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示現流の編集履歴

2020-07-18 11:39:20 バージョン

示現流

じげんりゅう

示現流とは、薩摩藩を中心に伝わった日本の古流剣術の1つ。

概要

流祖は島津家家臣の剣豪である東郷重位。『薩摩示現流』とも。「示現」とは、仏教経典の一つ『法華経』の一章「観世音菩薩普門品(かんぜおんぼさつふもんぼん) 第二十五(観音経とも)」の中における経文「示現神通力(じげんじんつうりき)」に因んで、重位が慕っていた薩摩の禅僧文之が命名したという。薩摩の秘剣を衆生を救う菩薩の霊力に例えたとされている。


薩摩藩内では江戸時代後期に島津斉興より御留流(一つの藩でのみ伝承され、同じ藩内でも他流の者に稽古を見せることを、藩より禁じられた武術の流派)とされ、分家である佐土原藩を除き、藩外の者に伝授することは厳しく禁じられていた。


「キィエーイ!」と聞こえる独特の掛け声で知られるが、正式な掛け声は「エイ!」であり、あまりに激しいためにこうした発音になっているという。

漫画などでは「チェストー!」と叫ばれることもあるが、これは俗説らしく、「キエー!」「キヤアァァァー!」「チェーイ!」といった他流派には無い独特な掛け声が混ざり、そう認識されるようになったとされる。


しばしば薩摩藩士薬丸兼陳が編み出した分派である『薬丸自顕流』(野太刀自顕流)と混同される。

同じ薩摩で盛んで読みも同じ、掛け声も似ているなど共通点が多いからである。

薬丸家は家伝の野太刀剣術を継承しつつ、先述の東郷重位の高弟にもなり、示現流の技を取り入れた。

独立に際し本家示現流とのトラブルも起こっている。


示現流は高度複雑だが難解で精神論も多い。自顕流は技は少ないが強烈である。

幕末期には、上士は示現流、下士は自顕流を修めていた者が多かった。


空手との関係

琉球王国の武術家で、武士として薩摩へ渡り示現流を学んだ『近代空手の始祖』と言われる松村宗棍は、示現流を通じて日本武術思想構造を琉球古武術『手(ティー)』に取り入れ、流派の1つ「首里手」を体系づけ確立させたとされている。


そのため、空手には多くの流派において、上述した示現流の独特な掛け声である(正確には「エイ!」だが)「キィエーイ!」「キエー!」「キヤアァァァー!」「チェーイ!」が、稽古での気合いを入れる際に使用されている。

また、近世以降は武器術の一つとして剣術も教えられた。


イメージとしての示現流

新撰組局長・近藤勇の「薩摩者と勝負する時には初太刀を外せ」という発言から「薩摩のジゲン流は初太刀をかわせば素人同然」という拡大解釈に至り、「蜻蜓」と呼ばれる構えから袈裟斬りしかしない剣術というイメージが根付いているが、これは前述の薬丸自顕流との混同による誤ったイメージである。

実際には、当時の幕末において新撰組で使われていた天然理心流と並び、実用性がより多く残された実戦向けに特化された剣術である。


関連タグ

日本 薩摩 島津家

剣術 空手


外部リンク

示現流東郷財団

日本古武道協会

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