概要
「ジャンクション」という独自の成長システムの導入、敵キャラクターのレベルが味方パーティのレベルに合わせて上昇するレベル連動制、ポケットステーションへの対応など、従来のシリーズとは一線を画した斬新なシステムが話題を呼んだ。
また、シリーズとしては初めての主題歌及び生オーケストラが起用されたり、アルティマニアの出版もこの作品が初である。
とにかく異色作。
しかし、その独特なシステムや世界観、恋愛や学園生活を主軸に置いたストーリーなど、異色がゆえにユーザーの間で激しく賛否が分かれる。
好き嫌いの差は、おそらくシリーズ最大。
テーマは「愛」であるが、上記のように恋愛だけの愛ととらえたユーザーがとても多かった。
実際には恋愛も含むそれ以外の家族愛、友情、などさまざまな人間関係の中の絆のすべての愛をテーマとしたストーリーであり、主人公だけでない一人一人のストーリーを楽しむことができるのでクリア後も視点が変わり何回でも楽しむことができる作品ともいえる。
シナリオ自体も、些か説明不足であったり演出がわかりにくかったりする点は否めないものの、設定や伏線、心理背景は巧妙かつ緻密に練られており、積極的に考察・理解しようとするプレイヤーからの評価は非常に高い。
上記にあるように学園ものである為、メインキャラクターのほぼ全員が未成年である。
それ故か突拍子もない行動を取るシーンが多々あり(特にスコール、リノア)、他のナンバリング作品のように血気盛んな若いキャラをいさめる大人キャラがいない(教官経験もあるキスティスも、まだまだ青い言動が目立つ)、大人の魅力を感じさせるようなキャラが主要パーティーにはいない、といったような点が批判の的となっている面もある。
だがその青臭さが本作キャラの魅力でもある。
プレイの際には主人公に感情移入するというより、見守るような視点でプレイするとより良いかも知れない。(感情移入すると、若さゆえに突然感情を爆発させるメインキャラクターたちについていけないかもしれない)
「(当時はわからなかったが)自分が大人になってからプレイし直してみるととても感動した」という評価も少なくない。
オリジナルのプレイステーション版のほか、いくつかのバグが修正されたWindows版が発売された。
またゲームアーカイブスでも配信されている。
2019年には諸問題でHDリマスター化が先延ばしにされていたが、キャラクターグラフィックのリファイン等を経て各種ゲーム機に移植される事となった。
特徴
ジャンクションシステム
本作特有のキャラクター強化システム。
召喚獣(G.F.と呼ばれる)や魔法を各ステータスに直接装備することで能力を上昇させる、従来の武器や防具の装備にあたるシステム。
魔法を個数でストックするため、従来のMP制は廃止されている。
適切に利用することでステータスが大幅に上昇する為、このシステムを理解できているか否かによって、このゲームの難易度は極端に変わる。
また、このシステム自体が本編の設定と密接に関連しており、ストーリーにおける重要なキーワードとなっている。
G.F.(ガーディアンフォース)
従来の召喚獣。
今作では召喚魔法として使うだけではなく、G.F.自身もキャラクターと同じように成長し様々なアビリティを習得していく。
一種の装備品でもあり、上項ジャンクションシステムには欠かせない存在。
(ただし、入手方法が難解だったり、珍妙なアビリティを持っていたりする)
G.F.自体にHPが設定されており、盾役としても使う事が可能である。
アビリティ『おうえん』を習得させていると、ボタン入力により攻撃力が増減する。
ドロー
これにより敵から魔法を奪い取ったり、そのまま放ったり新たなG.F.を獲得することができる(特定のボスのみ持つ)。
上記のジャンクションシステムを採用する今作ではこれなしでストーリーを進めることはきついと言ってもいい。
だが、このドローは最大で9個の魔法しか入手できないため、100個入手しようと思うと、延々バトルシーンでドローを繰り返さないといけないため、これまた賛否両論。実は後述にもあるようにアイテム精製やカード精製で効率よく魔法は入手できるのだが、攻略サイトや攻略本が出回ってなかった時期は、「魔法の入手=ドローしかない」という偏った方法しか採れなかったプレーヤーが続出したため、本作の賛否両論要素のシステムとなってしまった。
特殊技
各キャラの持つ固有技能。FF6の隠し要素であった「瀕死必殺技」を発展させたものと思われ、HPが一定以下であるか魔法「オーラ」を使うことでランダムで発動機会を得る。
……が、システムを理解してしまえば、ほぼ100%発動させられるようになってしまう為、バランスブレイカーの一因となっている面も。
カードゲーム「トリプルトライアド」
ゲーム内で遊べるミニゲーム。
FF8の世界中に普及しているトレーディングカードゲームであり、□ボタンを使って人に話しかけることで、ストーリー全編に渡っていつでもどこでもプレイできる。
基本ルールは単純なのだが奥が深く、本編そっちのけで熱中するプレイヤーが続出した。
カードからはG.F.のアビリティを用いてアイテムや魔法の大量製造が可能なため、低レベル攻略には欠かせない要素でもある。
給料制
本作はモンスターを倒しても金銭は入手できない。戦闘後にモンスターがドロップするアイテムを換金するか、SEED(ガーデンの正式傭兵部隊。詳しくはググってください)に正式採用された後の給料によって金銭が得られる。
だが、一定歩数歩かないと給料が入らないうえに、SEEDランクが上がるごとに給料も上がるのだが、このSEEDランクは簡単に下がってしまう傾向があるうえ、このSEEDランクが上下するシステムも少々複雑(攻略サイトや攻略本を見ないと理解するのは困難)なので、このシステムも賛否両論がある。せめてSEEDランクが下がる明確な基準があれば良かったのだが…。
致命的なバグ
プレイステーション版とアーカイブズ版には、条件を満たすとゲームが必ずフリーズしてしまうという致命的なバグがあり、問題となった。複数のイベント(ひとつはクリアに必須ではないサブイベント)における複合条件を満たした場合のみ発現するバグで、デバッグでも発見できなかったという。
Windows版では修正されており発生しない。
登場キャラクター
名前はスコールとリノアのみ変更可能になっている。
主要操作キャラクター
謎の操作キャラクター
ガーデン関係者
その他
モンスター
関連イラスト
関連タグ
表記ゆれ