概要
2014年4月7日から配信されたファンタシースターオンライン2のスマートフォン版。「es」はエッセンスの略。
ファンタシースターシリーズ初のスマートフォンゲームであり、PSO2との連動要素もある。
アカウント連動システムの都合上、PSO2にログインした状態ではプレイ出来ないので注意。
システム
本作では、武器や防具の他に「チップ」と呼ばれるPSO2esオリジナルの要素が登場する。
その中でもPSO2に登場する武器が擬人化した「ウェポノイド」チップは様々な効果を発揮するものが多い。
登場キャラクター
メインキャラ
ダーカーバスターズ
アークス管理官
season1から登場
ザッカード |
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ロード |
season2から登場
トランスエネミー
デュナ |
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アナティス |
ヘイド |
season3から登場
エルジマルト
リリーパ族
アークス
スレイマン |
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ナスリーン |
PSO2本編との繋がり
今の所、PSO2本編から登場したキャラクターはクーナのみであり、ダークファルス【若人】は名前しか登場していない。
関連タグ
※以下はPSO2esのストーリーに関する重大なネタバレが含まれます!
ネタバレ
ストーリー
season1「ウェポノイド編」
「あなたに導かれたのは、その美しいフォトンに……引き寄せられたのかもしれない」
ヒロインであるジェネの謎に迫る物語。
- 1章 始まりと出会い
ある日、管理官セラフィに呼び出された主人公は、チームを組んでの特命任務に当たってほしいと告げられる。これはアークス本部による依頼であった。チームリーダーには主人公が任命され、パートナーには後輩アークスであるジェネが選ばれた。そしてもう一人は、サポーターにウェポノイドのモアが選出された。ウェポノイドとは武器のチップ化研究中に生まれた存在で、アークスに協力的であることから組織内で有用性が認められていた。モアがメンバーに選ばれたのもそういった理由からだった。
三人に課されたのは、四か月前に起こったE.M.A.研究所爆破事件唯一の生存者である研究者ザッカードの保護。早速、惑星ナベリウスに降り立った三人だが、エネミーに怯えてチップ化して逃げ隠れするモア、「強くなりたい」と気合いだけ先行しているジェネと、お世辞にもチームワークがいいとは言えなかった。しかし、ザッカードを追う中で次第に息が合うようになっていく。
ようやくザッカードに追いついた一行だが、彼は酷い錯乱状態にあり会話をすることは困難だった。しかも研究所を爆破したのは自分であることを口にするとダーカーを操ってけしかけてきたのだ。これを退けた一行だが、ザッカードは突然「目的を思い出した」と言い出して姿をくらましてしまった。
- 2章 ひとつの結末
アークスはザッカードを爆破事件の犯人と断定。引き続き主人公たちが追跡を任されることとなった。その裏では情報部のアークスもE.M.A.の調査に動き出していた。
惑星リリーパに降り立った三人だが、ジェネはショップエリアで見かけたリリーパ族のぬいぐるみからリリーパ族と友達になりたいと考えるようになっていた。機甲種に襲われていたリリーパ族を助け、感謝を示されたジェネだが、その間にザッカードは別の惑星へと移動してしまっていた。
次に一行が向かったのは、龍族が住まう惑星アムドゥスキア。そこでジェネは、ザッカードの不可解な行動に疑問を感じ、かつて家族が述べていた「研究者は、多くの人の未来を幸せにするために、そのために日々研究に励む」という言葉と照らし合わせていた。多くの人々を不幸にしたザッカードには、どのような行動理由があったのか、と。そんな中、龍族との戦いでジェネが急に倒れてしまう。治療のためアークスシップに戻った一行は、セラフィの口からジェネの過去を聞かされる。ダーカーの襲撃によって家族を失い、その想いからアークスにはなったのでは、とセラフィは語った。
ザッカードの生体反応を追った結果、再びナベリウスにやって来た一行。そこでザッカードの姿を見つけるが、彼はモアに向けて「デキソコナイ」と告げるとどこかへ逃げてしまった。一方、ジェネはナベリウスの遺跡に奇妙な既視感を感じ始めていた。ザッカードに追いついたジェネは、彼を説得して連れ帰ろうとしたが拒否され、ダーカーとの戦いとなる。辛くも勝利するが、ジェネは負傷し、更に戦いの衝撃で足場が崩壊を始めた。主人公はザッカードの捕縛を諦め、ジェネを連れて崩壊する戦場から撤退していった。
その後、アークスシップに戻った一行はセラフィの口からチームの解散を告げられる。このチームは、今回の任務のみの実験的なものだったという。別れ際にジェネは、主人公といつか必ず再会することを約束したのだった。
後日、別動隊がザッカードの生存を調査したところ、生体反応は発見されず、上層部は「犯人は死亡した」と断定。何一つ真実が明かされないまま幕引きとなった。
一方、密かに逃げ延びていたザッカードは怪しげな施設の中でこう呟いた。「これでダークファルスが……」と。
- 3章 あらたな暗影
二年後。セラフィに呼び出された主人公は、ジェネとモアとの再会を果たした。というのも再びこの三人でチームを組んで任務に当たることになったからだ。内容は不可解なダーカー発生の調査。セラフィは今回のダーカーの反応が、ザッカードが呼び出したダーカーのものと同じだと見ていたのだ。
三人が水の惑星ウォパルに降り立った頃、いつの間にかジェネはステラティアーズにコスチュームチェンジしていた。戦うとすぐにバテる体質のため、それを改善するべく調べた結果「メディカルセンターにいた鋭い眼光のベテランさん」のアドバイスを聞き、露出を多くすることで大気中のフォトン吸収効率をよくしたという。加えてジェネとモアは特訓を重ねて力をつけ、主人公を驚かせようとしたが、当の主人公は更に強くなっていたというオチが待っていた。
ダーカーを倒す内にセラフィは不審な反応が移動したことを確認し、一行に惑星リリーパへと向かうように告げる。そこで一行が遭遇したのはダンテと名乗る青年だった。彼こそ不審な反応の正体であり、そしてダーカーを発生させていた元凶であった。
姿をくらましたダンテを追って一行は惑星アムドゥスキアを訪れた。ダンテと対峙したモアは、反撃を受けて窮地に陥る。そこへ駆けつけたのはアネットという名のアークスだった。ダンテは戦いで疲弊したジェネにウォパルで待っていることを告げ、再び姿を消した。アネットはジェネの体調不良を気遣い、一度アークスシップに戻ることを提案する。
帰還後、アネットは一行が気になるからと同行を申し出、(あるいは主人公から協力を頼まれて)協力者となった。ザッカードのことを聞いたアネットは、彼個人がダーカーを操る技術を生み出したはずがないとしてE.M.A.の暗躍があったのではと推測した。
その後、一行はウォパルにて三度ダンテと対峙。すると驚くべきことに、ダンテは巨大な海王種オルグケラトスに酷似した姿へと変貌したのだ。その力を見せつけた後、ダンテは悠然と姿を消した。
- 4章 揺らぐ境界
ダンテは何者かが作った「装置のテストとデータ収集」が目的で動いていた。仲間であるレヴィと合流すると、ジェネの拉致を依頼するのだった。
一方、ダンテの行方を捜す主人公たちは闇雲に惑星を回っていた。すると惑星リリーパの地下坑道にてレヴィと名乗る少女と遭遇する。彼女はダーカーをけしかけるだけけしかけ、疲弊したジェネが苦しむ姿を嘲笑うと引き下がっていった。
その後、一行はウォパルへと足を踏み入れた。すると間もなくアークスから救援要請が送られ、助けに向かうことに。ダーカーに襲われていたのはブルーノという青年アークスだった。大ピンチだったと語る彼だが、その割には衣服に汚れ一つないことからアネットは不審を感じていた。直後、アネットとモアがレヴィに襲われる。だがブルーノと共にこれを退け、レヴィはナベリウスに来るようにと言い残して立ち去っていった。手を貸してくれたブルーノだが、嘘を吐いていることから信頼できないとしてアネットは突き放した言動をとってしまう。
アークシップに戻った後、アネットはこれまでの情報から敵の狙いはジェネにあると推測。そのため今後の任務にジェネは同行させるべきではないと主張。しかしブルーノは、それだとレヴィが出て来ないかもしれないと反論し、アネットは渋々引き下がった。
レヴィを追ってナベリウスに向かう一行に対し、ブルーノは「助けられたお礼」として手を貸してくれることになった。というのは建前で、実は命令によって主人公たちのチームに合流することになっていた。ダーカーに囲まれた理由としては「人見知りだから話しかけるのに迷っていたらいつの間にか」とのこと。
一行はナベリウスにてレヴィと対峙する。彼女もまたダンテと同様にエネミーへと姿を変え、原生種バンサ・ドンナと酷似した形態になって襲い掛かって来た。激戦の末、レヴィを追い詰めた一行だがフェルなる新手が現れたことで取り逃がしてしまう。
その様を見たジェネは、敵同士にも仲間意識があることを痛感し、戦うことに対する決意が揺らぐのであった。
- 5章 異なる覚悟
ダンテ、レヴィ、フェル。彼らの裏には更なる巨悪が潜んでいた。その男の名はロード。絶大な力を持った闇の主であった。
アムドゥスキアに向かうことになった主人公たちだが、アネットの歯に衣着せぬ言い方によりチーム内の空気はかなり悪化していた。それらは主に、ブルーノに対する不信やジェネとモアのお人好しっぷりに対して向けられたものだった。
そんな中、ブルーノはチームに入る前に行っていた潜入調査について語る。内部告白により「極秘の研究が行われている」と情報が寄せられ、研究所に潜入したところ爆破事件に巻き込まれたという。ザッカードとダンテたちが使っていた「ダーカーを呼び出す力」が同一のものとして、上層部はE.M.A.で行われていた極秘研究がこれではないかと推測した。そういった経緯から上層部は、ブルーノに主人公たちとの合流を指示したというわけだった。
これらの事情を語った直後、エネミーとの戦闘が発生。ブルーノはつい実力を見せてしまい、今まで弱者を演じていたことがジェネとモアにバレてしまった(アネットにはとっくに気づかれていた)。
更にアネットはブルーノの話から一つの嘘に気づいていた。ブルーノが追っていたのがダーカーを操る力なら、二年前に主人公たちと合流してザッカードを追っているはずだった、と。実はブルーノが調べていたのは、「イノセントブルー」と呼ばれる研究であった。それは、物体に人の姿と人格を与えるものであった。
その後、アムドゥスキアで一行はアークスを襲っていたフェルと遭遇。彼はレヴィが痛めつけられた腹いせにアークスを重体に追い込んでいた。フェルは破壊活動を続ける旨を言い残して姿を消したが、それでもジェネは、彼らにも彼らなりの事情があるとして迷いを晴らすことができないでいた。
アークスの治療後、一行は竜祭壇にてフェルと対峙する。そこで一行は、フェルの口から驚きべき事実を聞かされる。モアはイノセントブルーによって生まれた「試作品のポンコツ(デキソコナイ)」であり、それを改良して殺傷能力を上げた完成版がフェルたちだと言うのだ。それでもジェネは、彼らを「人」、「悪人ではない」と認めようとしていた。なぜなら彼らを否定することは、友達を、モアのことも否定することになるからだ。ここに至ってジェネは自分の気持ちに答えを見出し、「フェルたちを殺戮の道具として扱う人を止めるために」戦うことを決意する。それを聞いたアネットは、「お人好し」と呆れながらもその決意を認めたのだった。
フェルはその場から立ち去り、一行はアークシップへと帰還する。そこでブルーノの口から上層部の意思決定が、ウェポノイドの処分に傾いていることを告げられる。フェルたちもウェポノイドもイノセントブルーによって生まれた存在。だから前者が危険なら後者も……というわけだった。
黒幕を捕まえることは彼らを救うことにもなると語るブルーノだが、アネットは内心では無力感に囚われていた。自分が何をしても結果は変わらず、上層部が判断を下せばそれまでだと。
一方、フェルは竜祭壇の奥地でロードに対する反意を固めていた。ロードにただ利用されるだけのレヴィを不憫に思い、使い捨てられる前にロードを殺そうと考えたからだ。そのためにはロードが「完全体」になる前にジェネを殺さなければならなかった。そして一行と対峙したフェルは、ノワル・ドラールに酷似した姿となって死闘を演じる。負傷し人の姿に戻ったフェルだが、それでもジェネだけは殺そうと手傷を与える。しかしトドメを刺す前に、潜んでいたダンテによって制止された。この間隙を突いた一行は、ジェネを治療するべくアークシップへと撤退したのだった。
治療によって意識を取り戻したジェネに向けて、アネットは告げる。「フェル一人倒せないのに、みんなを助けるなんて夢みたいな話」だと。そしてアネットは、ジェネを気絶させると泣きながら姿を消した。
- 6章 忘れられた約束
アネットはモアだけは救いたいと考え、眠っていた彼を連れてチームを去った。かつて自身が所属していた研究室でモアのプログラムを変え、ウェポノイドという枠組みから外すためだ。主人公たちは二人の行方を追ってナベリウスへと向かう。そんな中、ジェネは自身の過去を語る。彼女はダーカーに家族を殺され天涯孤独となった。もしも目の前に同じような親子がいればどんな手を使っても守るつもりだという。だからアネットもまたモアに「誰か」の面影を重ね、無茶をしてでも助けたいと思ったのではないかと推測した。
一方、アネットは「友達」の話をモアに聞かせていた。「友達」の両親は子供たちに一切関心を持っておらず、彼女にとって家族と呼べたのは弟リュロだけだった。しかし弟は病に罹り、彼女は治療費の負担と引き換えに依頼された研究に没頭することとなった。弟の側を離れて。結局、努力は実を結ばず、弟は孤独の中で息を引き取った。それを重く受け止めた彼女は、守りたい者を守れなかった罪悪感に今も囚われ続けていたのだ。モアとリュロはよく似ているという。それだけにアネットは理性的になることができず、今回の独断行動を引き起こすという結果になってしまった。
アネットを追う中、主人公たちはブルーノの口からE.M.A.が保管していた「創世器」について話を聞かされる。ジェネ曰く「すっごい武器」であり、ブルーノが言うには「俺たちレベルが使ったら骨と皮だけになっちゃう」代物とのこと。アークス側から依頼を受けたE.M.A.は、壊れた創世器の修復及びその原因の解明を行っていた。二年前、ブルーノが主人公たちと合流できなかったのは上層部から創世器の回収を優先させられたからだった。しかし爆破された研究所からは創世器の所在は確認できず、イノセントブルーの開発施設も確認できなかった。そこでブルーノは、爆破された研究所以外にも施設があるのではと推測していた。そこにイノセントブルーと壊れた創世器もあるのでは、と。
まさにモアは、その秘密研究所(第二研究所)で生まれた「集積型のプロトタイプ」であった。当初、モアにはE.M.A.からある任務を課されていた。それはウェポノイドを量産するためにアークスの情報を集めるというものだ。しかし、E.M.A.の本当の目的は、ウェポノイドを利用したオラクルの乗っ取りであった。ウェポノイドの存在がアークスに認可され、広まったタイミングで洗脳して反乱を起こさせようとしていたのだ。そのことを偶然聞いてしまったモアは止めようとしたが、聞き入れてもらえず壊されそうになったので逃げてきたという。直後にザッカードによる爆破事件が起こり、職員たちは悪事を働く前に死亡したのだった。モアがそれを隠していたのは、スパイのために生まれたという事実を告げる勇気がなかったからだ。そのことを聞いたアネットは、勇気を出して話してくれたモアを信頼し、更に第二研究所の機器ならモアを助けられるかもしれないと思い行動を開始した。
一方、主人公たちは二年前にザッカードがナベリウスを訪れたのは、そこに秘密研究所があったからではないかと考え、遺跡エリアの探索を始めていた。モアがそこで生まれたのなら、アネットたちはここを目指すだろうと考えたからだ。
イノセントブルーが作られた第二研究所にやって来たアネットは、残されたデータからウェポノイドに関する仕組みを入手していた。ウェポノイドはフォトンによって具現化しており、その媒体となっている物質がイノセントブルーだという。そこまで調べた時、モアとアネットの前に現れたのは死んだはずのザッカードだった。彼はアネットを打ち倒すとモアを捕らえ、更に駆けつけてきたジェネに対して何らかの方法で刺激を与え「閉ざした本当の記憶」を呼び覚まさせた。
それは三年前、まだ正気を保っていた頃のザッカードとの思い出だった。彼はE.M.A.にジェネが操られる可能性を危惧し、破壊の道具になる前に施設から逃がそうとしていた。そこで記憶を書き換え、「ダーカーに家族を殺されたアークス」という偽りの思い出を植え付けたのだ。
アネットと合流した主人公たちは、モアを連れ去ったザッカードを追い詰める。またもや狂乱を起こしたザッカードは、「私を虐めた仕返し」として機甲種を操り、主人公たちに反撃を行ってきた。これを退けた主人公たちはモアを取り戻すことに成功。しかし突如現れたダンテによってザッカードは連れ戻されてしまった。
体調不良を起こしたジェネは気絶する直前、アネットと一つの約束を交わす。「一人で抱え込んで無理はしないでほしい」、と。
- 7章 不完全な心
ダンテによれば、ザッカードが勝手に動いたのは「E.M.A.上層部から命じられた研究を完成させようとしていたため」とのこと。
記憶の一部を取り戻したジェネは、ザッカードがウェポノイドを生み出した理由を語る。それはダーカーを倒し、宇宙に平和を築くためのものだった。故にジェネは、ウェポノイドが敵になるはずがないということをアークス上層部に証明する決意を固めた。
ダンテたちの生体反応を追って一行は惑星リリーパに降り立った。ジェネはいつの間にか「家族の記憶」があやふやになっていることに思い悩む。そこへ現れたレヴィから「すべてはザッカードに植え付けられたニセモノの記憶」であることを告げられる。「ダーカーに家族を殺されたアークス」という記憶と過去を否定され、ジェネは戦意を喪失してしまう。レヴィは主人公とブルーノによって撃退されたが、ジェネは真実を認めようとせず「レヴィは嘘をついている」「記憶が一時的に混乱しているだけ」と考えようとしていた。ブルーノがジェネに関する記録を調べたところ、ダーカーに襲われて負傷したところを保護されたという記述はあるが、家族に関することは一切記されていなかった。
己の存在の根幹を揺るがされたジェネは意気消沈するが、チームの励ましを受けて立ち直り、自分が何者なのか知るために、そしてウェポノイドたちを守るために再び戦場へと向かう。
一方、レヴィは己の存在価値を証明するために禁じ手に行おうとしていた。それは大量のフォトンを体内に取り込み、能力を引き上げるというもの。確かに強くはなれるが、その先に待っているのは崩壊と消滅。ダンテには心配されたが、ロードの役に立てなければいる意味がないとして強行し、ザッカードに頼んでフォトンを注入させたのだった。
しかし、代償と引き換えにした「強さ」を以ってしてもダーカーバスターズに打ち勝つことはできず、レヴィは戦闘不能となった。そこへ現れたフェルはレヴィを連れ去ると同時に、こう言い残していった。
「ジェネ……アンタさ……戦いたくないって言って、戦ってるじゃないか。……ウソツキ」。
- 8章 探す道の先
戦いを望んでいるわけではないのになぜ戦うのか――その理由を問われたジェネは答えを出せないでいた。
迷ったジェネはブルーノに戦う理由を問う。彼もまた爆破事件を止められなかったことを重く受け止め、その弔いのために戦っていると言った。大きな犠牲を食い止めるために小さな犠牲が出たとしても、それは必要な犠牲。そう割り切った生き方をしてきたのがブルーノというアークスだった。
そこでジェネは、「犠牲のない道を探しながら戦う」ことを宣言する。その話を聞いたアネットは、自分にも戦う理由がないと気づいてしまった。だがブルーノから諭されたことで、「ジェネとモアを傷つけないために戦う」という答えを受け入れたのだった。
同時刻、フェルもまたダンテに向けて戦う理由を口にしていた。フェルは「ジェネを捕らえればレヴィを助ける」というロードとの約束を果たさせるため。レヴィが命を捨ててまでロードの役に立とうとしたのなら、自分も命を捨ててでもレヴィを助ける。それが彼の決意だった。
しかし、ジェネが自分たちを「人」として見ていることにフェルは疑問を抱いていた。そこでフェルに代わってダンテがジェネのもとを訪れ、それを問うたところ「本当の憎悪を知らないから許そうとする」と判断し、立ち去っていった。
その後、アークスシップの市街地をフェルが急襲。多数のダーカーを率いて虐殺を始めた。これはダンテを通じてロードが指示したことで、「ジェネがフェルを許すかどうか(どこまで綺麗な心でいられるか)」を試すためにやらせたことだった。これまでにない憎しみを覚えたジェネは激情のままフェルと対峙する。だがしかし、その感情のままフェルを殺すことが正しいのかどうか思い悩み、主人公に背中を押されたことで最後までフェルを信じる決意を固めた。
フェルもレヴィと同様の措置を受けており、残された時間は少なかった。そうまでして戦うのはレヴィを救うため。限界を超えて戦うフェルのために市街地の被害は拡大を続けていた。フェルを征圧した後、ジェネは我が身を差し出すことで戦いの連鎖を止めることを提案する。さすがのフェルもこれには驚かされ、ジェネの望み通りロードのもとへと連れていった。
残された主人公たちは、ジェネに向けて「必ず助けに行く」と誓うのだった。
- 9章 否定する世界
ジェネは決してフェルを許したわけではなかった。だが憎しみを暴力に変えても誰も幸せにはなれない。だから彼女は、自分が我慢することを選んだのだ。対し、ロードはそういった「感情」こそ世界には不要と断じた。先の市街地襲撃は、人々に怒りと殺意を与え、負の連鎖によって感情が不要なものだと知らしめるためのデモンストレーションであった。ロードの目的はただ一つ。「感情を取り除いた完璧な世界を創る」ことにあった。
フェルの襲撃から三日後。セラフィは「廃棄されたアークスシップ(ダーカーの巣窟)」からダンテたちの生体反応を発見していた。主人公たちはジェネ救出のため危険と知りながらも突入することを決意した。
一方、フェルはジェネの自己犠牲によってついに己が求めていたものを自覚する。それは誰かに向けられる優しさだった。「デキソコナイ」のウェポノイドが――ジェネに心配されるモアが羨ましかったのだ。そのことをダンテに話し、「ジェネに感謝の言葉を伝えてほしい」と頼んだ。
その後、ダンテは約定通りザッカードにレヴィの治療を依頼しに行く。しかし、ザッカードにとって「フォトンの影響で損傷した肉体」については専門外だった。当然、ロードはこのことを知っていた。つまり、最初からレヴィを助ける気などなかったのだ。そのことを知ったダンテは、激昂しながらも一つの決定を下した。フェルに代わってジェネにお礼をする、と。
その頃、主人公たちダーカーバスターズはロードたちの本拠地――ダーカーの巣窟へと突入していた。突入間もなく、ダンテによる通信遮断が行われ、主人公たちはセラフィによる支援を断たされてしまった。それでもジェネを助けるために先へ進む主人公たちを見て、ダンテは自ら「道案内」を買って出る。無論、簡単に信じる主人公たちではなかったが、アネットは作り笑いをやめた今のダンテなら信じてもいいと言った。
道中、ダンテはロードの狙いについて語った。ジェネとロードの正体は、二つに割れた創世器こと「断翼ロート=ラウト」が変化したウェポノイド。彼の創世器は「罰と赦しを司る」ダブルセイバーであり、ジェネは「赦し」の刃から一番最初に創られたウェポノイドであった。当時はアークスの人格情報をもとにしたモデルデータは存在しておらず、ならばなぜ人格を得たのかと言うと製作者であるザッカードの「想い」がフォトンを通じてジェネの人格に影響を与えたためだった。この頃のザッカードは、E.M.A.上層部の命令に背いてイノセントブルーは正しく使われるべきだと主張していた。だがジェネの身に危険が迫ったことを感じ、記憶を操作して逃がしたのだった。その後、ザッカードはE.M.A.上層部からジェネの居場所を吐くようにと過酷な拷問によって「洗脳」されてしまった。だがザッカードはE.M.A.の命令を守ろうとする一方で、残された良心とのせめぎ合いに苦しんでいた。これが錯乱の原因である。
ちなみに二年前、冒頭でザッカードが第二研究所に向かったのはE.M.A.上層部の命令によるものだった。目的はロート=ラウトの片割れである「罰」の刃から新たにウェポノイドを創るためである。こうして生まれたのがロードだった。しかし、ロードの人格は強烈な悪意に満ちたザッカードの精神が反映された結果によるもの。E.M.A.上層部の、身勝手な人間の欲望と悪意がロードを生み出したのだった。こういった理由からロードは、ジェネを吸収することで完全体となり、力を得ようとしていた。すべては「感情のない世界」の実現のために。
一行と別れたダンテは、自らの手でフェルとレヴィを助けるべく脱出ポッドを用いて二人を脱出させた。
一方、主人公たちはついにジェネを救出した。しかし彼女は、ザッカードによって感覚の大半をロードに吸収させられてしまっていた。ザッカードは「弱い存在は悪に力を利用される」と考え、「強い」ロードとジェネを合一させることで彼女を守ろうとしていたのだ。ザッカードは主人公たちによって戦闘不能となり、装置が停止したことでジェネは意識と感覚を取り戻した。と同時に、意識の一部がロードと一体化していたことですべての記憶を甦らせていた。
正気を取り戻したザッカードは、二年前の過ちを語る。実はその激しい憎しみから【深遠なる闇】に監視されていた。しかし、深遠に魅入られたのは死にかけていたザッカードではなく、その悪意を引き継いだロードであった。こうしてロードはダークファルスとなったが、ジェネを取り込んでいない状態では不完全だった。そこまで語ったところでザッカードは、突如現れたロードによって殺されてしまった。
- 10章 だから、美しい
ロードにとってザッカードの存在価値は、「ジェネを取り込む準備をさせる」程度のものだった。その役目を終えた今、生かしておく理由はなかった。ジェネはロードに連れ去られ、ダーカーバスターズの面々は強制転移によって散り散りになってしまった。混迷する主人公とアネットの前に現れたのは、先ほど別れたはずのダンテだった。彼は胸骨に埋め込められた装置によって建物のシステムにアクセスし、ザッカードの死や主人公たちの窮状を知ったという。ダンテはこの装置を用いてシステムにアクセスし、メインシステムを停止させることでジェネの吸収を防ごうとしていた。だがメインシステムにはロックが掛けられており、まずはそれを解く必要があった。
主人公によってロックは解かれ、ダンテによってメインシステムは消去された。これでもうロードは、ジェネを取り込むことができなくなったのだった。役目を終えたダンテ立ち去り、主人公とアネットはブルーノと合流を果たした。
一方、激昂したロードはジェネを手に掛けようとする。だが間一髪のところで駆けつけたモアが身を挺して庇い、続いて主人公たちが駆けつけた。ついにダーカーバスターズとロードの最終決戦が行われることとなった。
ロードの力は圧倒的だったが、不完全な存在のままダークファルスの姿となったことで肉体の崩壊が始まり、死を待つだけの状態となった。更にジェネから「自分より強い心を持った者を恐れている。だから感情を否定しようとしている」ことまで見抜かれてしまう。己の弱さを指摘されたことでロードは錯乱状態となり、「仲間たち」の姿を求めるが、彼らは既に去った後だった。
奥の手として自らを【深遠なる闇】に取り込ませ、「プロトファルス・ロード」として強大な力を解放。真の最終決戦を演じる。
それでも彼らが持つ純粋なる想いには打ち勝てず、代償としてロードは【深遠なる闇】に喰われていった。それを見過ごせなかったジェネはロードを助けようと闇の中へと飛び込んだが、彼は最期までその手を掴むことはなかった。
こうしてロードの脅威は消え去った。そして闇の主から解放されたダンテたちは惑星ウォパルに降り立ち、レヴィを助けるための方法を求めて旅立っていったのだった。
任務を終えたダーカーバスターズは解散となり、主人公とブルーノには別々の任務が下されることとなった。そして訪れた別れの日、主人公はジェネに呼び出されていた。あの時、ロードは闇の中からジェネを押し出していた。彼が最期の最期に抱いた「感情」がどんなものだったのか。今となってはわからない。そのことに疑問を感じていたジェネに対し、主人公は「ジェネの想いが伝わり、ロードを救った」と答えた。それを受けてジェネは、笑顔で主人公に言葉を送る。
「わたしリーダーが、そばにいてくれたから……この世界は美しいって……そう思えたんです。
わたし、あなたのことずっとずっと、忘れません。リーダー……ありがとう!」
season2「トランスエネミー編」
トランスエネミーの親子を巡る物語。
主人公たちは、何者かによってエネミーや原生生物が『捕食』されているという報告を受け、調べに行くこととなった。『捕食』を行っていたのは、ヘイドと名乗る不気味な風貌の男だった。彼の正体は、『ヘイズ・ドラール』のトランスエネミー。かつてはE.M.A.の実験体として飼育されており、アークスに対する復讐のため『捕食』によって力を付けようとしていたのだ。ヘイドを追う中、主人公たちはトランスエネミーの幼女を保護する。彼女の名はデュナといった。更にダーカーバスターズの協力者としてウェポノイドのカラミティが加わることに。
ようやくヘイドに追いついたが、あろうことか彼はウェポノイドであるクシャネビュラとシュトラを従えていた。二人とも何かしらの洗脳を受けていたが、デュナの叫びによってシュトラだけは正気を取り戻すことができた。しかし、クシャネビュラはヘイドによって『捕食』され、糧とされてしまった。
それでも主人公には及ばずヘイドは敗北。今のままではアークスの抹殺は不可として撤退した。そして龍族を中心とした『捕食』を行い、際限なく力を高め続けた。
一方、ヘイドとは異なる何者かが『捕食』を行ったという情報を聞き、アネットとブルーノ、カラミティの三人が別行動で当たることとなった。三人が遭遇したのは、マギサ・メデューナのトランスエネミーであるアナティスという女性だった。彼女は三人がアークスだと知るとカラミティを『洗脳』し、アネットを襲わせる。咄嗟に庇ったブルーノは重傷を負い、しかもアナティスを守るべくヘイドまでが姿を見せた。絶体絶命の中、アネットたちを救ったのはフェルだった。彼はレヴィの治療を条件にヘイドと戦い、アネットたちを逃がしたのだった。
その後、アナティスの正体が判明する。彼女は、E.M.A.がウェポノイドたちを『洗脳』するための手段として生み出した存在だった。前述の通り、E.M.A.の目的はウェポノイドを利用したオラクルの乗っ取りである。そのためにはウェポノイドを意のままに操る手段が必要だった。そこで研究者たちは、アナティスに【若人】が持つ『魅了』の能力を再現させたのだ。無論、彼らは『洗脳』を解くための手段も用意していた。それがデュナである。
デュナは、アナティスの体内で培養され、人工的に生み出された存在。そのためアナティスにとっては『腹の子』であった。E.M.A.の人体実験が繰り返される日々の中で、彼女にとってヘイドと腹の子は心の支えとなっていた。しかし、デュナを無理やり奪われたことでアナティスは深く絶望し、自らに『洗脳』を掛けることで「デュナがお腹にいた頃の思い出」に浸り続けていた。そのため、デュナが目の前に現れてもアナティスは『腹の子』と認めようとしはしなかった。
負傷したブルーノは治療のため戦線を離脱。後のことを主人公に託した。主人公たちはアナティスたちの本拠地であるE.M.A.第三研究所へと乗り込む。だが多数のエネミーが出現したため、アネット、カラミティ、シュトラが足止めのために残ることに。
その後、主人公たちはヘイドと対決。駆けつけたクーナの助力もあり、ついにヘイドを倒したのだった。そしてアナティスとの戦いにも打ち勝ち、デュナの呼び掛けによって『洗脳』が解かれた。母を縛り付けていた『過去の思い出』は、今の象徴である娘によって氷解したのだった。
事件解決後、生き残ったトランスエネミーたちはアークスに保護されることとなった。約束通りフェルたちは治療が行われ、そしてアナティスとデュナも母娘として平穏な日々を過ごすこととなった。
season3「エルジマルト編」
「だからこれからも……リーダーやみんなと一緒なら、わたしは……前に向かって歩いていける」
古代文明人「エルジマルト」との戦いを描いた物語。
- 1章 闇の行く先
ある日、惑星リリーパに異常な値のダーカー因子が検出された。同時に地下坑道から未確認のエネミーも姿を見せ始める。ダーカーバスターズは調査のため地下坑道に足を踏み入れるが、直後、アンテナのようなものを付けた奇妙なダーカーに襲われる。殲滅すると今度はなんと人語を話すリリーパ族までが姿を見せた。彼は自らを「リーン」と名乗り、今戦ったダーカーは「ダーカー兵器(DW)」と呼ばれるものだと語った。
しかも大切な友達がダーカー兵器に襲われているという。このままでは世界の存亡にも関わるとまで言われ、主人公たちは訝しみながらも救援に向かう。襲われていたのはアフタル・アールアレフという少女だった。彼女を助けた主人公たちだが、アフタルは正体不明の人間たちに警戒心を見せていた。それはアネットとブルーノも同じことだった。
リーンの言葉で先に警戒を解いたアフタルは、自分が持つ箱の中身――「星骸布(スコア)」が「ヴィーナー」たちに狙われていることを話す。リーンが「世界の存亡に関わる」と言ったのはあながち間違いではなく、この星骸布がヴィーナーの手に渡ればダークファルスが復活させられてしまうという。
アフタルは惑星リリーパに星骸布が遺されていることを知り、ヴィーナーたちに取られる前に奪ったという。そのため追手としてダーカー兵器を送り込まれたというわけだった。と話したところでダーカー兵器に取り囲まれ、主人公はジェネとアフタル、リーンを先に逃がすことにした。
しかし、それは敵の罠だった。ジェネは分断した先でホルシードなる人物に打ちのめされ、アフタルは囚われの身となってしまい、星骸布を奪われてしまった。ホルシードは、駆けつけた主人公たちがアークスだと知ると「この星を奪おうとする簒奪者ども」と敵意を見せる。彼女は自らを「エルジマルト」と名乗り、ダーカー兵器をけしかけると撤退してしまった。一行はアフタルに協力し、星骸布を取り戻すことを約束する。
その矢先、次なる悲劇が起こった。カラミティとシュトラが所属するウェポノイドの別動隊がホルシードに襲われたのだ。彼らは手も足も出ず打ち倒され、主人公たちにホルシードを追うことを託す。
やっとホルシードに追いついた一行が目にしたのは、古びた転送装置だった。彼女はこれを用いて本拠地に戻ろうとしていたが、阻まれたことで星骸布の力を使って主人公たちを倒そうとする。しかし、星骸布の制御が利かなくなり暴走してしまう。アフタルが言うには「正しいことに使わなかったから星骸布が拒絶した」からだという。そこへヴィーナーの一人「ソルーシュ」がホルシードの救援に駆けつける。彼は「執政官の指示で来た」といい、ホルシードを連れて帰ってしまった。連中の後を追おうにも転送装置は爆破され、道を見失った一行は、アークスシップに帰還することにした。
ダーカーバスターズから報告を受けた「クーナ」は、アフタルの身体を検査した結果、かつてリリーパを支配していた種族(古代文明人)だと断言した。ちなみにアフタルが言っていたダークファルスとは、現在惑星カーネベデに封印されているという。この惑星についてはアークス側でも存在を知らず、現在、位置の特定を急いでいる状況だった。ホルシードたちは星骸布を用いてダークファルスの封印を解いた後、倒すつもりとのこと。ならばと共闘を提案するジェネだが、アフタルは全力で拒否。ダークファルスに勝てるわけないと言い切った。
今回の一件については不確定情報が多く、暫定的にクーナが統括することになった。仲間たちが立ち去った後、クーナは主人公に密かに告げる。アフタルの肉体に見られた異常について――。
ホルシードたちとの戦いで暴走した転送装置により、星骸布は各惑星に分散してしまっていた。そこで一行は、ダーカー兵器の存在が確認された惑星ウォパルに赴く。そこでジェネは、アフタルに友達になろうと言うが「みんなとは違う」と言われて拒否されてしまう。直後、彼女はダーカーの死体からダーカー因子を取り込み始めた。
実は彼女たちの肉体は、機械とダーカー細胞を融合させた『ダークニクス』という技術で創られていた。ダーカーと同じ肉体を持ち、ダーカー因子を消費することで本来の姿である戦闘形態になることができるという。
遥か昔、アフタルたちの星はダークファルスによって滅亡に追い込まれた。すべてを失った彼女たちは、ダーカー因子を資源とすることで生きながらえることを決意。命の情報をデータ保存し、今の肉体を捨て、代わりにダークニクスで創った肉体に人格を移したのだった。だからアフタルは、「自分はダーカーと同じで恐ろしい存在」としてジェネたちとは友達になれないという。
実は主人公は、この情報を既にクーナから得ていた。アフタルの検査の際に見つかった異常とはこれだった。
無論、ダーカーバスターズの中にそんなことを気にする者はおらず、主人公たちの言葉に絆されたアフタルは友達になることを選んだのだった。
その後、星骸布の一部を取り込んでいたダーカーを倒し、アフタルが持つ解除装置によって回収された。直後、ナベリウスにあるE.M.A.第二研究所がヴィーナーの襲撃を受けたと通信が入る。帰還しようとした一行だが、転送装置の事故によってウォパル海底に別々に飛ばされてしまう。
幸いにもそれぞれが近くに飛ばされていたため、すぐに合流できたが、ジェネの姿だけは見つからなかった。
その時、ジェネから通信が入る。だがそれはホルシードがやらせたものだった。ジェネはホルシードの手に落ちており、星骸布と引き換えに返すと取引を要請してきた。
一行は指定された場所――E.M.A.第三研究所へと向かうのだった。
- 2章 違えた果て
ジェネを助けるために第三研究所へ向かう――それを聞いたアフタルは、ジェネを見捨てて残りの星骸布を集めるべきだと言い放つ。驚愕する一行の中でただ一人、リーンだけはアフタルを諭した。「ジェネは初めての友達のはず」だと。
リーンが言うには、エルジマルトは生き延びるために数々の犠牲を払ってきたという。だから「目的のためには犠牲があって当然」と考えるようになった。アフタルがジェネを見捨てようとしたのも、彼女個人の考え方というよりは種族として刷り込まれた認識によるものだった。
改めてジェネが大切な存在だと認識したアフタルは、彼女を助けるためにホルシードのもとへ向かうことを決意する。
ジェネと再会する主人公たちだが、彼女はホルシードの「ダークファルスの封印を解いて倒す」という目的に共感してしまっていた。そこでジェネは、ヴィーナーとは争うのではなく共闘するべきだと主張。ホルシードとの交渉が進む中、横槍を入れたのが突如として現れたソルーシュだった。彼はE.M.A.の非道さを知っており、アークス全体を『敵』として見ていたのだ。ソルーシュはダーカー因子の力を用いて戦闘形態へと変身。主人公たちは一戦交え、これを征圧する。
追い詰められたソルーシュは大量のアンプルを投与し、ダーカー因子を暴走させてしまう。と同時にアフタルの星骸布と共鳴を起こし、彼女の恐怖の叫びが『悲しきダークファルスを癒す歌(音波が影響を与える詩族としての力で、因子の封印を強めるための音波)』となったことで因子を眠らせた。アフタルとソルーシュは気絶し、主人公たちは今のうちにジェネを保護しようとする。だがそこへまたしても新手が現れる。彼の名はファルザード。ヴィーナーの一人であった。
しかしホルシードはソルーシュの独断を詫び、その償いとして無条件でジェネを解放しようとする。ところが当のジェネは、アークスとヴィーナーの懸け橋となるべくホルシードたちと行動する旨を告げる。ホルシードは「アークスの情報が得られる」ということでジェネを受け入れ、主人公もジェネの気持ちを尊重するのだった。こうしてダーカーバスターズにはアフタルが、ヴィーナーにはジェネが就くこととなった。
帰還したダーカーバスターズはクーナに近況を報告。するとクーナから部下であるスレイマンを紹介される。事態が事態だけに手が回らなくなったクーナは、部下に主人公たちのサポートをさせようと考えたのである。早速スレイマンはダーカーバスターズに指示を下す。それはヴィナーに占拠されたE.M.A.第二研究所の奪還だった。ナベリウスの森林に降り立った一行は、新人アークス・ナスリーンを保護する。彼女は初任務として研究所奪還のメンバーに加えられていたが、ダーカー兵器の襲撃によってチームが壊滅も同然になってしまったという。幸いにもチームメンバーたちは息があり、アネットによって治療されたが作戦の続行は不可能として判断され、ナスリーンの「仲間の仇を討ちたい」という希望もありダーカーバスターズに加わることとなった。
なぜかダーカー兵器は第二研究所を破壊しようとしており、危うくデータベースまで台無しにされてしまうところだった。データベースを調べたところ、ハルコタンに関する情報が改ざんされた形跡があった。ヴィーナーの狙いがハルコタンにあると睨んだ一行は、ナベリウスを発つのだった。
ハルコタンに着いて早々、ナスリーンはアフタルに対する不審を口にする。ダーカー兵器と同じ技術で創られた存在を信用することができない、と。それはダーカー兵器に対する恐怖が、アフタルに対する恐怖として働いているからだった。
- 3章
- 4章
キーワード
- E.M.A.(イー.エム.エー)
アークスの武器の研究開発を行っている研究機関。シーズン1~2に起きた事件の元凶たる組織である。研究所は本編が始まる4か月前に爆破されたが、実は秘匿されている第二研究所と第三研究所が存在する。イノセントブルーの開発は、ナベリウス遺跡エリアにある第二研究所で行われており、ジェネやモアもここで生み出された。
その目的は、ウェポノイドを利用したオラクルの乗っ取りである。大量生産したウェポノイドたちを洗脳し、頃合いを見て反乱を起こさせようとしていた。洗脳の手段に関してはまだ実験段階であり、実用化はされていなかった。また集積型ウェポノイドのプロトタイプであるモアにアークスの情報を収集させ、ウェポノイド作成に利用しようとしていた。しかし、その思惑を知ったモアが逃げたタイミングで研究所は爆破され、職員たちの殆どが死亡した。
シーズン2では虚空機関(ヴォイド)の研究を引き継いでいたことが判明。同時にウェポノイドの「洗脳」に関する詳細も明かされた。アナティスというトランスエネミーにダークファルス【若人】の魅了能力を再現し、ウェポノイドやトランスエネミーたちを洗脳しようとしたのだ。この研究所はウォパル海底にある第三研究所で行われていた。しかし、実験体であるヘイドに反旗を翻され、職員たちの殆どが虐殺された。だが職員登録をしていなかった研究者たちは難を逃れており、シーズン2の終盤にてアークスに逮捕されたことが語られた。
- E.M.A.第二研究所
惑星ナベリウスの遺跡エリアに秘匿されていた研究施設。ここではイノセントブルーに関する研究を行っており、ジェネとモアもここで生み出された。
- E.M.A.第三研究所
惑星ウォパルの海底に秘匿されていた研究施設。ここでヘイドやアナティスなどのトランスエネミーを生み出すための実験を行っていた。
- イノセントブルー
本作の全体を通して争点として扱われる研究の名称。発明者はザッカード。
その効力は、「フォトンを具現化させ、物体に人の姿と人格を与える」というもの。ウェポノイドとトランスエネミーはこの力によって生み出された。具現化のため媒体となっているのがイノセントブルーである。
アークスの武器がイノセントブルーによって人の姿と人格を与えられた存在。なお、人格構成に関しては、アークスから集積された人格情報が用いられている。ちなみにトランスエネミーはウェポノイドを改良したものであり、殺傷能力が高められている。
- エキスパートシステム
知識や経験をプログラム化し、人工知能に組み込むことで適切な回答を導き出す仕組みを指す。このAIによって、まるで歴戦のアークスのように戦闘状況を判断し、適切な戦術を選択することができる。アークスはこれを発達させ、高度な武器や兵器を数多く製造してきた。
しかし、いざ運用するという段階で致命的な欠陥が判明した。この兵器を使う人間たちは、その力に魅入られて争いを始めてしまった。いくら人工知能と言っても善悪を判断する「心」はなく、人間の手によっていいように利用されてしまったのだ。
これを知ったザッカードは、ウェポノイドに「良心」を持たせることで人間の過ちに巻き込ませまいとした。
イノセントブルーによってエネミーたちが人の姿と人格を与えられた存在。ウェポノイドの改良版に当たり、殺傷能力が高められている。
E.M.A.はこれを創り出す過程で多数のエネミーを犠牲にしている。
二つの勢力が存在しており、ザッカードによって生み出された三つの個体と、E.M.A.が第三研究所で誕生させた三つの個体がいる。
かつて惑星リリーパを支配していた古代文明。