概要
「フランス」の大袈裟な呼び方。
この言葉を聞くと、フランスの都会的・おしゃれ的・貴族的イメージが極限まで増幅される。
……具体的には、マリー・アントワネットがロココ調の宮殿の中で「パンがなければお菓子をお食べおほほほほ」とか笑っているようなシチュエーションである。
「おそ松くん」の登場人物であるイヤミが、フランス帰りを自称して、フランスを「おフランス」と呼んでいたのが、この呼び方の起源と思われる。
ただし、具体的な「おフランス」のイメージは、ほとんどが「ベルサイユのばら」に由来するものだろう。
余談
バブル期にはフランスのブランド品を現地に行って買い漁るなど、現代の中国人などによる「爆買い」に似たようなことをやっているなど、少なくとも昭和年間の間はフランス・パリは日本人にとって特別な海外の土地であった。
しかしそれから更に30年。2018年に放送された「おそ松さん」第2期23話Cパート「悩むイヤミさん」では「花の都パリに憧れてたなんていつの時代ザンスか。今ニュースで見るフランスなんて政治経済移民てんやわんやで大変ザンス」というメタ台詞が登場するように、この言葉が生まれた当時と、21世紀の我々が持つフランスのイメージは大きく異なる。
この放送から約半年後にはかの大物が逮捕される事態が発生し、日仏両国に跨る大問題となるが、皮肉にもこの言葉通りの形でフランスという国がクローズアップされる結果となった。
「おフランス」のイメージは、まだ日本人にとって海外旅行に満足にいけなかった(海外旅行そのものが1966年まで制限状態にあったし、当然当時の日本は高度経済成長が始まって間もなく経済的にもまだまだ総じて貧しかった)時代にアメリカなどと並ぶ「憧れ」の象徴であり、それ故に現代の感覚と似合わなくなっているとも言える。