夜襲のリュカオーン
やしゅうのりゅかおーん
『シャングリラ・フロンティア』に登場する「七つの最強種」の別名を持つユニークモンスターと呼ばれるそれぞれ一体しか存在しない超レアモンスターの一体。ちなみに、性別は雌。
『夜襲』の二つ名通り、ゲーム内時間における夜間にしか現れず、漆黒の巨大な狼の姿をしており、巨体に似合わぬスピードと、巨体に違わぬパワーによってプレイヤーを叩き潰す。
なお「夜に襲って来る」から夜襲ではなく、「夜が襲って来る」と称される程の「闇に紛れた不可視の襲撃能力」から夜襲であり、月光が雲に遮られていたり、新月だったりして光がないと全く視認不能と化す。
圧倒的な強さでプレイヤーを叩き潰すが、その戦闘中特定の条件を達成したプレイヤーに対して『呪い(マーキング)』と呼ばれる効果をプレイヤーに付与する、この呪いは更にある条件を満たすことで更にパワーアップする。
主人公であるサンラクが最初に出会ったユニークモンスターであり、その撃破を当面の目的としている。
主にゲーム開始地点の大陸(旧大陸)に出現する。他と隔絶する実力を持ちながらもエリアを徘徊しており、プレイヤーを見つけては理不尽レベルの実力で叩き潰していく。(ユニークモンスターの性質上、エンカウントするだけで莫大な経験値が貰えるため、悪い事ばかりではない。)
比較的プレイヤーが遭遇しやすいため、サンラクが『シャンフロ』を始めた時点ではもっとも有名なユニークモンスターの一体だった。
サイガ-100はまだ駆け出しの頃に遭遇し蹂躙されたが、その理不尽の権化ともいえる生態に惹かれ、リュカオーン打倒を目的とするクランである『黒狼(ヴォルフシュバルツ)』を結成し、そのモチベーションのままシャンフロ随一のトッププレイヤーとなっている。その後も、幾度となく挑んでいるものの、攻略の糸口すら掴めないまま一蹴されているが、それでも諦める事無く執念を燃やしている。(なお、彼女の苦戦は『黒狼』の内部分裂に邪魔されたせいで、ベストなコンディション・メンバーで挑戦できなかった事も大きいため、それを知ったサンラクも同情している。)
現状、かなり謎に包まれたモンスターであり、七つの最強種はリュカオーン以外は何らかの形で人間と言語的にコミュニケーションを取るのだが、リュカオーンだけはそれが無く、狼の外見のままプレイヤーに襲い掛かるのみである。
……だが、プレイヤーの言葉を理解していると思わしき態度をとっており、サンラクの挑発に笑ったり、敢えて策に乗って弱ったフリをするなどプレイヤーを騙し討ちする戦法を取ったり、戦闘中でも遠くで観戦しているプレイヤーと次に戦う前提で技の性質を隠したり偽るなどして立ち回ったりと、かなり狡猾な性格をしている。
サンラク曰く「こいつを作った開発は絶対に性格が悪い」(通常ボスでも同じ感想を漏らした事がある当たり、紛れもない事実なので否定しようもない)。
七つの最強種はそれぞれが固有の呪いを持っており、いずれも強力なデメリットと中々のメリットを伴っている。
「リュカオーンの呪い」はアバターに牙の痕の様な痣が付く形で付与される。
要するにリュカオーンからの「遊んで楽しいオモチャ」認定である。青田買いともいう。
呪いを解く方法は大きく分けて二つあり、一つはNPC「慈愛の聖女イリステラ」に呪いを解いてもらう事で、サイガ-0は過去に呪いを受けたがデメリットが致命的なためこの方法で解呪した。もう一つは呪いをかけた存在を倒す事であるが、実質的に無理ゲーなのは言うまでもない。
部位一箇所に呪いを受けたプレイヤーならそれなりに数がいるため、無断で撮られたサンラクのスクショが掲示板に上げられた一件では、即座に特定されている。
「リュカオーンの呪い」はある条件を達成すると、さらに強力な『刻傷』へとバージョンアップする。
効果一覧
- 呪いをかけられた部位に装備を付けることができなくなる
最強種の呪いに共通した効果1。
流石に剣や槍と言った武器が使えなくなるわけではないが、防具、そして衣装の装着はほぼ出来なくなる。
特にサンラクは、両脚と胴にこの呪いがつけられたことで、腰布以外の服を装備する事ができなくなった為、覆面を付けた半裸という形でしかゲームをプレイすることができなくなっており、このこともあってサンラクはリュカオーン打倒に熱意を燃やしている。
尚、『シャンフロ』には服飾系のアクセサリーも存在しており、そちらは問題なく装備できるがアクセサリーの枠を食うという欠点があるし、それ自体がレアな模様。(秋津茜は天覇のジークヴルムによって頭に呪いを受けているが、狐の面というアクセサリーを装備する場面と、サンラクからそれを指摘され説明する場面がある。)
- NPCの対応に補正がかかる
最強種の呪いに共通した効果2。ただし反応は最強種毎に異なる。
簡単に言うと、NPCにとってはラオウとかケンシロウの様な存在に見えてしまうようで、背後にリュカオーンそっくりの黒狼のオーラを纏っているように見える描写があり、普通の村人などは呪いをかけられたプレイヤーを避けるようになる。
- バフ/デバフ無効並びに呪いに強耐性
最強種の呪いに共通した効果3。
該当部位並びに付与されているキャラクターを対象とする他者からの補助を無効化してしまう。
自身のスキルは流石に無効化されず、他者からも部位指定のバフを呪われていない部位にかけることで効果は発揮する。また、呪いを上回る強い効果ならば、耐性を貫通して付与する事が可能。
デバフ無効と呪い耐性はメリットになり、それを主体とする敵相手に有利に立ち回れる他、呪い耐性によりシナリオフラグを生み出すことも。
瘴気なども呪い判定なので、呪い付きの者に触れていると影響から逃れられる。
- 呪いをかけられたプレイヤーよりも低いレベルのモンスターはプレイヤーから逃亡する
これはリュカオーン独自の効果と思われる。
ある意味では恩恵であり、雑魚除けにより道中での消耗を避けたり、邪魔の無い快適な探索を行ったりできる。
一方でレベリングや素材集めをする際は、高レベルモンスターを相手取るか、逃げ道を塞ぐなどの対策が必要となるため、装備制限も相まって修羅の道を強制される。
街中のNPCにもレベルが設定されており、軽くパニックになるので騒ぎになりやすく、施設を利用しづらくなるという欠点も。
ある条件を満たす事でバージョンアップした呪い。
玩具認定であるため割と気軽に配っていた呪いと異なり、自身と戦う資格のある敵の証。
対象の魂に刻まれているため、聖女の力を以てしても一時的な封印しかできず、本体を倒す事でしか解呪できない。
サンラクが「服を着させろ」と文句を言ったため、それを歪んだ形で叶えるように設定された。
効果一覧
- 呪いをかけられた部位に装備を付けられるが、累計3分着けると瞬時に破壊され消失する
リュカオーンはサンラクに服の着用を許したが、鍛冶師泣かせの仕様にグレードアップ。しかも、カウントは装備品を外してもリセットされないので、2分59秒装備した後に再度装備すると1秒で爆散する。
サンラクは当初「なんだ着れるようになるのか!なら別に呪われっぱなしでもいいかな」と一瞬ぬか喜びしたが、直後の時間制限を見てブチギレていた
- NPCの対応に補正がかかる
一般人からは最早リュカオーン本"狼"に遭ったような目で見られるようになる。
- バフ・デバフ・呪い無効
呪いを完全に無効化するようになった。こちらも、極一部の強力な効果ならば、耐性を貫通して付与される。
- プレイヤーよりも低いレベルのモンスターはプレイヤーから逃亡し、プレイヤーよりも高いレベルのモンスターはプレイヤーに積極的に攻撃を仕掛ける
低レベルモンスターの反応は据え置きだが、高レベルのモンスターが積極的に襲いかかってくるようになるので、高難易度エリアでは囲まれて袋叩きにされないよう常に警戒しなければならない。また、通常よりも強いレアエネミーに強襲されたり、低レベルモンスターが群れることで実質レベルを上げて襲いかかって来たりするような事故も懸念されるため、少しの油断が命取りとなる。
修羅の道を強制されるので、マスクデータの「ヴォーパル魂」を稼ぎやすくなるというメリットはある。
- 改宗(種族変更)ができなくなる
種族変更による恩恵の一切を受けられなくなる。
一方で作中には不本意な種族変更もあり、それを防ぐというメリットにもなる。
防具を装備できない、モンスターが逃げるなど、呪いや刻傷による不条理に直面する度にサンラクが「おのれリュカオーン」などと独白するのがノルマになっている。
ニコニコ動画の配信でも、リュカオーンやリュカオーンの呪い関係の解説コメントで、最後に「おのれリュカオーン」で締めくくるのがお約束になっている。
ちなみに、性別がメスであることと主人公の目標にされていることから、読者から真のメインヒロイン扱いされている。
まあ、あちらも2ヶ所にマーキングするくらい気に入ってるのであながち……。
ギリシャ神話:リュカオーンと言う狼頭人身の王が出てくる逸話がある。恐らくリュカオーンの元ネタ。
これより先、アニメ第2期のネタバレにつき閲覧注意
実は旧大陸にてサンラク達と相対したリュカオーンは分身体であり、本体ではない。
リュカオーンの影は非物質のモンスターなので物理攻撃はあまり効かないが、魔法攻撃はよく効く。
このリュカオーンの影を討伐することで、リュカオーン本体と戦えるユニークシナリオEX『夜闇を祓うは勇気の灯火』が発生し、リュカオーンへ導く特殊状態異常「導きの灯火」に掛かり、以降付近にいるリュカオーンを感知できるようになる。
また、二度目の戦いでますます気に入ったサンラクに、『呪い』を『刻傷』にグレードアップさせた。コミック版では『呪い』からリュカオーンの頭が現れてサンラクを捕食する形になっている。
ちなみに呪いを解呪する条件が「リュカオーン」指定ではなく「呪いを掛けたもの」になっているのはこのためであり、「呪いを掛けたリュカオーンの影を倒せば呪いは解ける」ようになっている。
なお、サイガ-0がEXシナリオを出している通り、実は呪いそのものは攻略の必須要素ではない
以下リュカオーンの影を本体、それの生み出す分身を分身と呼称するが、厳密にはどちらも本物のリュカオーンではないことは留意すべし
リュカオーンの影の攻撃パターン
- 分身攻撃
二度目の戦いで判明したリュカオーンの能力。
影や暗闇から分身を生み出して攻撃してくる。夜で戦う関係上、周囲の影から相手の背後を狙う事が多いのが厄介だが、分身の行動は「相手にまっすぐ飛びかかる」などの簡単な行動しかできず、「避けた相手を追撃する」ことはないため、建物の影などを意識して立ち回れば回避は難しくない。
……もっとも、この分身もプレイヤーにそう思わせるブラフであった。
- 影移動
分身だけでなく、本体も影移動できる。
SF-Zooとの戦闘で分身攻撃をサンラクに見せて、「影から現れるのは分身だけ」と決めつけさせ、分身と見せかけて本体が影から現れて追撃をおこなった。
単純な攻撃しかできないと思い込んでいたサンラクは危うくクリーンヒットしかけ、驚愕していた。
そしてなによりの問題はこの能力以上に、それをサンラク達と相対するまで隠していたことであり、SF-Zooと戦っている間からサンラク達を騙すつもりでいたという狡猾さが窺える。
影から飛び出す直前に音がするのが合図であり、本体が出現する際はより重い音が鳴る。
なお、最初にサンラクと遭遇した際の目の前から予兆もなくいきなり現れた現象は、この影移動によるものであるとサンラクは考察していた
- 咆哮
範囲内の相手の動きを封じる遠吠えを発し、動けなくなった相手を捕食する。
元々原作にはなくコミック版で使われた技だが、後に原作小説にてあるモンスターに逆輸入されている。
- 分身夜襲
リュカオーンの二つ名が「夜襲」たる所以の技。
月光が遮られている時に闇に紛れて見えない分身が襲いかかるという超初見殺し技。
分身発生時にターゲットが確定し、ヘイトを奪うことができない。
光源アイテムで照らしたり、サンラクがやったように月を遮る暗雲を散らしたりすれば、分身が見えるようになる。
上述のサンラクとの初邂逅時の現象の真の理由はコチラ(闇に紛れた不可視性)の性質の比重が重く、影移動も使ってはいるが更に不可視も併用、そしてそれを奇襲用ではなく戦闘用に殺す気で使ってくる
……とどのつまり、『黒狼』がリュカオーンと接敵するには人材確保の他に、雲一つもない時期にエンカウントしなくてはならないという乱数ジャックポットを狙わないといけないという途方もなさを強いられる。
一応雲を吹き飛ばす手段を用意できれば無理矢理どうにかできなくもないが、本来であればそれをリュカオーンにぶつけた方がいいのは自明の理である。
『黒剣』に分離して以降は(サンラクからの情報もあったとはいえ)リュカオーンの影の討伐に成功したので、副リーダーのリ何とかとその配下が如何に足枷になっているかがわかる。
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