2011年4月より、UHF局他ニコニコ動画で放送・配信中。
概要
P.A.WORKS10周年記念アニメーション作品であると同時に、同社初の完全オリジナル作品となる。
石川県にある温泉旅館・喜翆荘(きっすいそう)を舞台に、少女の奮闘と成長を描く。
制作発表はモデルとなった石川県金沢市で行われ、地元でのプロモーションが行われている。
放送開始に先駆け、千田衛人の作画によるコミカライズが、『月刊ガンガンJOKER』にて連載中。既刊2巻。
ストーリー
松前緒花は、シングルマザーの家庭で育った、ごく普通の少女。
だがある日、母親が借金をこさえた恋人ともに夜逃げをすることになった。
緒花の身よりは、会ったこともない祖母の元へと預けられる。
祖母の四十万スイが経営する温泉旅館・喜翆荘。
そこで待っていたのは、従業員としての忙しい毎日。
個性的な面々に振り回され、時には辛いことを経験しながらも、緒花は成長していく。
舞台
モデルとなっているのは石川県金沢市の湯桶温泉。
描写されている風景は金沢市のものが多いが、劇中に登場する鉄道はのと鉄道となっており、能登の和倉温泉近辺の意匠も多く含まれている。
劇中の「湯乃鷺駅」のモデルとなっているのは、のと鉄道の西岸駅。キャンペーンの一環として放送開始時から一年間、実際の西岸駅に「湯乃鷺駅」の看板が設置されている。
喜翆荘
石川県にある旅館。
かつては四十万夫妻が経営していたが、夫・誠司がこの世を去ってからは、女将でもある妻・スイが切り盛りしている。
個性的な従業員を多く抱える。
従業員は意識の高い人間ばかりだが、不景気に加え、小規模旅館の淘汰される時勢の影響もあってその経営は傾いている。
なお、喜翆荘のモデルとなったのは、湯涌温泉にかつて存在した稀代の名ホテル「白雲楼ホテル」であると思われる。
白雲楼ホテルは、昭和初期に開業し、「東洋一」と称されるほどの豪華さを誇ったが、経営難により90年代末に倒産、以後管理されないまま廃墟と化し遂には解体されるというドラマティックな生涯を辿ったホテルである。
公式には明言されていないものの、フロント・ロビーを初めとする館内外の光景が非常に似通っていることから、ほぼモデルとして確定視されている。
登場人物
主要人物
今作の主人公。16歳。
東京で母親と二人で暮らしていたが、事情により喜翆荘の仲居として働くことになる。
明るく前向き。声が大きく、空気が読めない。
だらしのない母親を反面教師として育つ。幼いころから家事を任されていたため、料理がうまい。
ウェーブがかった天然パーマに、花を模したヘアピンをつけている。
喜翆荘の板前見習い。あだ名は「みんち」。
住み込みで働いており、緒花とは相部屋。
ストイックで自分に厳しい。緒花との折り合いが悪く、ことあるごとにきつい物言いで拒絶する。
板前の宮岸徹にひっそりと想いを寄せている。
喜翆荘の仲居アルバイト。あだ名は「なこち」。
仕事は丁寧にこなすしっかり者。
ただし引っ込み思案な性格ゆえ、接客は苦手。最初に緒花の指導役を任されたときも、うまくいかなかった。アルバイトを始めたのも、人見知りする自分を変えるため。
豊満なバストの持ち主。泳ぎが得意で「かっぱっぱ」とも呼ばれている。
老舗旅館・福屋の一人娘。
緒花らとはクラスメイト。経営者の子息という、緒花と似た境遇を持つ。
家業を手伝っているが、旅館の経営を継ぐ気はない。
喜翆荘
四十万スイ (声優:久保田民絵)
喜翆荘の女将で、緒花の祖母。
仕事に厳しくきつい言動も多いが、きわめて真摯な態度は従業員の尊敬を集めている。
喜翆荘の番頭で、緒花の叔父。
お人よしだが、経営者としては落ちこぼれで、コンプレックスを持っている。
コンサルタントの川尻崇子とは大学時代からの知り合い。
喜翆荘の仲居頭。
気前がよく、緒花らを気にかけてくれる。
言動がオバサンくさい噂好き。
喜翆荘の板前。
民子の指導役を任されている。
仕事には真剣で、民子がミスをすると怒鳴ったりするが、普段は気さく。
富樫蓮二 (声優:山口太郎)
喜翆荘の板長。
寡黙でストイック。ただし、精神的プレッシャーに弱い。
喜翆荘の営繕さん。
従業員の最古株で、喜翆荘の生き字引。
当初は喜翆荘の宿泊客として登場。
大物小説家を自称し、横暴に振舞っていたが、実は売れない根無し草だった。
宿代が払えないことがばれ、住み込みで働くことになった。
その他(東京)
緒花の母。四十万スイの娘で、四十万縁の姉。東京でフリーライターとして働く。
自由奔放な性格。仕事に関しては有能で、業界に名の知れた人物。
15年前に夫(緒花の父)と死別してから、幾人もの恋人を乗り換えているが、いまだ亡き夫への片想いを続けている。
スイとの確執から家を飛び出し、勘当同然の状態であったが、緒花の行動がきっかけで何度か喜翆荘を訪れる。
緒花が東京に住んでいたころ、仲良くしていた男友達。
つかず離れずの関係を続けていたが、緒花が石川に旅立つ直前、秘めた想いを告白した。
その後、携帯電話が頼りの遠距離片思いを続ける。緒花のほうも、後に自分が孝一へ恋していることに気づいたが、何度もすれ違う。
孝一がアルバイトする本屋の店員。
孝一に想いを寄せており、孝一の告白を保留したまま石川県へ行ってしまった緒花を敵視している。
その他(石川)
四十万縁の雇った経営コンサルタント。
喜翆荘を繁盛させようとアドバイスを出すが、ズレたことばかり言うため、他の従業員からは煙たがられている。
大学時代は縁の後輩で、男女の仲でもあった模様。
菜子のクラスメイト。
美術部員で、菜子をモデルに「友達」という題の絵を描いた。
スタッフ
原作・アニメーション制作 : P.A.WORKS
監督 : 安藤真裕
シリーズ構成 : 岡田麿里
キャラクター原案 : 岸田メル
キャラクターデザイン・総作画監督 : 関口可奈味
メインアニメーター : 石井百合子
美術監督 : 東地和生
色彩設計 : 井上佳津枝
撮影監督 : 並木智
3D監督 : 山崎嘉雅
編集 : 高橋歩
音楽 : 浜口史郎
音響監督 : 明田川仁
音楽プロデューサー : 伊藤善之
音楽制作 : ランティス
音楽協力 : 読売テレビエンタープライズ
プロデューサー : 大島靖/斎藤滋/福良啓/北田修一/小田ツヨシ/岡村武真/稲垣高広/和田洋介/川村仁/堀川憲司
製作 : 花いろ旅館組合
主題歌
オープニングテーマ
nano.RIPE「ハナノイロ」
nano.RIPE「面影ワープ」
エンディングテーマ
スフィア「Hazy」
クラムボン「はなさくいろは」
各話リスト
話数 | サブタイトル | ||
---|---|---|---|
第1話 | 十六歳、春、まだつぼみ | 第14話 | これが私の生きる道 |
第2話 | 復讐するは、まかないにあり | 第15話 | マメ、のち、晴れ |
第3話 | ホビロン | 第16話 | あの空、この空 |
第4話 | 青鷺ラプソディー | 第17話 | プール・オン・ザ・ヒル |
第5話 | 涙の板前慕情 | 第18話 | 人魚姫と貝殻ブラ |
第6話 | Nothing Venture Nothing Win | 第19話 | どろどろオムライス |
第7話 | 喜翆戦線異状なし | 第20話 | 愛・香林祭 |
第8話 | 走り出す | 第21話 | 蘇る、死ね |
第9話 | 喜翆荘の一番長い日 | 第22話 | 決意の片思い |
第10話 | 微熱 | 第23話 | 夢のおとしまえ |
第11話 | 夜に吼える | 第24話 | ラスボスは四十万スイ |
第12話 | 『じゃあな。』 | 第25話 | 私の好きな喜翆荘 |
第13話 | 四十万の女 ~傷心MIX~ | 第26話 | 花咲くいつか |
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外部リンク
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