概要
CV:潘めぐみ
尚文らが召喚された世界とも、四聖勇者たちの生まれた世界(現代日本)ともさらに違う世界の住人。
スピリット(魂人)というその世界独自の種族で、人間よりも幽霊や精神体に近い性質を持っている(具体的な特性として、彼女のステータス上では、体力もSPも魔力も攻撃力も防御力も区別がなく、単純にそのエネルギー総量が多ければ多いほど万事において強力になり、少なければ少ないほど弱体化する)。そのため、尚文らが召喚された世界では「SPおよび魔力の回復薬」以上の意味を持たない「魂癒水」という回復アイテムも、彼女が使うと体力・魔力・SPおよび全ステータスを増強させるパワーアップアイテムと化す。
ただ、そうした特異な体質である彼女でも、飲食物や薬物などによる体調変化は存在するようで、漫画版でグラスらと交戦中の尚文への支援として女王ミレリアが投射させた「ルコル爆樽」(超々々高濃度の酒精を含むルコルの実をぎっしり詰めたタル爆雷)が破裂した際の酒精ガスにまかれた時は、仲間のラルクやテリスともども顔をしかめて動きを悪くしていた。
見目麗しい和風美少女で第3の波の時にボス級のソウルイーターと共に現れた。
銀の刺繍の入った漆黒の着物を着ていて、両手に鉄扇を携えている。
実は自分の異世界の伝説の武器「扇の眷属器」の勇者。
初登場では三勇者を圧倒し尚文に攻撃が重いと言わしめ、傷をつけるほど強いが、
グロウアップした憤怒の盾のアイアンメイデンを喰らい、撤退する。
書籍版では尚文のアイアンメイデンに食らいつかれてもそれをはねのけてしまうなど、凄まじい防御力も見せた。
ただ、スピリット族であるが故の彼我の属性の相性というものもあり、書籍版や漫画版で2度目に盾の勇者一行と相まみえた際、尚文の盾の一つ「ソウルイーターシールド」のカウンタースキルである「ソウルイート(攻撃してきた相手のSPを吸収する)」をぶつけられた時には、(SPも、攻撃力も防御力や体力魔力も区別なく単一の「グラスのエネルギー」として処理される彼女にとってはエネルギーそのものを吸い取られてしまうことになるため)初戦でのアイアンメイデン被弾時よりも覿面にダメージを受けていた。
撤退の際に名を名乗るなど武人気質もあることが窺える。
尚文の名を聞く代わりに「波はただの災害ではない」、「勝つのは我々である」など、謎めきながらも重要な情報を残していく。
その後タクト戦と同時に起こった波と同時に現れ、グラスの世界が滅亡の運命しか残されていないため少しでも多くの人を助けようと尚文たちと共闘する道を選ぶ。
しかし、条件が揃っていれば尚文らが生きる世界を潰しにかかっていただろうと言っている手前、苦渋の選択だったことがうかがえる。
敵対する尚文達に手を下すことについては躊躇はないが、それでも原作web版においてタクト一派やヴィッチらの処刑に協力・参列することになった際、連中の犯してきた罪の所業があまりにも大きく醜いとはいえ、酸鼻も極まる様々な酷刑でタクトの一族郎党がショーめいて惨殺されていく様を見て胸糞の悪さを覚えるなど、感性や倫理観はなんだかんだで健常なものを備えている模様(むしろそれだけの倫理もある分、自分たちの世界のための戦いが他世界にとっては侵略や虐殺であることを自覚したうえで、その罪悪感を「避けえない生存競争だから」と噛み殺しつつ戦ってきたといえる)。
行方不明になった友人を探しており、戦いが終わった後、消息を絶った。
書籍版
書籍版ではより行動目的が明確になり、出番も大幅に増えている。
彼女の世界は勇者同士の仲違いなどが尚文たちのいる世界よりもひどい上に、数年前から四聖勇者の一人にして友人である「風山絆」が行方不明となっており(上記のweb版で探していた友人とは絆の事)、「波の先にある世界の勇者を殺せば、自分たちの世界を滅亡から延命できる」という伝承にかけたというのが彼女が尚文たちと戦った目的だった。
ではなぜ、初登場時に三勇者を戦闘不能まで追い込んでおきながらとどめを刺さなかったかというと、あまりの弱さに三勇者のことを勇者を騙る偽者だと思い込んでしまったから。
最初の戦いの後、カルミラ島で仲間であるラルクベルクとテリスと共に再び尚文と戦うが、以前よりも力をつけていた尚文たちに苦戦し、決着はつかなかった。
そのすぐ後に、同じ世界の勇者であるはずのキョウが霊亀を操るという暴挙を犯したため、共通の敵として一時的に尚文と共闘することになる。
その後、キョウを追って元の世界に戻るが、キョウの罠により尚文たちと分断。尚文とはぐれたラフタリアと行動を共にしていたところ、彼女を探していた尚文たちと合流。しかも、行方不明だった絆が尚文と同行しており、念願の再会を果たす。
最終的には、絆から他世界への侵攻を咎められたことと、友人を助けてくれた恩もあり尚文と和解、協力関係になる。
絆にはどうやら友人以上の感情を抱いている模様(尚文曰く「レズっ気がある」)。また、絆と再会したことでweb版に比べて心に余裕が出てきたのか、リーシアの余りの能力の低さ(絆曰く「波で戦わせるには無謀なレベル」)を聞いて思わず土下座したり、ラルクたちと時々ボケをかましたりと、お茶目な面も見せるようになっている。
公式設定資料集収録のサイドストーリーの一つ『もしも無限迷宮で一緒に落とされたのがグラスだったら』では尚文に不信を買われながらも絆と再会。
脱出しようとする二人に「ここにいれば波にも召喚される事なく安全に永住できるので脱出は諦めてください」と興奮しながら告げ絆を納得させる。監禁型のヤンデレの素質もあった模様。
当然尚文から反対されるも彼がレベル1の状態になってしまったためろくに抵抗もできず一緒にサバイバルする羽目になってしまう。
槍の勇者のやり直し
槍の勇者こと愛の狩人・北村元康が飛ばされることとなったこの繰り返しの物語では長らく登場することはなかったが、ついに「真・槍直し」の「伝承のフィロリアル編」において、「成り上がり」本編でいうところの『2度目の波』のタイミングで、(元康の歴史調整努力もあり)本編の展開をなぞるように、四聖勇者たちのソウルイーター撃破後に来襲。
本編と同じように錬・樹ごと元康を吹き飛ばすが、元康だけは(元康が歴史の流れを『なるべく本編のそれをなぞるようにしている』ためではあるのだが)本気を出していないことを明確に察知しており、その事に腹を立てて元康を非難していた。
(このときの元康による彼女の戦力評価は、『本気を出せば楽勝だが手加減するには難しい』くらいとの事)
最後は本編と同じく尚文のアイアンメイデンを受けてから退却するのだが、その際に元康がこっそり爪楊枝サイズにして放ったエアストジャベリンで足を撃ち抜かれており、本編とは違う予想外の痛みに足を引きずっての撤退となった。
…なお、この戦いの際の、彼女に対する元康の呼称(地の文)は「扇を持った 豚 」であった。
関連タグ
盾の勇者の成り上がり 盾の勇者の成り上がり登場キャラクター一覧
グラス(曖昧さ回避)