概要
漢字では蠅(もしくは蝿)と書く。
蚊や虻と同じく羽が二枚しかない昆虫の一つ。
死体や生ゴミや糞などあらゆる腐敗したモノにたかり、餌とする習性を持つ。そのため伝染病の媒介者として嫌われ、人類の歴史は蠅との戦いの歴史でもあった。エジプトではハエ避けのためにアイシャドウが発達し、オーストラリアでは家畜の糞に凄まじい量のハエがたかるため海外からフンコロガシを輸入した程である。
自ら汚いものによって来る性質があるため、頻繁にゴミをすり落とす癖を持つ。小林一茶の「やれ打つな 蠅が手を擦る 足を擦る」という俳句はこの習性が元になっているわけだが、人間からしてみたら雑菌を床に落とされているわけで、迷惑この上ない。
飛行速度は遅いが、全身に生えた繊毛で空気の流れを読めるため、常に相手がどう攻撃してくるかを予測して回避する能力を持つ。
幼虫は蛆虫と呼ばれる。蛆虫は腐敗した部分のみを食う習性があるため、傷の治療に使用されることもある。
なお古代イスラエルでは、ハエは魂を運ぶ霊虫とされ、それが神とされたのが『ベール・ゼブブ』であり、のちにキリスト教で悪魔とされ、ベルゼブブとされた。