速度が遅くなった点が挙げられる。ハーブ(ハーブティー)を摂取することによって爪の再生速度を早めることが出来る。
以降ACT1は物語に登場しなくなったが、ACT2は物語の最後まで状況に応じて使い分けることが可能であり、基本攻撃時には大体このビジョンが現れるようになった。
ACT3
【破壊力 - D / スピード - D / 射程距離 - D / 持続力 - D / 精密動作性 - C / 成長性 - A】
アクセル・RO戦にて、「遺体」の元となった人物の囁きを受け、迷いを捨てたことでスタンド能力が進化した。
スタンドのビジョンはACT2までとは違って手足が生え、小さいロボットのような見た目をしている。
ジョニィ自身を撃つことによって穴に肉体を巻き込んで移動するという能力を身につけ、ACT1の頃に代わる移動手段を手に入れた。
穴は任意の位置に移動させることが出来るので、事実上、空中でなければどこへでも移動することができる。
また、体の一部だけを穴に巻き込んで移動させるといったことも可能なため、穴から腕を出すことで事実上射程距離を伸びるようになった。
ACT3によってできた回転する穴は、ジョニィ以外の物が巻きこまれると破壊される。
ACT4
【破壊力 - A / スピード - B / 射程距離 - C / 持続力 - A / 精密動作性 - B / 成長性 - E】
馬を黄金長方形のフォームで走らせることによって生まれたエネルギーを、騎手が鐙を通じて受け取ることで、「鉄球」に「甲冑や盾を突き破る」ためのエネルギーを持たせるという鐙を使った回転を応用することによって生まれたスタンド能力。
スタンドのビジョンは大型で、鎖帷子を着たような人型を取っている。
この回転を纏った爪弾で撃ち抜かれると、次元すら超えるエネルギー「無限の回転」によって、相手に対するジョニィの意志を必ず実現させることになる。
例えば相手に対して殺意を持って撃ち抜けば、撃ち抜かれた相手はいかなる抵抗を持ってしても、殺害というジョニィの意志からは逃れられない(その際、遺体は異次元へと送られて消滅する)。
他の例を挙げれば、大型船へ一緒に載せることが出来ない「人間の遺体」に対し、乗船させるという意志を持って撃ち込めば、船の乗務員はどんな手段を持ってしてもその遺体を船から下ろすことはできなくなる、といった使い方もされている。
劇中では大統領を何度も何度も地面に埋め込んで窒息死させようとする「殺害」の意志で無限ループに陥らせた。大統領はあらゆる手を使ってこの呪縛から逃れようとしたがすべて無力化され、並行世界に逃げても、馬車を使って逃げてもすぐに地面の底へと引き戻された。
騎乗によって得たエネルギーを元としているため、「重力」の力を抱えている。それ故、D4Cが次元を超えてもこの能力は延々とついて回り、時間停止中でも回転は止まらない。
以上のように「スタンドの固有能力(“ルール”を設定および強制する力)を超えてくる」能力から、ディエゴ・ブランドー(THE・WORLD)に「あってはならない能力」と評された。
これによる攻撃は一度当たったが最後、そのパワーからは逃れられないが、唯一ACT4による「無限の"逆"回転」を撃ちこむことによってのみ完全に無効化することが出来る。逆に言えばそうしない限り、無関係の人間やジョニィ自身ですらそのパワーの餌食になってしまう。
ただし、敵を自動追尾するACT2とはわずかに毛色が違うのか、他人への接触等によって「無限の回転」を押し付けることが可能なようで、「無効」とまではいかないものの、「回避」には成功している描写がある。
また、「オラオラのラッシュ」も披露している。
本体の知覚や制御すら超越し、相手に対してどこまでも影響を及ぼさんとする「無限の回転」の圧倒的な威力はジョルノ・ジョバァーナのGERを髣髴とさせるものがある。
余談
以上に述べたようにスタンドのビジョンそのものが大型化していくが、ACT1から4に至るまで、変わらず「チュミミ~~~ン」という特徴的な鳴き声を発する。
物語序盤では『爪を飛ばす』という主人公にしてはパッとしない能力だったが、成長するごとに凶暴性を増し、最終的にファンから「絶対殺すマン」とか呼ばれるようになった。
『最強のスタンド議論』では必ず名前が挙がる、チートスタンドのひとつである。
関連項目
エコーズ:タスク同様、能力が進化し「ACT」の形で使い分けられるようになったスタンド