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吸血鬼ラ・セーヌは水木しげる漫画作品とこれを原作とするアニメの登場キャラクター。

概要

CV/内海賢二(1期)、大塚芳忠(異聞妖怪奇譚)、飛田展男(6期)

シルクハット蝶ネクタイ。そして燕尾服を身に纏った、英国人紳士風の出で立ちをした気障な性格のゲゲゲの鬼太郎シリーズ吸血鬼(バンパイヤ)一族の1人。ラ=セーヌと表記される事もある。

初出は原作のマガジン版「手」とアニメ第1期だが、後に発表される新編の原作(とその世界観の続きと思われるPS2専用ソフト『異聞妖怪奇譚』)ではそれぞれ微妙に設定が異なっている。

「手」、第1期版

フランス出身の吸血鬼。その紳士然とした態度で、パリの社交界などに出現しては、誰にも悟られる事無く生血を抜き取るという独自の高度な吸血術※を用いて、幾人もの美女たちをその手に掛けて来た。

※原作では詳細は不明だが、アニメによると爪を突き刺して指先から犠牲者の血を吸い取っていた。

なお、フランスでは犠牲者たちが、まさか伝説上の吸血鬼に襲われたとは思わず、新種の病“血なし病”と誤認されたため事件は闇に葬られていた。

妖怪ではあるものの、身体的には普通の人間であるのか、特殊な力や妖術、魔術の類は身に付けていないらしく、ザ・マンモスという名の殺し屋を雇い、自身の身辺警護に当たらせている。

フランスで多数の犠牲者を出した後、次の標的を日本人女性に決め日本へと上陸。

しかし鬼太郎が何れ自分の正体に感づいて、必ず自分の邪魔をして来るに違いないと考え、そうなる前に先手を打って始末しようと目論んだ。

鬼太郎を誘き寄せるとマンモスにマシンガンを撃たせ、残された手首(アニメではリモコン下駄)を見て殺害に成功したと思い込む。

意気揚々と日本に置いてのグルメプランを実行しようとするが、始末したはずの鬼太郎の手に付きまとわれて恐怖を抱く。マンモスと共に隠れ家である山奥のホテルに逃げ込み、厳重に戸締りをして籠城戦の構えをとるものの、鬼太郎の手は煙突を通って侵入しようとする。怯えたラ・セーヌたちは手を焼き殺してしまおうと火を起こすが、鬼太郎の妖力で火が逆流、主従共に焼死するという最期を遂げた。

実は鬼太郎自身は最初から生きており、呼び出された時点で既に彼の正体と目的を見抜き、蜥蜴のしっぽ切りの要領で身を隠し、脳波で手(リモコン下駄)を遠隔操作していたのである。

吸血鬼ラ・セーヌ(新編)版

こちらでも作品同様にフランス出身の吸血鬼(バンパイヤ)だが、設定が異なっており、千人の美女の生血を吸って更に千年の生を得ようと目論み、999人の美女の生血を吸った後、最後の千人目の白羽の矢を日本人に定め、日本へと上陸した。

今回はシルクハット型の超音波瞬間移動装置なる秘密兵器を使い、フランスのエッフェル塔から日本の東京タワーまでの長距離移動を一瞬にして行う事が出来る様になった。

また、バンパイヤ一族お約束(?)である巨大なコウモリの姿になる事も可能。

日本に上陸後、日本の蝙蝠たちの協力を得ると、目的の邪魔となる鬼太郎を襲撃、部下の大蝙蝠に全ての血を吸い取らせ勝利する。

ラ・セーヌはその場に居合わせた猫娘を普通の人間の女性と勘違いし、千人目の生贄としてその血を吸うが、妖怪の血が混ざったことで今までの行為が全て無駄になってしまった。

一方、鬼太郎は応急処置として人間の血を輸血されるが、その影響で妖力が半減、力も性格もねずみ男の様になっていた。

自分の失敗を棚に上げて、野望が一からやり直しとなった事に大変ご立腹なラ・セーヌは、無力化状態の鬼太郎を東京タワーから突き落とそうとする。ところが頭にかぶっていた装置をリモコン下駄で破壊され、その反動で自分が転落して重傷を負い、恐山の妖怪病院で治療を受けることになる。

ただしその条件として鬼太郎に血を返したことで、日本中の蝙蝠たちの信用を失ったラ・セーヌは、元に戻った鬼太郎たちから二度と日本に来るなと言われ、渋々飛行機に乗ってフランスへと帰国していった。

異聞妖怪奇譚版

ドラキュラ率いる西洋妖怪軍団の一員として登場。

吸血鬼エリートと共にドラキュラの側近を務めており、その高い戦闘能力を使って鬼太郎たち率いる日本妖怪たちを苦しめる。ちなみに最強必殺技は(何故か妖怪なのに)マシンガンの乱射。

6期

アニメには実に51年ぶりとなる登場。これまでの紳士風の壮年男性からデザインを一新、今作では小柄な少年の姿をしている。

吸血鬼エリートよりも強大な力を持つ吸血鬼と言われ、カミーラ からの指示で女性の生き血を集め、バックベアード復活を画策した。

ラ・セーヌは吸血鬼に襲われた被害者を装って鬼太郎の不意を衝き、高速移動で翻弄。マンモスとのコンビネーションで鬼太郎を宝石に封印し、ちゃんちゃんこにも釘を打った上で金庫に閉じ込め、さらに港に投棄して安心していた。

ところがちゃんちゃんこはどういうわけか(マンモス曰くちゃんちゃんこには鬼太郎の魂が宿っているらしい)金庫から脱出、彼らの行く先に現れて吸血を妨害し、襲い掛かってくる。

すっかり追われる立場となった彼らは、ほとぼりが冷めるまで山小屋に身を隠してやり過ごそうとするが、そこにもちゃんちゃんこがやって来る。震え上がったラ・セーヌはマンモスに命じて出入りを封じ、さらに暖炉の煙突から侵入しようとするちゃんちゃんこを撃退しようと薪を燃やす。結果として原作同様、鬼太郎の妖力に操られた火により小屋が全焼。しかしマンモスの献身により辛くも炎から逃れたので、両者は小屋の中で焼死はしなかった。

小屋から脱出したラ・セーヌ達の前に、まなアニエス(と砂かけ婆)の協力で封印を解いてもらった鬼太郎が姿を見せる。ラ・セーヌは再度鬼太郎に襲い掛かるが、すでにその動きを見切っていた鬼太郎に高速移動はもはや通じず、リモコン下駄でご自慢の牙を折られ、指鉄砲の追い討ちで叩き伏せられてしまう。

焦ったラ・セーヌはマンモスの説得もあり、新編版とは逆に自ら日本から逃げることを決意するが、そこに人に害をなす妖怪は絶対に見逃すことのない石動零が吸血事件を嗅ぎつけ3人の前に現れて、彼の「化け火招来」により、ラ・セーヌは問答無用で小屋の外で焼き殺され魂も吸収されてしまう。

こうもり猫の回想シーンでは西洋妖怪三人衆と行動を共にしていたので西洋妖怪の幹部格だったと思われる。

ザ・マンモス

CV/はせさん治/くじら(6期)

※イラスト左側のキャラクター

吸血鬼ラ・セーヌの身辺警護を担う殺し屋にして彼の召使いを務める体格の良い男性。

なお、彼は妖怪ではなくれっきとした“ただの人間”なのだが、どのような経緯を持ってラ・セーヌに従う様になったのかは不明。武器は常に携えているマシンガン。

最後は主人のラ・セーヌ共々鬼太郎のリコモン手(下駄)により焼き殺されてしまった。

アニメ6期ではラ・セーヌに代々仕えている人間の一族出身となっている。巨体に似合わぬ身軽さと俊足の持ち主で、ただの人間でありながら猫娘や鬼太郎に匹敵するほどの身体能力がある。ただし石動零には及ばない。

ラ・セーヌの忠実な下僕であり、戦闘では息の合った連携攻撃を使う。またラ・セーヌが窮地に陥ると身を挺して守るなど、心の底から忠誠を誓っている。

当初はラ・セーヌと共に鬼太郎を圧倒したが、復活を果たした鬼太郎には逆に圧倒され、『二度と日本には来ないから見逃してくれ』と鬼太郎に交渉を持ち掛ける。しかしラ・セーヌを零に倒されてしまい、激高して彼に殴りかかるが回し蹴りでのばされて、「主人を見殺しにした苦しみの中でのたうち、一生を過ごすがいい」と吐き捨てられた。

  • したがって第6期ではラ・セーヌのみが焼死した。

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