「新年おめでとう。今年こそ、裏切り者は殺す。デストロンを代表して、ヨロイ元帥。」
「断言できる・・・奴こそ最も卑怯で、最も残忍な幹部だったと!」(結城丈二)
概要
ツバサ大僧正亡き後登場した、ヨロイ一族の長にしてデストロン最後の大幹部。演者は大野剣友会の中村文弥氏。
全身を赤銅色の全身甲冑で包み、右手は鉄球のようになっている。設定では兜からレーザーを放つことが可能で、旅客機すら一撃で撃墜できるほどの威力と射程を誇るとか(特撮では使用されなかったが、山田ゴロ氏の漫画では使っていた)。
設定ではモンゴル帝国のチンギス・ハンの血を引く男。虐殺を好み、死者の血を見ないと眠れない。その鎧は元は銀色であり、敵を撲殺した返り血で赤く染まっている。
怪力の持ち主で、蹴り一発で高層ビルをも破壊できるらしい。
独特の口調で、デストロンのことを「デーストロン」と呼称している。
V3とライダーマンを真空の部屋に閉じ込めて能力を奪ったり、V3のパワーを奪う粉末の罠に閉じ込めて作戦妨害を阻んだりと、効果的な作戦を幾つも展開しているが、その悪辣さは歴代ライダーシリーズの大幹部の中でもトップクラスであり、風見志郎の親友を改造して刺客・ガルマジロンとして差し向けたり、わざと年賀状に住所を書いておびき寄せたライダーマンを捕えた上で、偽物のデストロンライダーマンを送り込んで少年仮面ライダー隊を壊滅させようとするなど、手口が凝っており、かつあくどい。
「結果が全て」を信条としているが、首領に対する忠誠というより、我が身の保身と組織内部での出世を重要視する小物的な部分があり、結城丈二が大幹部候補に挙げられ、自分の地位を脅かしそうになった際には、彼に反乱の濡れ衣を着せて抹殺を目論んだ(しかも硫酸のプールでじわじわと溶かすという残虐な手段)。
だが、結城の助手達の手助けにより姦計は失敗し、脱走した結城は復讐の鬼・ライダーマンに変身。仮面ライダーV3同様、デストロンにとって最大の敵を生み出してしまう事になってしまった。(前述のセリフは、後年結城丈二が立花藤兵衛からヨロイ元帥について聞かれたときの言葉である)
最後は正体であるザリガーナに変身して、V3と激闘を繰り広げたが、V3フル回転キックに敗北して元の姿に戻る(戦死したライダーマンへの思いやV3フルパワーという奥の手を使ったV3に手も足も出なかったというのが実態)。
命からがら逃げだしたヨロイ元帥は、アジトに逃げ帰り「首領! 私を見捨てないでくれぇ!!」と命乞いしたが、自らの隠れ場所の真ん前でそんな情けない姿を晒してしまった首領にとっては迷惑でしかなく「未練者(ゲーム版では未熟者)め! お前はもう役に立たん!」と見限られてしまい、通信機から放たれたレーザーで処刑されるという、数多の卑劣な所業の報いに相応しい無残で無様な最期を遂げた。
なお、『新仮面ライダーSPIRITS』の設定によれば、(おそらく)大首領直々の命を受け、結城丈二をデストロンにスカウトしに来た人物こそが彼であり、その際に人間態(といっても黒いスーツにティンガロハットを目深に被ったいかにも怪しい姿だったが…)の姿を披露している。
表面上は紳士的な口調で結城丈二を称賛していたが、去り際に「弱い」「気に食わん」と唾棄する等、この時から結城丈二を毛嫌いしていた模様。
その後の再登場
『仮面ライダーspirits』では、生前に作った自身のクローンが登場。完全に人間の体形を捨てて戦闘に特化した、怪人というよりもはや巨大な甲殻類の怪獣とでもいうべき姿をしていた。
プルトンロケットの爆発で死んだと思われていたが記憶喪失になりタヒチへ流れ着いていた結城丈二を追跡し、オリジナルをも凌駕する戦闘能力で追い詰めたものの敗北。
後にバダンによって魂のない状態でオリジナルが蘇生されたが、仮面ライダーZXによりキバ男爵&ツバサ大僧正共々粉砕される。
S.I.CHEROSAGAでは、『SPIRITS』と似たシチュエーションで、タヒチで戦うライダーマンの助っ人に現れたV3に成りすましたデストロンライダーとしてライダーマンを襲い、人質を取るという相変わらず卑怯な手段を尽くすが、仮面ライダーXを生み出した神啓太郎教授によって全身改造を受けたライダーマンが装備した、左手のパワーアームの一撃で敗れている(おそらく映画『5人ライダー対キングダーク』で、なぜか左手にパワーアームを装備しているライダーマンへのオマージュ)。