高等専門学校

こうとうせんもんがっこう

『高等専門学校』は戦後、後期中等教育段階を包含する5年制（商船に関する学科は5年6か月）の高等教育機関と位置付けられている日本の学校の事。一般に「高専」（こうせん）と略される。

この教育機関は学校の一種であり、高等学校の過程および専門学校( 職業人を育成するための実践の重視する学校である専修学校 )が一体となったものである。

高等専門学校とは？

　この学校は学校教育法一条に定められたものであり、入学資格は中学校卒業あるいは中等教育学校の前期過程を終了したもの、とある。

　通常5年制であるが、商船関連の学校に関しては航海実習が必須科目として存在し、6ヶ月延長される。なお、この学校は高等学校とは異なり高等教育機関としてみなされる。

学校教育法上の一条校として制度が誕生したのは1961年（昭和36年）であるが、2018年（平成30年）4月1日現在、高等専門学校は57校あり、設置者別の内訳は、国立51校、公立3校、私立3校である。

都道府県には、国公立・私立を含め、最低でも1校ないし複数の高専が設置されているが、大学に改組したり、改称・再編・統合されたた学校もある。また埼玉県・神奈川県・山梨県・滋賀県・佐賀県の5県は高専が設置されていない。

多くが「工業高等専門学校」、5校が「商船高等専門学校」であるが、かつては「電波工業高等専門学校」も3校あった。（すべて工業高等専門学校に統合。商船高専も1校が統合。）

　カリキュラムは高等学校や専門学校よりも厳しく、留年および退学が多いといわれる。また3年終了時点で大学入学資格が発生する（ただし受験面で他の学校卒業者よりも不利となる）。カリキュラムの関係上高等学校等他学校からの編入も困難ではあるが可能である。

高専を卒業すると準学士を名乗ることができ、（短期大学の場合現代では短期大学士を取得し、以前準学士を取得した人も同様の扱いとなる）2年の専修科を経て学士号を取得したり、大学3年生として大学に進学することもできる。

また高専の第3学年を修了または修了見込みの者には高校卒相当の資格が与えられ、大学（短期大学を含む）や専門学校（専修学校専門課程）を受験することができるが文系への転向はハードルが高い。

また、就職においては即戦力として人気である。

運動部は高校や大学に準じるクラブ活動を行なっていて、年1回に全運動部の競技種目を対象に全国高等専門学校体育大会（高専大会）が実施される。

また競技によっては、任意で高校（3年時まで）や大学（4・5年時）の大会に出場することも可能。

（プロ野球のドラフト会議においては高専3年生の選手をドラフト指名した場合、3年制高校を卒業した選手と同等の扱いとなる。かつてプロ野球ドラフトに3年時で指名された選手もいた。）

また、最近ではNHK主催の「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト」等のロボットコンテスト（略して「ロボコン」）、全国高等専門学校連合会の主催で「全国高等専門学校プログラミングコンテスト」「全国高等専門学校デザインコンペティション」に参加して取り組む学校もある。