痴漢は犯罪です。
曖昧さ回避
現在では1の意味は死語になりつつあり、仮に2に類する犯罪を女性が行ったとしても「痴女」ではなく「痴漢」と呼ばれる。
痴漢について
公共の場所における猥褻行為。刑法や自治体の迷惑防止条例で罰せられる犯罪行為である。
特に電車やバスの車内で男性が女性の身体を触る行為を指して言われる。ラッシュ時など特に混雑した車内が狙われやすく、駅間の運転時間が比較的長い区間はその巣窟と化していた(こことか)。「女性専用車両」が導入された理由の一つともなった。
日本は強姦などの性犯罪が比較的少ない国と言われるが痴漢に関しては非常に多く(後述)、日本に特有の犯罪とする見解もあるが、実際には海外でも存在する犯罪である。
欧米では犯罪と認識されていなかった時期が長く、近年まであまり報告されていなかったが実際には19世紀ころから存在していたことが明らかになっており、2000年代ころからアメリカ、イギリス、フランスなどでも多くの女性が痴漢被害を受けている(いた)ことが明らかにされつつある。ニューヨークの地下鉄では痴漢が常態化しており、しかも増加傾向にあるという。ロンドンでも若い女性の4割以上が、公共の場で「痴漢行為」にあった経験を持つとの統計結果が発表されている。エジプトでは映画『678』のような告発作品もある。インドでも少年3人による姉妹への痴漢行為、そして抵抗する二人へのさらなる暴行のニュース等が報道されている。南米ペルーでも著名な女優マガリー・ソリエルが痴漢被害を告発した際に、各所から同様な体験談が寄せられている。
規範や道徳に逸脱する者はあらゆる社会におり、やりやすい条件が揃えばどんな場所でも犯罪は発生してしまう。ここで詳細は記述しないが、痴漢は被害者に欝やトラウマの症状ももたらす犯罪である。
痴漢には法的な定義はないが、痴漢の現行犯は迷惑防止条例違反または刑法の強制わいせつ罪で逮捕される。なお性行為にまで及んだ場合には、強姦罪(準強姦罪)が成立する。
上記のように男性が女性の身体を触る行為を指して言われることが多いが、少年や中高年の女性が痴漢の被害を受けることもある。被害者が男性であったり、加害者が女性であっても痴漢である。
加害者に課せられる社会的制裁も重く、職場を懲戒解雇されてしまうことが一般的。何度も逮捕されているような悪質なケースでは実刑判決を食らう場合もある。それにもかかわらず痴漢をやめられない常習者も多く、(留置所や刑務所に入っていた期間を除くと)ほとんど毎日、不特定多数の女性を触っていたという加害者もいる。つまり、ごく少数の男性が非常に多数の女性に対して加害を繰り返していることになる。近年は痴漢加害者のこのような特徴を性依存症と捉えて、治療的アプローチが試みられている。
把握されている発生件数
平成23年に発表された警視庁の報告書(参考)によると、平成17年度から平成21年度までで毎年約3800件~約4700件の痴漢事件が全国で発生している。
これはあくまで届出があったものの数であり、報告書でも言われているように被害者が申告できなかったために表に出なかった事件もあると予想される。
犯罪の性質上、大半が公共交通機関で発生しているため田舎では少ないが、都会では痴漢の被害を受けた経験がある女性は非常に多いため、この項目を見ている人自身、あるいはその家族・親戚や友人・知人に痴漢被害経験者がいることは十分に考えられる。
冤罪による問題
1990年末より痴漢の取締りが厳しく強化される事になったが、逆にその分、痴漢の冤罪事件も大幅に増加してしまうという現象も認められている(痴漢冤罪も参照)。中には、痴漢被害者の立場を利用する形で、多額の賠償金支払いを強要する"被害申告常習者”のケースも判明しているという。
「痴漢事件では、いったん起訴されれば疑いを晴らすのはほぼ不可能」という認識は広く知られており、たとえ疑いが晴れても、いったん失われた社会的信頼を取り戻すのは困難である。こうして、痴漢の疑いを掛けられてしまった人間が無理な逃亡を図る事件が多発しており、線路上へ飛び込んで、そのまま電車に跳ねられて死亡してしまう事さえある。なお、痴漢容疑者が線路上に逃亡を図った場合は鉄道営業法違反及び威力業務妨害容疑としてさらに重い罪に問われる。
このため、警察も痴漢事件に関しては慎重になり、被害者に現場の様子を再演させるなど、トラウマをほじくりだすような捜査をせざるを得なくなり、二次被害(セカンドレイプ、セカンドハラスメント)を拡大させてしまっている。
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チカン(表記ゆれ)