概要
日照りが続き、農作物の生育が危ぶまれるとき、神仏に降雨を祈願する行事。その方法も数十種類が現存する。
水や煙、鉦(かね)などがひろく用いられているが、それは水が降雨、煙が雨雲、鉦の音が雷鳴を象徴するからで、このことは、雨乞いが『似たものは似たものを生む』という類似の原理にもとづいた類感呪術であることを物語っている。
日本では他にも、百度参り、おしめり詣(千社詣)、百度垢離(ひゃくどこり)、山頂などでの雨乞踊やたき火(千把焚 / せんばたき)、水神(蛇とか鮫)が住むとされる水流や湖沼に動物(筒井功によれば、西日本で牛、東日本では馬。「牛鬼が出る」という伝承のある処はその儀礼場の跡地らしい)の内臓や遺骸など(中国では、「ヒツジの糞」を投げるところがある)を投げて水神を怒らせたり、雨降石などの岩石に祈る方法(中沢厚「つぶて」p225によれば、龍神の住む池へ石を投げ、ドラゴンをキレさせて雨を呼ぶ、川の中の石を集めるという儀礼があったらしい)などがある。
身近なものではてるてる坊主の頭を下にして吊るした「ふれふれ坊主」も雨乞いの一種といえよう。
和歌山県ではかつて、日照りが続くと、(書けない)が依頼に応じ、鉢巻を絞め、そこへ扇子を二本(牛の角っぽく)挿した姿で、牛の首(リアルの奴かレプリカ)を担いで、急流を渡り然るべき岩地へ、牛の頭を括り付けて振り返らずに帰る、という儀礼があったそうである。
雨に生活を依存するアフリカの牧畜民や農民のあいだでは、降雨をつかさどる雨乞い師の社会的地位が高い。ロベドゥ族(南アフリカ)の女王は、政治的な首長であると同時に、神から任命されて最高の位についた雨乞い師でもある。
萱野茂によれば、アイヌの間では、ホイヌサパと呼ばれる神の像(テンの頭骸骨)へ祈る。その際、アイヌの神様は溺れる者を愛でたまふので、(溺れるだけでいいらしい)生贄の人がちょっと水中でもがく儀礼がある(萱野さんがそういう生贄になったそうだけど『アイヌの民具』ではその後が書いて無い)。
別名・表記ゆれ
関連タグ
因幡の傘踊り … 因幡地方に伝わる伝統芸能。雨乞いの儀式が起源といわれている。
【祈雨の歌】 … pixivファンタジアⅣにおける、ユーザーによるイベント内イベント。
対義語
祈晴 雨止め 水止舞 雨遣らい 晴れ乞い / 晴乞い 日照り乞い
外部リンク
- 雨乞い(wikipedia)