曖昧さ回避
- たいま。アサ科の植物である「アサ」の別名。→ 麻
- たいま。上記「アサ」から作られた麻薬。
- おおあさ。北海道江別市及び徳島県鳴門市にある地名。
- おおあさ。日本の苗字。
- おおぬさ。「大幣」とも書く。神道のお祓いで使用する、榊または白木の棒の先に紙垂をつけた道具。→ 大幣
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麻薬としての「大麻」
麻の花冠や葉などを加工して作る、古典的な麻薬の一種。有効成分はカンナビノイド類。いわゆる「マリファナ」である。
多幸感や酩酊に近い状態、反射神経の遅れをもたらす。
嗜好品としての歴史は古いが、明治時代以前の日本では嗜好目的に使用する習慣は無かった。
モルヒネなどと同様に、日本においても古くから薬草として鎮痛などの目的で使用され、第二次世界大戦前には日本薬局方に印度大麻草の名前で記載されていた。
ちなみに七味唐辛子など、薬味として種が用いられることがあり、こちらは無害。
ただしたとえ薬味としての食用でも、取り扱いには免許が必須。
合法化をめぐる動き
現在、日本を含むほとんどの国では違法薬物とされるが、近年、一部の国や地方で合法化が進んでいる。
というのも、これらの国や地方では大麻の使用文化が盛んで厳しく取り締まってもめぼしい効果がないこと、特にアメリカでは人種問題も絡んで罰金の支払い能力が低いマイノリティが抜き打ちで身体検査をされることが多く、所持が発覚した結果罰金を払えずに入獄し、職を失って生活のために闇社会に加わるという事例が社会問題となっていた。
その上これらにかかる警察、裁判所、刑務所費用は政府にとって重荷である一方、麻薬市場は全く撲滅の兆しが見えなかった。そこで合法化すること諸経費の削減と闇社会から資金源を奪い返し、福祉や教育当てることを狙いとして合法化を認める地域が増え始めている。
端的に言えば、根本的な理由は「大麻ごときを厳しく取り締まるのはやめて、金の流れを正常化して解決を図ろう」というものであり、決して一部のボンクラが遊びたいためだけに解禁運動を展開したわけではない。
カナダなどでは娯楽目的としての利用が解禁されているが、上記の「他の薬物の問題が深刻すぎるので大麻だけでも国家が管理する」という目的もあり未成年の利用は禁止されている場合もある。
また、一部解禁されている国でもアルコールと同様、使用した状態での乗り物の運転は交通事故の原因となり、ご法度である。
日本では大麻取締法による規制対象で、しめ縄など薬物の生産目的以外で麻を栽培する際には都道府県知事の許可が必要である。
また、日本人が解禁されている国に行って使用してきても、帰国後に国外犯規定により逮捕される可能性がある。が、そういった国では警察関連の経費削減も期待して合法化をしているため、「そんなものに協力させようとするな」と断られるのが関の山で、効果は薄いと見られている。
「医療用大麻としての薬効」を旗印に日本国内での解禁を求める運動も根強いが、大麻よりリスクが低く扱いやすい鎮痛剤も多く開発されており、精神疾患や心臓疾患のリスクを考えると解禁すべきではないという意見もある。解禁論者に対し「どうせ遊びでキメたいだけなんだろ」という冷ややかな視線が寄せられているのも日本国内で解禁論が盛り上がらない要因と思われる。
大麻文化と密接な音楽ジャンルもあり(レゲエには「ガンジャチューン」と呼ばれる大麻を歌った曲も多い)、ミュージシャンやその周辺が大麻の栽培、使用で逮捕された例も多い。
呼称
加工状態によって大きく3種類に分けられる。
乾燥大麻
花冠や葉を乾燥させたもので、大麻が俗に「ハッパ」(葉っぱ)と呼ばれる所以。
インドでは葉・茎が原料のものを「バング」、花穂が原料のものを「ガンジャ」と呼ぶ。
大麻樹脂
樹液を圧縮固化させたもの。中近東では「ハシシ」と呼ばれ、これはアサシンの語源である。またその形状からチョコという俗称もある。
インドでは「チャラス」。
液体大麻
上記のいずれかを何らかの溶剤で溶かしたもの。アルコールで抽出した「大麻チンキ」など。
余談というか注意
合法の国で生産された、大麻成分を含む食品を食べてしまう事故の報道も2019年にあったので、誤って摂取することの無いよう注意が必要である。
結局大麻は危険なのか
簡単に言えば使用方法を誤れば危険。これは他のドラッグはもちろん、酒やタバコといった世界的に広く合法化されているものなども同様であるし、栄養物として知られるビタミンやたんぱく質も使用方法を誤れば最悪死に至る。
長年の研究の成果で、大麻の薬効や弊害は研究されつくしており、総合評価ではアルコールやニコチンよりはるかに低く、カフェイン(無論カフェインも過剰摂取は深刻な健康被害を及ぼす)と同程度という結果が出ており、先の医療用大麻はアルコール依存症の治療目的に使われてもいる。
大麻を吸引したことでオーバードーズを引き起こして死んだ例がないというのも、大麻の毒性の低さを示すものである。
ただし、先にのべたように使用方法を誤れば危険であることに代わりなく、何らかの疾患を抱えたり、あるいは転落して死亡するといった危険性もある。
大麻にしろ酒にしろ、習慣性のある嗜好品を使用する際は正しい知識と節度をもって臨むことに越したことはないということである。