これでわたしの過去は『清め』られた
人は何かを『捨て』なくては前へ進めない
それとも………………『拾って』帰るか………?
概要
ファニー・ヴァレンタインの送り込んだ刺客の一人。
過去(1863年、SBRレース開催の約30年前)、ドヴォルザークのような音楽家を目指していたが、戦場に召集され見張り番の仕事を命じられる。
しかし、次第に戦場の恐怖や無音の闇に耐えきれなくなり、任務中にもかかわらず見張り台で酒を飲むようになってしまい、酒に酔い居眠りをしていた際についに敵軍が侵入。気づいた時には見張り台のある木の下を敵軍が通過していた。
それを見たアクセルは味方軍に敵軍の侵入を知らせる合図のランプを灯さず、自身が殺されるのを恐れ見逃がす。その後、街に駐屯していた味方の兵士や街の住民は虐殺され、街は壊滅し、戦争は敗北。このことから、アメリカ南北戦争(1861~1865年)当時の南軍に属していたと推定される(南北戦争の後半には、北軍による南部地域の兵站を破壊するための殲滅戦がくり返された)。
大統領の命令により上記の過去の出来事が起きた地でもあるゲティスバーグにてホット・パンツから遺体を奪い、ジョニィとジャイロを襲う。2人を追い詰めるも、タスクact3に成長したジョニィにシビル・ウォーの能力を逆に利用され、状況が一転する。その後、アメリカ合衆国大統領のファニー・ヴァレンタインに死体を時間稼ぎに使うために自身のスタンドの射程外から、殺さないために急所を外し、しかし確実に死ぬ重傷を負わされ、銃創による出血多量で絶命した。
自分が仲間や町の人々を見殺しにして射殺を免れた町で射殺されるという皮肉的な最期を送る(ちなみにその回のサブタイトルは『ゲティスバーグの夢』)。
名前の由来はガンズ・アンド・ローゼスのヴォーカリスト、アクセル・ローズから。
人物
旧米兵。大統領の刺客のひとり。フードらしきものがついた、軍服のような服を着ているが、現在も軍人なのかは不明。
史実と照らし合わせると年齢は推定40~50代。普段は冷静で落ち着いた口調だが、激昂すると語気を荒げ暴言を吐き、一人称も「わたし」から「オレ」に変わる(「このうす汚れた無知のゴミ野郎がァ─────ッ!」「おまえがどれだけゴミなのかッ!どれだけ下っぱなのかッ!?知りたいのか───ッ!!オレが教えてやるッ─────!!」「もう一度だ…オレを殺させてやる オレを殺せ… ゴミと共に腐り果てやがれ───ッ」等)。
前述の過去があり、自らの罪を清めたいと思い続けてきた(シビル・ウォーの能力や名前、ジョニィに殺され復活する際に例のランプの中から出てくる等、自らの罪への執着が節々から感じ取れる)。
スタンドが精神攻撃を主とするのに対し、本体は他人を追い詰める事に特に興味はない、ジョジョでは珍しく普遍的な敵。
だが同情の余地がある一方、自らの罪を清める方法が後述の方法で他人に罪をおっかぶせること。いわば責任転嫁。ジョニィに罪をおっかぶせた後は見殺しにしてしまった仲間の中隊や町の人々を亡霊ども呼ばわりし、使役していた。その罪をおっかぶせた後の様子は開き直りのようにも見え、良くも悪くも人間らしいクズといえる。
スタンド「シビル・ウォー」
対象者の捨てたモノ・人等の幻覚を見せる空間をつくりだす能力を持つスタンド。
詳細は個別記事へ。
余談
『卑怯さとは強さにならず、「公平(フェア)」さこそが強さとなる』という理念を説き、その有言実行のために水が弱点だとも教えたが、実際に理念通りの人物なのかはかなり怪しい所である。
というのもこのセリフを発した際にはジャイロがシビル・ウォーの術中に落ちるまで隠れており、当然ながら後から弱点を教えられても取りに行くことはできない。
そのためジャイロからも「ナメやがって」と非難されている。
また自身の罪をおっかぶせるのが狙いというのを黙っていたこと、元々は自らの罪である存在を亡霊ども呼ばわりしていること、能力をジョニィに逆用され追い詰められた際には公平さの欠片もない悪あがきに走ったことなども疑問に拍車をかける。
以上のことから水が弱点だと教えたのはジャイロの言う様にうぬぼれ、あるいは前述の整合性も加味すると「わざと弱点を晒すことで殺され、おっかぶせるためのブラフ」だったのかもしれない。
遺体への扱いから神への信仰心は少なからずあった模様。ホット・パンツ同様、神に赦されようとした事があったのか、ランプに火を灯すことなく静かに残った酒を飲み、銃声を聴き、燃える町を見たあの日から約30年、どういう経緯で今の彼に至ったのかは謎である。