概要
『月姫』シリーズの端々で語られる超存在であり、「真祖を作った存在」、「真祖の参考元(オリジナル)」、「TYPE-MOON」。
厳密に言えば真祖ではない。
吸血種であることは間違いないので、プライミッツ・マーダーやORTのように死徒でないにも関わらず死徒二十七祖として数えられている。
記事名、よみがな、概要において名称が一致していないのはTYPE-MOON作品によく見られる
いわゆる「きのこ語」のせいである。
彼のTYPE-MOONにおける正式な呼び名は「朱い月のブリュンスタッド」である。
「彼」と書いたが、ビジュアルノベル月姫におけるロアの言によると元々は男性人格であったらしい。
彼の呼び名の一つが上述のように「TYPE-MOON」であり、これがサークル名TYPE-MOONの由来となっている(この呼び名の詳細は鋼の大地を参照)。
容姿・性格
詳細不明。グランスルグ・ブラックモアやメレム・ソロモンに絶対の忠誠を誓われたりと、ある種の人望はあった模様。
時折、アルクェイドが朱い月のように振舞うことはあるが、それは「彼女の中の朱い月の可能性・側面」であって、オリジナルと同一視されるものではない。勘違いされがちだが彼女はあくまでアルクェイドであり、この「朱い月のブリュンスタッド」とは別人なのである。
人物・略歴
彼の目的を端的に言えば、地球を我が物とすることである。
元々自分の国であった月に自分以外の何物も存在しなくなったため、地球を自らの領地として掌握することを目指している。
名目としては「地球を真世界に戻す(詳細不明)」ことを目的としており、これには地球の意思(ガイア)も同意しているらしい。
地球を人類から守るための抑止力として自らをモデルとした生命体を作ることを提案し、地球はこれを受け入れ、朱い月を参考に「真祖」という地球の分身とも言うべき受肉した精霊を創りだした。
しかしこれは、いずれ己が地球(ガイア)・人類(アラヤ)双方の抑止力から廃絶対象になることを予見した朱い月が、「地球のシステムに即した後継者(器)」を創りださせるための方便であった(アルクェイドはその最有力候補である)。
他にも自らの器を創りだすため死徒二十七祖を筆頭に試行錯誤を繰り返していたが、
魔導元帥ゼルレッチに戦いを挑まれ、これに応戦するも魔法に対する不勉強から滅ぼされた。
人間関係
キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ
『気に入らない』という理由で彼に殲滅される。死闘を繰り広げたが、魔法に対する不勉強さから敗北したとされる。しかし、血を吸って死徒化させるという形で一矢報いている。これにより、若々しかったゼルレッチの肉体は老化が進み、その力を衰えさせてしまった。
アルクェイド・ブリュンスタッド
自らの死を予見し、ガイアやアラヤの干渉を受けない器を得るために創造した後継者の一人。真祖にして、最も色濃く朱い月の性質を受け継いでおり、真の後継者として目されている。
アルトルージュ・ブリュンスタッド
アルクェイドと同じく後継者として創造した。失敗作とされており、真祖と死徒の混血なんだとか。
トラフィム・オーテンロッゼ
最初の従者として朱い月に仕えた。あくまでオリジナルの朱い月にのみ忠誠を示しており、アルトルージュはおろかアルクェイドですら後継者とは認めていない。
グランスルグ・ブラックモア、メレム・ソロモン
何れも死徒化する以前に朱い月に戦いを挑まれて敗北し、そのまま従者となった。朱い月に絶対の忠誠を誓うと同時に、後継者たるアルクェイドにも恭順の意を示している。
ネロ・カオス、ミハイル・ロア・バルダムヨォン、ワラキアの夜
真祖アルクェイドとして登場した際に粗悪な祖など我が前に現れるなと語っている。
能力
形態こそ人間と同じような姿をしているが、桁外れの力を持った生命体。
切り札とされる「月落とし」は、文字通り月を相手へと向けて叩き落すという、特撮やアメコミじみた荒技(ただし本物の月とは言われていない)であるらしいが、宝石剣を駆るゼルレッチには跳ね返されたらしい。
「鋼の大地」に登場する際には魔剣「リアル・オブ・ザ・ワールド(真世界)」を持つ。
最高位である「虹」ランクの魔眼を保有する。七色に偏色する神域の魔眼。
MBAACCにおける朱い月
まさかのアーケードモード実装だが、キャラ選択画面や対戦画面をよく見ると名前欄に「ARCHETYPE:EARTH」と表記されている(MBAAも同様である)。
これは アルクェイドが「地球のアルテミット・ワン」のアーキタイプ(雛型)であること、即ち朱い月の器であることを示している。
初期の登場ではコンパチブルのアルクェイド的なものだったが、その後のバージョンアップにより朱い月本来のコスチュームで参戦。
性能
特殊技でゲージを消費する変わりに滞空し続ける事が可能なことが最大の特徴。加えて通常技はいずれもリーチが長く、必殺技も最大画面半分程度まで届く下段技でヒットすればコンボ移行できる「なみ」、EXエッジ版が非常に発生が早く空中ならどこでも出せる高性能の差し込み技「といき」、CH限定だが対空に使える上にそのまま高性能な設置技としても機能する「かぜ」など、中~遠距離においては圧倒的な制圧力を持つ。
リーチが長い分技の喰らい判定も大きめだが、空中にいるときのドレスには喰らい判定はなく、実質他のキャラと喰らい判定の大きさはほぼ変らないというのも強み。また、歩きの移動速度が非常に早いため微細な距離調節もしやすく、無敵付きで近距離の切り返し技として使える昇竜コマンドの「とり」も備えるなど隙が無い。
さらにロック技でヒット時にサーキットブレイク+起き攻めまでついてくる高性能AD・AADまで持つという文字通りの万能キャラ。キャラランクにおいてもCロアと並んで最上位に位置する、いわゆる最強キャラの一体である。
一方前述の滞空システムやジャンプがとてもゆっくりしている点、コンボが独特な点から癖が強く、根性値も低いことから一度相手の流れに飲まれると一瞬で体力が溶けることもしばしば。扱いの難しさから初心者向きではなく、動かせるようになるにはある程度やりこみが必要とされる。