「アナハイル〜!」
データ
属性/悪魔型モンスター
分類/クラウン目ベルゼブブ科
身長/0.2mm~45.3m
体重/0.5mg~673.7t
分布/人間の体内
経験値/396
概要
クレオンが細かい性格な男性・伊藤蘭斗より生み出した、幻獣「ベルゼブブ」の伝説を司り、その風貌を得たマイナソー。
青い服を着た禍々しい見た目の道化師(クラウン)の骸骨に尾の長いハエが冠みたく取り付いた様な姿を持つ。
その身体は誕生した時から、肉眼では確認できない極小なミクロサイズで、掴んだ相手を触角(ハエの前足)で往復ビンタする小技等を使うが、自身の戦闘力はそこまで高くは無い。
しかし、そのミクロの身体を活かして「アナハイルー!」と鳴きながら他の生物の体内に侵入して寄生する事が可能で、伸ばしたハエの尾を記載している生物の心臓等の重要な臓器に巻き付け締め上げる事で、寄生対象をその体内より苦しめる卑劣な攻撃を行う。
仮に寄生対象の中で戦闘になっても、尾を臓器に巻き付けたまま戦闘を行い、ベルゼブブマイナソーの動きに合わせて臓器が締め付けられて寄生対象が苦しむ為、相手は迂闊に戦えない。
宿主は妻である伊藤ひとみと夫婦喧嘩した際に「小さい」、「ミジンコ男爵」というあだ名を呼ばれた事で、「ミジンコ男爵というあだ名で呼ばれたくない」と言うマイナス感情を思い詰めた所をクレオンに利用された。
マイナソーが最初から小さかったのは、宿主が“小さい”と言われたのを強く気にしたからだと考えられ、鳴き声は暴言を吐かれるとすぐに塞ぎ込んでしまう宿主の気質を表した物だろう。
その性格上、宿主は精神的に追い詰めるのが簡単であり、クレオンはひたすら悪口を宿主に浴びせてマイナス感情を出させ続け、マイナソーを急速成長させようとした。
しかし元がミクロサイズの為か、成長には通常サイズのマイナソーよりも多くのエネルギーを溜めなければならなかった様で、結局成長に時間が掛かっていた。
活躍
既に蘭斗からクレオンが生み出しており、彼が用意した紙吹雪砲の中身に紛れる形でコウとアスナの前に放たれる。そしてそこでアスナの鼻から彼女の体内に侵入、しばらくして肺に移動して寄生を開始し、アスナを苦しめ始める。
程無くして、ミエソウルでベルゼブブマイナソーを発見したコウとメルトがチーサソウルを使用してアスナの体内に侵入、交戦へと突入。だがベルゼブブマイナソーは自らの尾をアスナの心臓に巻き付けていて、自身が大きく動くとアスナが激しく苦しむ様に細工を施していた。これにより動きを牽制された相手を圧倒し、不利を悟った2人は策を練り直す為にアスナの体内から即座に退却した。
その後、ベルゼブブマイナソーをアスナから追い出す為、ナダからの提案でコウはドッシンソウル強竜装の『振動のみを伝える能力』を特定の物体にのみ当てる特訓を受ける事に。しかし特訓は上手くいかず、いたずらに時間だけが過ぎて行く。
その裏で、クレオンは連れ出した蘭斗をドルン兵と共に歌と躍りでからかい、蘭斗のマイナス感情を増幅させて絞り出しマイナソーを急速成長させてアスナを破裂させようとする。だがエネルギーが中々溜まらず、ひとみと出会って自身の暗躍を知ったカナロの連絡で駆け付けたリュウソウジャーの攻撃を受け、ガチレウスに救援・護衛される事となった。
しばらくして、特訓をクリアしないままアスナの元に戻ったコウがドッシンソウルの強竜装を使用。心の迷いもアスナの激励を受けて振り切り、彼女の背中に拳を打ち振動を与える。
拳を貰ったアスナはその場へ倒れるも、少しした後元気を取り戻して起き上がる。ナダの想定通り、ドッシンソウルで与えた衝撃が心臓に巻き付いたベルゼブブマイナソーの尾のみを粉砕、アスナを寄生から解放したのだった。更に直後、アスナがくしゃみをした事でベルゼブブマイナソーが彼女の体内から追い出され、龍井家の換気扇を通って屋外へ。そこでようやくエネルギーが溜まり切り巨大化を果たす。
だが、寄生され苦しめられたアスナはフラストレーションを溜めており、コウやメルトと共に騎士竜を呼び出してキシリュウオーパキガルーを完成。そのコクピット内でドッシンソウル強竜装したアスナ=リュウソウピンクの操作によるペース度外視のラッシュを叩き込まれて何も出来ずに押し込まれる。
そのまま最後は、ブーストブレイクブローを叩き込まれて成層圏まで吹き飛ばされ、爆散した。
なお直後、全力ラッシュを打ち切ったキシリュウオーパキガルーは疲労困憊になって座り込み、チビガルーに至っては「燃えたよ…真っ白に…」と呟いた。
その後、ひとみは「ミジンコ男爵」と言ったことを謝罪、その事を聞いた蘭斗もこれからはおおらかに生きると謝罪し、お互い仲直りをしたのだった。
余談
経験値の合計数の由来はそのまま「ミクロ」の語呂合わせ。後に登場したカリブディスマイナソーも同じ合計数を持つ。
スーツはアラクネーマイナソーの改造。上半身の造形が異なるので一見すると新造の様に見えるが、下半身をよく見るとアラクネーマイナソーにあった蜘蛛の糸の意匠が残されている。また、スーツアクターは引き続き蜂須賀氏が担当した。
モチーフのベルゼブブは幻獣と言うよりも悪魔、それも魔王の一人として数えられる程の大悪魔である。そしてこれをモチーフとした戦隊怪人は今回が初。
一方、ハエモチーフの戦隊怪人としてでは恐竜スーパー戦隊第2作目『爆竜戦隊アバレンジャー』のハエマツ以来となる(味方怪人も含むと『獣拳戦隊ゲキレンジャー』のバエ以来)。
「ピエロっぽく」「体内で病気的な攻撃」というオーダーからハエ→ベルゼブブがモチーフとなり、皮を剥がれた頭蓋骨とその皮膚でピエロの白塗り顔と髪が再現されている。
寄生するという生態は元ネタのベルゼブブが『悪魔憑き』を起こす悪魔としてのビッグネームだったからと思われる。
リュウソウジャー側はヒロインの命を賭けたシリアスなムードだったが、体内に入り込んだ異物が大きくなって行き喘ぎ声をあげてもがき苦しむアスナの一連の姿に薄い本的展開や出産直前の妊婦を連想した視聴者も多く、彼女の身体だけでなくテレビの前の紳士達の股間をも破裂寸前の危機に陥れた。
宿主は本人のコンプレックスを刺激…と言っても悪の組織がやりそうな嫌らしい大掛かりな手段では無く、変な踊りと歌で囃し立てるというギャップが視聴者にシリアスな笑いを提供した。また、その歌詞である『チョイと体はデカいのに♪ミジンコ男爵♪ミジンコ男爵♪』が下ネタを連想させた事もあってTwitterのトレンド入りを果たしてしてしまった。(具体的に何が小さかったのか話さなかった事も理由か。)
と言っても本編のラストを見る限り「気が小さい男」という意味合いだったようで深い意味は無いようだ。いくらマイナソーの鳴き声が『アナハイルー』だったとしても深い意味はない。(大事な事なので二回言いました)
順当に考えるなら『穴があったら入りたいぐらい恥ずかしい』という意味合いだったのだろうがアスナの乱れた姿のお陰で下半身が既にミジンコ男爵とは程遠い状態になっていた一部の視聴者への追撃になっていたのは言うまでもない。
関連リンク
タンクジョウ:こちらは成層圏に運ばれてから止めを刺され爆散・戦死した。
コカトリスマイナソー:道化師(ピエロ)を思わせる姿格好を持つ。
パーンマイナソー:モチーフの幻獣(パーン)は悪魔の原型になったともされる。
デーボ・ウイルスン:恐竜スーパー戦隊第3作目『獣電戦隊キョウリュウジャー』の怪人。こちらは準レギュラー戦士の相棒に寄生、体内から苦しめていた。
復活忍者バンパ・イヤーン:『忍風戦隊ハリケンジャー』の怪人で、ミクロサイズの身体の持ち主。
ミクロツヨインダベー:『宇宙戦隊キュウレンジャー』に登場。
身体をミクロ化する能力を編み出して戦闘員から成り上がった怪人。こちらは戦隊メンバーの脳内へ寄生、眠っていた感情を歪めて別人格を作り出し悪堕ちさせた。
ヒルドリル:『鳥人戦隊ジェットマン』に登場。
細胞縮小エネルギー波でミクロ化し小田切長官の体内に侵入して操ったバイオ次元獣。
ヘンショク怪人:『バトルフィーバーJ』に登場した、小さなヒトデに化身してバトルケニアに食われることで体内で再生し、逆に食い殺そうとしたエゴス怪人。
NNネレンコ: 『激走戦隊カーレンジャー』に登場。
ピエロのような格好をしており高カロリーで太るスプレーを使ってヒロインを含めた戦隊メンバーを太らせて破裂させようとしたボーゾックの荒くれ者。
決定的な違いこそあれど共通点が非常に多く、何よりこちらはヒロインの腹を本当に大きく膨らませてしまうなどアスナ戦士としてだけでなく女性としてもギリギリまで追い詰めたベルゼブブよりさらに一歩先まで追い詰めていために彼を思い出した視聴者が多かったようだ。
風船忍者ゴムビ・ローン: 『忍風戦隊ハリケンジャー』に登場した。
ゴムおにぎりを食べさせてヒロインを含めた戦隊メンバーを風船化させたさせた宇宙忍者。
しかし、こちらは一般人は破裂目的だったがヒロインたちはダメージを与えるために破裂前に攻撃して元に戻してしまっている。
バエジーム:『王様戦隊キングオージャー』に登場するハエモチーフ怪人の後輩。
ベゼルブ、クイーンベゼルブ:ベルゼブブモチーフのウルトラ怪獣。
ベルゼバブ:先駆者のライダー怪人。ただしハエの要素が少ない外見をしている。