(ひょっとしたらこのままもう元の姿に戻れねーんじゃ……)
概要
2009年の『週刊少年サンデー』応募者全員サービスとして発表された。
「江戸川コナンが工藤新一に戻れなかった世界」を描いた異色作。
この他、蘭や園子、少年探偵団、平次、和葉といった主要キャラクターの10年後の姿が登場する。
『コナン』という物語の結末の一つの可能性であり、二次創作でもよく使われる世界観ではあるが、コナン(新一)にとっては望まない結末であるため、複雑な感想を抱いた視聴者が多かった模様。
ストーリー
風邪を引いてしまい、学校を休むことにしたコナン。心配する蘭を送り出した直後、彼女と園子が新一の話をしているのを聞き、もしかするとこのまま元の姿に戻れないのでは……と不安になってしまう。
ネガティブ思考を打ち消すように眠りについたコナンだったが、数時間後に灰原哀からの連絡が入る。APTX4869の新しい試作解毒薬ができたので試してみないか、というものだった。先の不安のためか、この話に飛びついたコナンは早速阿笠邸へ。熱が上がっていることを灰原は心配するが、コナンは構わず解毒薬を飲み込む。
無事新一の姿に戻って出てくると、なぜか灰原がいなくなっていた。不思議に思いつつも、新一はクラスの皆を驚かせようと帝丹高校へ向かう。しかし、街の景色のあちこちや人物の外見が記憶と違うことに戸惑いを覚える。
そして高校へ到着した新一は意気揚々と2年B組に乗り込むが、誰も反応しない。兎にも角にも蘭を探そうとした新一は、「探偵クラブ」と名のつく部室を見かけて入ってみるとそこにいたのは高校2年生の姿の歩美・元太・光彦だった。しかも彼らは当たり前のように新一を「コナン」と呼び、ますます新一を困惑させる。
そこへやってきた高校2年生の姿の灰原に、新一はこの状況を問い詰める。すると、彼女の口から語られたのは衝撃的な事実──────
新一が今いるのは、「黒の組織との決着がつかず、コナンも灰原も元の姿に戻れないまま10年が経過した世界」だった。
余談
「主要キャラクターの10年後の姿」といえば、劇場版第5作『天国へのカウントダウン』で登場した「10年後の顔予想」の写真が思い出される。
同作では歩美・阿笠・光彦・元太・園子の10年後の顔が描かれた(コナンと灰原はエラーとなった)が、蘭のもののみ伏せられていた。今回のOVAではその「10年後の蘭」も登場している。