「すみませ~ん。お騒がせしております~」
「ブ~ン、ブ~ンでございます~!五月蝿くてすみませ~ん! …そして、死んでいただけると助かります~!!」
登場話:第15話「スズメにお見舞い」
データ
身長/187cm(異常成虫時/46.5m)
重さ/150kg(異常成虫時/373.5t)
分布/シュゴッダム(昼)
好物/謝罪
観察ポイント/真ん中の手は常にすりすり謝っているようである。
概要
地帝国バグナラクがシュゴッダムへ送り込んだ、超スピードで飛ぶ虫「ハエ」のBNAを備えた怪ジーム。
胸回りや手首等の白いファーが目立つ、空軍パイロットを思わせる出で立ちで、赤い大型の複眼が目立つ頭部もゴーグル付きヘルメットを思わせる。
また虫人らしく2対4本の腕を持つも、下側から生えた両腕は常に腹部の正面で掌を合わせたポーズのままであって、常に手をすりすりして(形だけだが)謝っている様にも見える。
両腰に装着された超高性能浮遊・姿勢制御装置『バエスライダー』を用いての自在な飛行能力を持ち味とする、昆虫界のフライングキング。その動きは正にハエの如く捉えるのが困難な不規則な軌道かつアクロバティックな物で、それで相手の虚を誘い両腰に差すハエの羽を模した二振りの片刃剣で斬り掛かる強襲戦が得意。
同じ様に、高速空中戦闘を持ち味にしたボダルジームが大規模空襲向きのスペックを持つのに対し、こちらは同等サイズの相手とやり合う事を念頭に置いた白兵戦向きのスペックと見れる。
ただしバエスライダーは高性能な反面、耐久性に難を残す繊細な代物らしく、これが故障して機動力を封じられると大幅に弱体化してしまう。
口を開く度に「すみませ〜ん」などと謝る発言を繰り返す一見すると低姿勢な物腰に見えるが、口調からしてあからさまに上辺だけ。その上で人間を襲って奈落に落とさんとする行為を平然と実行する為、本心では他者を舐め切っている却って傲慢な態度で振舞う。
それを示す様に、謝る発言と仕草で相手の油断を誘ってから手より不意討ちで放つ『オワビーム』を昆虫最終奥義としており、本当は自分が悪いと全く思っていないのが見え見えである。
活躍
本編第15話
カグラギとラクレスの協力関係を断つべく、他の王達がスズメ・ディボウスキ救出作戦を進める中、シュゴッダムに潜入したギラからの通信経由でバグナラクとの和平交渉を行おうとしている事を聞き、王達の間に動揺が走った。
その裏、先の戦いでシュゴッドを操れる「真のチキューの宝」だとこちら側が定義付けたゴッドタランチュラを強奪すべくカメジムの命令で招集。 「すみません~。人間共を殺して、良いでしょうか~?」とわざとらしい謝罪の言葉を交えつつ、カメジムから「虫ケラ共など、好きにしてよろしい…」 と了承の言葉を貰い、自慢の高速飛行で足早にシュゴッダムへと飛び立った。
そして、ゴッドタランチュラ奪取及び人間殲滅を狙い、サナギム達とシュゴッダム内で暴れ回っていると、スズメの姿を見た事で和平交渉に属国代表として同行を決めたカグラギが、自身の行動で従う事を証明せんと撃退に見参、ハチオージャーへと王鎧武装。更にはスズメ救出作戦が無駄骨に終わったギラ/クワガタオージャーも参戦する。
「すみません~。真の秘宝をくださると、ありがたいです~! 誠に恐れ入ります~!」
カグラギ「馬鹿正直は、大変よろしい! …ですが!欲しいものがあるならば、欺く事を覚えなさいっ!!」
サナギム達をハチが切り伏せている所に割り込んで、アクロバット飛行を駆使した攻撃で翻弄するも、不用意に接近した所でハチに猫騙しをかまされ怯んだ所を掴まれて地面に叩き付けられる。更に四跨の動きで思いっ切り踏まれた衝撃でバエスライダーを故障させられ、緊急回避しようとしてもその場をフラフラと飛行不能状態になった所へオージャフィニッシュが直撃。
大きく吹き飛ばされるも自らの窮地を悟ったので、 「心よりお詫び……申し上げます~!!」 と言いながら異常成虫を実行、巨大化し巻き返しを図る。
だがここで、ジェラミー/スパイダークモノスが参戦しゴッドタランチュラを召喚、タランチュラナイトへと変形。バエジームはオワビームの弾幕で対抗するが、クモの糸を用いたワイヤーアクションで宙を飛び回るタランチュラナイトは巧みに掻い潜ってかわし、否応無しに接近戦へと移行。
コーカサスカブト城の上→外壁に張り付きと戦場は移り変わり、再び大きく吹き飛ばされた所で反撃のオワビームを不意討ちで放つが、突如現れたガーディアンピードが庇い相手は無傷。
そしてガーディアンピードを変形させたピードチェーンソーを装備したタランチュラナイトが狙いを定め、 「何をジロジロ見ていらっしゃるのでしょうか?」 とバエジームが困惑する間に放った、クモ糸のネットで動きを封じられた時点で運のツキ。
スパイダーの「さあ、幕引きだ」の一言と共に自由落下の勢いも加えた一閃がそのまま直撃、 「あぁぁぁ! お詫びのしようもございませぇぇん!!」 とたわ言にしか聞こえない断末魔を残して敗北・空中で爆散した。
『ゴッカンのリタ』第19話
本編第5話の裏でトウフに向かっていたリタが搭乗したゴッドパピヨンの羽根にしがみついて出現。トウフ周辺で降りたところで待ち伏せしていたサナギムの群れと共にリタに襲いかかり彼女を苦戦させるがそこへクロダ率いる黒子軍団にサナギムを蹴散らされ自身はリタのオージャカリバーの一撃を喰らわされ撤退した。
余談
- ハエをモチーフにした戦隊怪人は「騎士竜戦隊リュウソウジャー」に出てくるベルゼブブマイナソー以来3年ぶり。
- 演じる阿部氏は2作前の『機界戦隊ゼンカイジャー』のカシワモチワルド/ダイカシワモチワルド以来の出演となる。また、直近のVシネマ作品である『暴太郎戦隊ドンブラザーズVSゼンカイジャー』には別個体が登場している他、この作品の冒頭にもキングオージャーを歪めた怪人である王様鬼が登場していた。
- 「2本の触角」、「2つの大きな赤い眼」、「虫の口部を模したマスク」等、頭部の造形が仮面ライダーに似ているとの声もあり(一番近いのはこれ)、実際固有装備はスカイライダーの『セイリングジャンプ』を彷彿とさせている。
- スーツは後に第34話に登場するキンバエジームのものにリペイントされ更に声も同じ人が流用されている。