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痴漢の編集履歴

2024-03-03 11:31:13 バージョン

痴漢

ちかん

性暴力の一つ。法的には刑法第176条の「不同意わいせつ罪」などが適用される。

痴漢は犯罪です。


曖昧さ回避

  1. 愚かな男性に対する蔑称。「痴女」の男性版。
  2. 公共の場所における性犯罪。

現在では1.の意味は死語になりつつあり、仮に2.に類する犯罪を女性が行ったとしても「痴女」ではなく「女性の痴漢」と呼ばれる。


概要

公共の場所におけるわいせつ行為。刑法や自治体の迷惑防止条例で罰せられる軽微な犯罪行為である。


特に電車バスの車内で男性女性身体を触る行為を指して言われる。ラッシュ時など特に混雑した車内が狙われやすく、駅間の運転時間が比較的長い区間はその巣窟と化していた(こことか)。「女性専用車両」が導入された理由の一つともなった。


日本は性犯罪が比較的少ない国と言われるが痴漢に関しては非常に多く、かつては日本人に特有の犯罪とする見解もあった。これは後に誤りであったことが判明している。

なお、それを受けて痴漢「程度」で済ませることは日本人なりの優しさであるといった対抗言説も生まれているが、流石に思い上がり甚だしいと言わざるを得ない。


欧米では犯罪と認識されていなかった時期が長く、近年まであまり報告されていなかったが実際には「公共空間での性的嫌がらせ」と呼ばれる形で19世紀ころから存在していたことが明らかになっている(Franceの痴漢事情)。平安時代の絵巻物『伴大納言絵詞』には火事場の群衆の中、女性の背後で不審な動きをする男の姿が描かれている(ウィキペディア日本語版「痴漢」の「犯行の手口」の節)。19世紀や平安時代、というのはあくまで史料上参照できるという事であって、性的な犯罪(強姦や覗き)そのものが神話にも登場する程に古代から存在することを考えれば、古代や中世であろうと、群衆が集まり、揉みくちゃになるような状況や、第三者の目が届かない状況において、相当数の痴漢犯罪が発生していた事は想像に難くない。


2000年代ころからアメリカイギリスフランスなどでも多くの女性が痴漢被害を受けている(いた)ことが明らかにされつつある。ニューヨーク地下鉄では痴漢が常態化しており、しかも増加傾向にあるという。ロンドンでも若い女性の4割以上が、公共の場で「痴漢行為」にあった経験を持つとの統計結果が発表されている。エジプトでは映画『678』のような告発作品もある(アジアを知るーエジプト映画『678』から)。

南米ペルーでも著名な女優マガリー・ソリエルが痴漢被害を告発した際に、各所から同様な体験談が寄せられている(ペルー:有名女優がバスで痴漢に。その波紋とは?)。インドに至っては抵抗したところ車掌などが「加害者側に」加勢して激しいリンチに発展し、最終的に走行中の車外に投げ落とされて殺されるといった事件が度々発生しており、深刻な社会問題となっている(バスで痴漢された16歳少女、車外に放り出され死亡 インド)。


規範や道徳に逸脱する者は、あるいは自己欺瞞によりそうとすら認識しない者は、あらゆる社会におり、やりやすい条件が揃えばどんな場所でも犯罪は発生してしまう。

自己欺瞞の例として仕事のご褒美として痴漢すると手帳に正の字を書いて数えていた犯人、妻帯者の痴漢常習者が妻子が性被害に遭ったら相手の男を殺しに行く、と発言した例がある(「男が痴漢になる理由」なぜ女性も知っておくべきなのか。満員電車でくり返される性暴力)。


確かに痴漢は、強姦殺人放火傷害と比べれば、刑法に則っても、社会的道徳の観点から見ても軽犯罪ではある。然し、どんなに軽い犯罪であろうと、被害者を苦しめる悪質な行為であることに変わりはない。我々は苦しんでいる被害者の心に寄り添うとともに、『二度とやってはならないこと』を加害者に痛感させねばならない。


上記のように男性が若い女性、少女の身体を触る行為を指して言われることが多いが、少年や中高年の女性が痴漢の被害を受けることもある。被害者が男性であったり、加害者が女性であっても痴漢である

なお、女性の被害ばかりが問題視されがちだが、女性だけでなく男性も恥部を触られると、屈辱や恐怖を感じる。痴漢は男性の心も傷つける卑劣な犯罪行為なのである。そのため、我々は男性の被害者の存在を知り、男性の被害者を救う手筈も整えなければならないのだが、女性被害者すら満足に救えていない現代社会では難しいと言わざるを得ない。


後述する立証の難しさもあり、初犯ならば示談を促されるが、それも何度も逮捕されているような悪質な加害者には適用されなくなる。比例して社会的制裁も重くなり、職場を懲戒解雇されることも珍しくなくなる。

にもかかわらず痴漢をやめられない常習者も多く、(留置所や刑務所に入っていた期間を除くと)ほとんど毎日、不特定多数の女性を触っていたという加害者もいる。つまり、ごく少数の男性が非常に多数の女性に対して加害を繰り返していることになる。近年は痴漢加害者のこのような特徴を依存症の一種と捉えて治療するアプローチが試みられている(10年間で500人を治療してわかった「痴漢」を取り巻く問題)。

実際に、男性常習犯に関しては「犯行中に勃起していないケースが多数有る」「一度やめて以降に再発するに到る経緯や再発防止策などに関して違法薬物の中毒に類似点が多い」など、依存症あるいはチキンレース的なゲーム感覚を併せ持つ傾向が認められる。

つまり、性欲を十分に解消出来るような状況・環境にある者でも、周囲から「まさかあの人が」と思われるような人でも、痴漢常習犯になる可能性は有り得るのだ。


近年では監視カメラの設置など対策も進むが、加害者側も巧妙に死角を探り出したり、徒党を組んで意図的に視界を遮る役割を用意したりといたちごっこになっている感は否めない。SNSの悪用も問題視されている(「共通テスト当日は痴漢チャンスデー」受験生の弱みつけこみ“痴漢あおる書き込み”相次ぐ…警視庁が警戒強化)。


把握されている発生件数

平成23年に発表された警視庁の報告書(電車内の痴漢防止に係る研究会の報告書について)によると、平成17年度から平成21年度までで毎年約3800件~約4700件の痴漢事件が全国で発生している。

これはあくまで届出があったものの数であり、報告書でも言われているように被害者が申告できなかったために表に出なかった事件もあると予想される。


犯罪の性質上、不特定多数に紛れて行われること多いため、人の絶対数が多い都会のほうが発生しやすくなる傾向がある。が、犯行自体はどこでも可能である、むしろ目撃者が少ないほうが好都合と考える者もいるという点には留意しなければならない。

実際、神奈川県警などは空いた車内で不自然に近づく者への警戒を訴えており(【痴漢対策②】)千葉県警は自宅マンションのエレベーターへの注意喚起をしている(女性の安全対策)。公共交通機関とは無縁な地域にも「痴漢注意」の看板は立っている。もしこの記事を見た人で被害に遭った事の無い人がいても、その人の家族・親戚や友人・知人に痴漢被害経験者がいることは十分に考えられる。


なお、実は刑法には「痴漢罪」などという罪はなく、ほんの少しの状況の違いで罪名が「迷惑防止条例違反」「不同意わいせつ」のいずれかになるので、集計そのものが困難である。

これは、「自転車泥棒」などの件数の集計が難しい(ほんの少しの状況の違いで、罪名が単なる窃盗になったり強盗扱いされたりする)ことに似ている。


バックラッシュ

警察は1990年代より痴漢の取締りを強化するようになった(逆に言えば、それ以前は警察すら犯罪と認識していないこともザラにあった)が、当時はまだ自白偏重の捜査が横行していた時期でもあり、多くの冤罪を出すことにもなってしまった。

特に鉄道では、担当案件の限られる鉄道警察隊が一種の「点数稼ぎ」として過剰な取締りに乗り出した節もあり、一部で強い反発や不信感を生むこととなった。元々性犯罪自体が水掛け論になりやすい上、女性の加害者・男性の被害者がいると言っても有意な男女差が生じている現実があることから、一種の男女対立にも繋がっていった。

2000年代に入り増加した「女性専用車」も男性への逆差別と捉えられ、抗議として意図的に乗り込む男性も現れた。痴漢対策グッズの製造・販売に関わっただけで炎上クレームが殺到した企業もある。


その様子は痴漢冤罪として一つの概念を成すまでになった。日本では伝統的に警察への信頼が高い傾向があり、それを覆した破壊者としてもヘイトが向けられた。

詳細は「痴漢冤罪」の項に譲るが、実際に示談金賠償金を目的として訴えを起こしたケース(実質的な美人局)も発生し、疑いの目はますます厳しくなった。


これを受けて警察も対応を変え、一転して被害届の受理を渋るようになるなど被害者側に厳しくあたるようになってきている。被害者に現場の様子を再演させるなど、トラウマをほじくりだすような捜査も増加し、二次被害(セカンドレイプ、セカンドハラスメント)を拡大させてしまっている(警視庁作成「痴漢捜査マニュアル」その全容)。


微物検査、繊維鑑定

ここ20年ほどの間に捜査手法も進歩しており「微物検査」「繊維鑑定」というものが普及している。被疑者の手に被害者の服や下着の繊維がついているかを調べる、というもの。次のインタビューよると「被害状況の再現」と関わっており、「被害者の証言がブレたり、触った腕などを視認していなければ」実施されると記されている(【緊急取材】痴漢疑われた男性死亡~刑事に聞く、痴漢捜査の裏側)。

なお、このインタビューに答えた警察官は「やっていないのに疑われた場合、やっていないことが立証されたら損害賠償を求めて提訴する」とインタビュアーに告げている。これは詐欺目的の悪意などでは全く無い、純粋な誤認でもそうする、とも受け取れ、結果として告発を抑止してしまう論理である。


編集時点でこの点について警察関係機関による公式見解は出されていないようであり、どこまでが警察としての方針なのか、そもそも統一の方針があるのかを窺い知ることはできない。


もっとも、被害者による体験談を聞く限り、同様の考えを持つ警察官は少なくないようであり、「痴漢冤罪」を取り巻く状況の厳しさが察せられる(痴漢を捕まえた被害女性の投稿に反響 「これは苦痛」「心身の負担が大きい」の声)。もちろん個人差や地域差はある(痴漢被害とその顛末)。

そもそも検査をしない、しても意味が無かったという声もある(微物検査(繊維鑑定)は証拠にはならないらしい)。ちなみに同サイトは一般的に男性の利用が多く、コメント欄での反論を始め彼らが何を恐れ怒りを抱くのかを知ることもできる。

他方で加害者や冤罪被害者にも検査の実効性を疑う者はおり、どの側面から見ても警察への信頼が回復したとは言い難いのが実情である。


逃げるが勝ち?

元々ネットでは「痴漢は疑われた時点で終わり」「駅員なども信用できない」「死んでも逃げるしかない」といったことがまことしやかに語られてきたのだが、2010年代半ばになると現役の弁護士の中からもそれに同調する者が現れ始め、一部はバラエティ番組などに取り上げられて広く拡散した。

これを受けて実際に線路などに飛び降りて逃亡を図るという者が続出。運行に多大な影響を与えるようになったばかりか、その過程での事故も発生するという新たな問題が生じた。


被害範囲が従来の比ではなくなったことで痴漢に対する風当たりが再び厳しくなった一方、いよいよ冤罪が取り返しの付かないことになってきたと反発もより強固になった。

たとえ真犯人であったとしても、ここまで追い詰めるのはいかがなものか、周囲が被る二次被害の大きさと釣り合わないとして、被害者側に泣き寝入りを迫る意見も出てきた。


その是非や真偽はともかく、実際に鉄道などを止めた時点で「鉄道営業法違反」や「威力業務妨害」というより重い罪での捜査が始まるということは覚えておいてほしい(痴漢疑われたら「逃げろ」は正解? 「線路逃走男」で議論再燃)。

もちろん賠償額も痴漢の比ではなくなる。


なお、これ以降弁護士界では痴漢案件が一種のドル箱として認知された節があり、「逃げるくらいなら私に相談を」といった露骨な営業をかける者まで出てきている。

冤罪のみならず、実行犯に対して減刑や示談に持ち込む手腕をアピールしている者もまた多い。学生も当たり前にいる被害者側と、役職や妻子持ちも珍しくない加害者側と、どちらの金払いが良いかという勘定もあるのだろう。

仮に被害相談を行おうとして訪れた場合にはメンタルを一層削られることになりかねないので、専用の相談窓口等を介した紹介を受けることをお勧めする。


ネットスラングとしての「痴漢」

ゲーマーを中心に、MicrosoftXBOXシリーズのファンをこう呼んでいることがある。

これは同ハードの発売日に『凌辱痴漢地獄』というあんまりにもあんまりなエロゲ(これ自体はPCソフト)を一緒に買っていた客がいたという話が広まったことに由来している。


また「信者衛門」と呼ばれる一群がこう言い換えられることもある。

これは「誰にでも荒らしアンチ行為を行うようでいながら、明らかに反撃してこなさそうな女性の配信者実況者を選り好みしている」様が痴漢に通ずるとされたため。

彼らが信奉する配信者・実況者自体が含められる場合もある。


関連タグ

チカン(表記ゆれ)

性犯罪 変態 痴女 痴漢撃退法

痴漢冤罪 逆痴漢 痴漢プレイ

スリ:痴漢と思ったらこの被害に遭ったパターンもあり。


外部リンク

警視庁「痴漢被害相談」

警視庁「性犯罪から身を守る」

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