概要
2016年5月、オンライン小説投稿サイト『小説家になろう』にて連載開始。作者は灯台氏。
後にモーニングスターブックスから書籍化。2020年6月現在既刊9巻。イラストはおちゃう氏が担当。
コンプエースで連載。角川コミックス・エースから漫画版の出版。2020年6月現在既刊3巻。平安ジロー氏が作画を担当。
勇者召喚に巻き込まれてしまった主人公が、平和な異世界で交流や観光を行って存分に楽しんでいく異世界ファンタジー物語。タイトルどおり主人公がヒロイン達と平和に楽しく過ごす話がメインで、もちろんシリアスな回もあるが、大抵はシリアスブレイカーされる。
全くの余談だが、本記事はピクシブ百科事典で平成最後に作成された記事である。
あらすじ
ごく普通の大学生の宮間快人は、大学の帰り道に歩行者信号が変わるのを待っていたところ、偶然近くにいた高校生3人とともに勇者召喚に巻き込まれ異世界へと召喚されてしまう。
だがそこは魔王の脅威や他国同士の戦争などが一切無い平和な世界であり、初代勇者の偉業を称え10年毎に行われる勇者祭が行われていた。
その一環として召喚された彼らに対し、さらに一年経てば元の状態で無事に地球に送還してもらえるという保証をなされたため、祭りの主役である勇者役担当を除いた快人達は平和な異世界をそのまま満喫していく。
そんな中、快人は六王の一人で冥王・クロムエイナと出会う…。
登場人物
- 宮間快人(ミヤマ カイト)
主人公。福祉大学に通うごく普通の大学生3年生。大学の帰り道に正義の勇者召喚に巻き込まれてしまう。
謙虚で温厚なお人よしの人柄ではあるが、ここぞという時には体を張る事も厭わない性格。実は光永たちの高校のOB。ピーマンが大の苦手。
過去に大きな事故に遭った経験があり、自らは奇跡的に助かったものの両親を亡くし、それ以来は人との付き合いを避けるようにしている。首筋にその事故による大きな傷跡が残る。異世界に来てからは日記をつけている。
特に秀でたものは無い平凡な能力の持ち主だったが、この異世界で創造神のシロから加護を受け、感応魔法も習得、クロをはじめとする異世界では偉大過ぎる六王や神族などと短期間で親しい間柄になる人脈チートの持ち主となった。
それゆえに一部からは「化け物」扱いされている。また、加護の効果によりレースの賭博で必ず一着を的中させるなどかなりの幸運の持ち主ともなっている。
感応魔法は快人のみが使える固有魔法と呼ばれる種別のもので、他者の感情を読み取ったり、自身の感情を周囲に伝播する事が出来る。
これにより無意識のうちに相手の望みを読み取ったり、こちらの友好的な感情を伝えたりしており、人脈チートの一因ともなっている。また、シロの加護の影響もあり、人見知りな精霊からもすぐ懐かれている。
特技はルービックキューブであるが、将棋やチェスなどボードゲームは恐ろしく弱い(アリスが手加減しようとして匙を投げるほど)。
快人本人に戦闘能力はないものの、クロによって制作された魔法を使用する事で一応は戦う事ができる。しかしあくまでも一応程度であり、周囲のチート級の人物たち程の力も出せない上に、使用した後は疲労などで倒れてしまう。
- 楠葵(クスノキ アオイ)
陸上部に所属する高校2年生の女子。
後述する陽菜と正義の学校及び部活の先輩。正義の勇者召喚に巻き込まれ、異世界へ召喚されてしまった。
大企業の社長令嬢で、凛とした優等生でもあり、立ち居振る舞いからも育ちの良さが窺える。実はかなりのゲーマー。小学校からネットゲームをプレイしている(ただし、一日一時間だけのライトユーザー)。
快人とは召喚時が初対面だが、実は過去にネットゲーム上で知り合っており、当時初心者でゲーム知識が無く困っていたところを快人(プレイヤー名「シェル」)に声を掛けられて助けられ、それ以降彼と頻繁にプレイするようになる。次第にオンライン上で彼と会うことが楽しみとなり、好意を寄せるようになった。
なお「ハイビス」というプレイヤー名を名乗っていたこともあり、当初は快人からは男の子だと思われていた。
当初は快人のことを頼りなく思っていたが、とある出来事で一瞬で打ち解けるようになり、それによって快人が「シェル」ではないかと感付いている(WEB版では確信して打ち明けている)。
後に土属性魔法を取得、陽菜とともに冒険者として活躍する。
- 柚木陽菜(ユズキ ヒナ)
葵と正義と同じ陸上部に所属する高校1年生の女子。
正義の幼馴染で、彼の従妹。であるが、恋愛感情は皆無。正義の勇者召喚に巻き込まれ、異世界へ召喚されてしまった。
明るく天真爛漫な性格で、しかも巨乳。
だが、当初は異世界に来たことによる不安で部屋で密かに泣く寂しがり屋な面もある。兄は快人の同級生であり、高校時代は委員長をしていた。そのため快人の事を聞いて知っており、快人を先輩と呼ぶようになる。
後に身体強化魔法を取得、葵とともに冒険者として活躍する。
- 光永正義(ミツナガ セイギ)
葵と陽菜と同じ陸上部に所属する高校1年生の男子。
勇者祭の勇者役として異世界に召喚される。葵に好意を持っていた。
勇者として召喚された事が判明するやいなやガッツポーズをするなど、かなりオタク趣味な様子。一方で、家庭は両親が仕事人間のため家族らしく接されていなかった(ネグレクトではないものの関心を寄せていない)ため、捻くれた性格になっている。他の3人とは違い勇者として国賓級の扱いを受けていたことで性格も相まって天狗になり、かなり調子に乗っていたが、後に第二王女・カトレアの鉄拳制裁を受けてからは改心。そして、彼女に惚れた上に目覚める。
物語序盤から勇者祭の主賓としてカトレアとともに周辺諸国を訪問しており、出番はかなり少なく、WEB版では2話以降、ハイドラ王国編の266話(書籍では9巻)まで出番はない上、ハイドラ王国編後は現在の時点でまったく出番が無い。しかし、再登場した時は爽やかなイケメンに変貌していた。
六王
- クロムエイナ
『冥王』と呼ばれる六王の一角。愛称「クロ」。
その物騒な称号とは裏腹に慈悲深く温厚である事が人界でも知られており、たくさんの崇拝者もいる。
その本体は黒い煙のような不定形の存在だが、現在は主に幼い少女の姿で現れている。他にも色々な姿に変わる事が出来る。見た目とは裏腹に実力は六王の中でも飛び抜けており、最高神でもまともに太刀打ち出来ないほど。
ベビーカステラが大好物であり、何でもかんでもベビーカステラに入れようとする癖がある。
この世界において、魔法具で最大のシェアを誇るセーディッチ魔法具商会の創設者でもある。シンフォニア王国の街中で偶然出会った快人を気に入り、彼と深く親交するようになる。
ボクっ娘で明るく元気な性格だが同時に包容力もあり、快人を膝枕するシーンが多い。
実は、本編における勇者召喚のトラブルを引き起こした張本人であり、とある目的で勇者召喚の魔法陣に自分の魔力を注いで暴走を引き起こした。快人が巻き込まれたのは偶然だったわけではない。
- アイシス・レムナント
『死王』と呼ばれる六王の一角。
白い長髪に白い肌、赤い瞳の美女で、ゴシックドレス風の服を身に纏っている。死者の怨念や魔力が集まり生まれた実体のあるゴーストのような存在。
世間では戦王と並び機嫌を損ねると殺されるような存在であると恐れられているが、本当は寂しがり屋で物静かな性格。
強烈な死の魔力を纏っており、制御しきれずに漏れ出した魔力によって彼女と同格以上の者でもない限りは怯えてとても近寄れない。そのため長きに渡って孤独に苛まれていた。この体質の関係もあり、(快人が来るまで)六王の中で唯一配下がいなかった。
ある日、偶然シンフォニア王国に訪れた時に快人と対面し、初めて逃げずに自分を受け入れてくれた快人に恋に落ちる。それからは快人を一途に想い続け、彼との幸せな時間を過ごしていく。一方、快人が怪我をしたり虐められたと判断すると、その相手を容赦無く殺しに掛かろうとする。
実は異世界の邪悪な存在が元になっている。
- リリウッド・ユグドラシル
『界王』と呼ばれる六王の一角。
冥王と並び温厚な人柄で人気があり、特にエルフからは崇拝されている。
世界樹の精霊であり本体は樹木だが、普段はドリアードのような姿の分身で活動している。
あらゆる怪我や病気を治す世界樹の果実を作り出すことが出来る。流通をかなり厳しく制限されているためか、処分に困るほど大量に世界樹の果実を持っている。
六王の苦労人担当であり、アイシスやメギドの被害の後始末を押し付けられることが多い。
作中でも一、二を争う巨乳。
- メギド・アルゲテス・ボルグネス
『戦王』と呼ばれる六王の一角。
巨大な2足歩行の獣のような姿をしているが、人化して筋骨隆々の野性的な大男の姿も取れる(実際は性別も変えられるため、妙齢の女性の姿にもなる事が出来る)。
何よりも戦う事が好きで、配下も血の気の多いものばかり。
ただし当人は知力もまた力であると考えており、様々な知識をどん欲に吸収している。
またあくまでも好んでいるのは「戦い」であるために力押しによる一方的な展開を好まず、必ず何らかのハンデを設けてどちらにも勝ち目がある状態からの勝負にしようとする。
その細かいことを気にしない性格の所為で、よく彼の被害を受けるリリウッドとは特に仲が悪い。
- マグナウェル・バスクス・ラルド・カーツバルド
『竜王』と呼ばれる六王の一角。
魔界最大の生物と言われるほど巨大な竜であり、その体の大きさは山脈に例えられるほど。
移動時も街を踏みつぶさないように気を付ける必要があるため、普段は自身の領土から出ようとはしない。
厳格で威厳のある性格だが同時に好々爺然としたところもあり、気に入った相手には気前の良い所を見せる。
- ノーフェイス
『幻王』と呼ばれる六王の一角。別名は「シャルティア」。
六王の中でも特に謎が多く、その素顔を知るものは同じ六王やその他極一部に限られている。
魔界と人界の安定を保つために裏で暗躍しており、六王随一の配下数を持つ。
死王と並んで要警戒の人物とされる。快人の前に度々現れ、試練を課している。
その正体は…。
神族
- シャローヴァナル
創造神。愛称「シロ」。
神界、魔界、人界の全てを作り出した存在であり、ほぼ全能と言われるほどの力を持つ。
感情が薄く無表情で声にも全く抑揚がないしゃべり方をする。いざとなれば同じ言葉を繰り返し、相手の心を折る。
ド天然でもあり、主に友人のクロから齎される偏った知識を真に受けとんでもない行動に出る事がある。
外見的には何もかもが完成されすぎていると表現されるほどに美しいが、同時に現実味を感じさせない。
クロの頼みで仕方なく快人に対し適当に祝福を行ったが、その後のお茶会で快人に「力を差し上げますか」と問うた時にそれを断った快人に興味を持ち、最初の祝福を解除し本祝福を行い直し加護を与えた。
交流してからは快人の心の声を聞いているらしく、それに返答することもある。
最高神
- クロノア
最高神の一柱である時空と空間を司る時空神。シンフォニア王国の管理を担当している。
右目が赤、左目が青のオッドアイ。最高神の中では最も生真面目なのだが、それ故にシャローヴァナルから無茶振りをされ、神であるにも関わらず胃薬の世話になる事がある。
勇者召喚の異変を調べるために神殿に現れた際、快人から特別な気配(おそらく祝福を行ったシロの力?)を感じ取り、後見人のリリアに略式の祝福を行う。これ以降、リリアとは懇意の仲となり、後に本祝福を行い絶大な後ろ盾となる。
神族の苦労人担当。絶壁(身長が高い事も含め本人は結構気にしている)。凛とした見掛けと男らしい性格のせいで女性扱いされたことが無かったため、快人に綺麗などと言われて慌てふためいた。
クロの従者のアインとは顔を合わせるたびに口喧嘩が始まり時には実力行使に及ぶこともあるが、その後は一緒に飲みに行くなど、喧嘩友達のような間柄。
- フェイト
最高神の一柱である運命を司る運命神。ハイドラ王国の管理を担当している。
かなりの面倒臭がりで自堕落な性格をしており、普段は丸型クッションに寝そべっている。本来の義務をほとんどやらないため、クロノアに常日頃から働くように言われているのだが聞き流している。
しかし、シャローヴァナルへの忠誠心は本物であり、シャローヴァナルが関わる出来事に関しては一転して真面目に働いている。また、人前に出る時は非常に冷徹で威圧的な態度となる。
実は一番初めにシャローヴァナルが造り出した神族。世界の殆どの物を思い通りに出来る運命の力によって世界の殆どの物(配下の神族を含め)を『つまらない存在』と見てしまっている。
働かずに誰かに養ってもらうと公言して憚らず、異世界人の快人を『面白い存在』として興味を示し、養ってもらうことを目論む。甘えたり色仕掛けしたりして迫るが、度が過ぎてクロから制裁を受けることがある。
それは快人に対しての打算も入っていたが、徐々に好意を寄せるようになり…
小柄だが、胸は大きい。
他の最高神と違い、ノーフェイスとは普通に仲が良い。
WEB版と書籍版とでは登場時期は異なり、WEB版では宝樹祭後で、書籍版は宝樹祭前になっている。
- ライフ
最高神の一柱である生命を司る生命神。アルクレシア帝国の管理を担当している。
フェイト程ではないもののあまり働いていない、と言うより普段は寝ている(本人曰く「瞑想」)ためクロノアから働くように常々言われている。
実は肉弾戦に特化した神であり、キレた時は恐ろしい容貌となってバーサーカーとなる。だが、本人は肉弾戦を野蛮で下品と思っているため、滅多に行わない。
見た目に反し意外と腹黒い。快人のことはシロの加護を受けた存在として最大限の礼を持って接すると考えており、自分の身体を好きに弄んでも構わないと公言している。
リリウッドと並び作中最大級の巨乳(アイシス曰く「駄肉」)。
アイシスとは「死神」と呼ぶなど表面上は犬猿の仲だが、実際は手紙のやり取りをしているほど関係が深い。
上級神
- シア
上級神の一柱である災厄を司る災厄神。
創造神、最高神に次ぐ戦闘力を持つ。つまり上級神最強であり神界5位の実力者。
災厄とあるが人々に試練を与えその成長を促すという意味合いのものである。フェイトの配下で、彼女にほとんどの仕事を押し付けられている。特に快人が来てから多くなったため、快人と対面した時に怒りをぶつけていた。
その言動は後書きやカバー裏に出没するとある人物と酷似しているが別人(神?)である。大の辛党。メギドとはかつて激突した事があり、以降も口では貶しているが、実際は食べ物の好みが一緒だったりで気心の知れた仲であり、たまに居城を訪れている事も。
下級神
- ハート
下級神の一柱である恋愛を司る恋愛神。
フェイトの配下で、明るいピンクの髪を綺麗に後ろで纏めている。フェイトの我が儘に苦労している。
魔族
冥王陣営(クロの家族)
※名前は数字関係に由来する。
- アイン
クロのメイド。
その正体は魔界唯一の公爵級高位魔族。実力的には六王に匹敵し実際に王の地位にも誘われたが、クロのメイドである事を優先して辞退したため、アインのために公爵級という爵位が作られた。アインに匹敵するのであればそのまま王にもなれる事から、通称『空位の守護者』と呼ばれるようになった。クロに絶対的な忠誠を尽くしている。あらゆることを最大限に完璧にこなすパーフェクトメイド。
メイドとしての基礎能力も非常に高いのだが、それに加えて時間を操作する能力を持っており、クロノアが権能によって停止させた時間の中でも行動可能なほど。
時間を自在に操る事すら「メイドとして当然の嗜み」と言うほどメイドという存在を絶対視している。
逆にメイドである事が存在意義になってしまっているため、休暇を取らせるためにクロから一日メイド禁止を言い渡された際は、メイドでない自分に価値はないと部屋の隅で膝を抱えてうずくまってしまう程に落ち込んでいた。
名前の由来はドイツ語の「1」。
- ツヴァイ
アインに次ぐ古株の魔導人形。
暗い緑のショートボブと鋭く釣り上がった赤い目が特徴。ズボンタイプのスーツ風の服を着ている。
非常に厳格な性格で自他共に厳しく、身嗜みなど品位を損なうことをすれば長時間の説教をするため、アハト達に恐れられている。快人曰く『教師タイプ』。
クロに変わってクロが所有する土地の統治を任されている。
名前の由来はドイツ語の「2」。
- トーレ
WEB版・書籍共未登場。
名前の由来はイタリア語の「3」。
- フュンフ
クロの居城の門番をしている伯爵級女性魔族。
面倒見のいいお姉さんタイプ。錬金魔法に秀でており、普段はボディスーツのような服を着て50メートルを超える巨大ロボットのような巨大甲冑に身を包んでいる。普段は金髪の長髪だが戦闘時は薄い桃色の短髪に変わる。
WEB版の第1部では快人と対面していないが、書籍では6巻で対面。番外編では書籍に沿った内容になっており、すでに対面した態になっている。
名前の由来はドイツ語の「5」。
- ゼクス
『死霊の大賢者』と呼ばれるリッチ。
魔法学校の基盤を造る等、人界でも有名な人物であり、セーディチ魔法具商会の会長代理も務めている。
名前の由来はドイツ語の「6」。
- ラズリア
ピンクブロンドのロングヘアーが特徴的な花の妖精。愛称「ラズ」。初代妖精王。
天真爛漫な性格で、あらゆる農作物を育てる事に長けている。見掛けによらずクロの家族の中でもかなりの実力者。
快人の事をなぜか「カイトクンさん」と呼び、かなり気に入っている。
名前の由来は七宝(「7」)の一つラピスラズリから。
- アハト
青い肌と二本の角を持つ特殊個体(本編での通常のオーガは角一本で肌は緑か赤)のオーガの男性。
エヴァとは相棒でもある夫婦。
かつては特殊個体ということで同族から奇異な目で見られて孤立し、その鬱憤を晴らすかのように同じ境遇のエヴァとともに各地で暴れまわっていた。ある高位魔族(当時、男爵級だったキャラウェイ)によってエヴァとともに瀕死の重傷を負った際にクロと出会い、自分達を受け入れてくれたクロを崇拝するようになる。
名前の由来はドイツ語の「8」。
- エヴァル
銀色の毛並みを持つ特殊個体の黒狼族の女性。愛称「エヴァ」。
姉御肌な性格で、アハトを尻に敷いている。
名前の由来はハワイ語の「8」。
- ノイン
黒い騎士甲冑に全身を包んだ魔族。
その正体は快人達と同じく召喚された日本人の女性で、魔族に転生した元初代勇者。本名は『九条 光(クジョウ ヒカリ)』。大正生まれ。和食をこよなく愛しており、ラズに米を栽培してもらっていたり、アインに和食を作ってもらっている。
名前の由来はドイツ語の「9」。
死王陣営
※現状番外編のみの登場
- イリス・イルミナス
『六連星(むつらぼし)』と呼ばれる死王傘下の六人の伯爵級魔族のリーダー兼まとめ役。通称『黒暴星』。
昔からのアリスの知己。
- ポラリス
『六連星』の一人。通称『極北星』。
『六連星』の副リーダー。限定的な未来予知能力を持っている。
- ウルペクラ
『六連星』の一人。通称『狐妖星』。
十本の尾を持つ狐の魔物が魔族に進化した異質の存在。見た目は狐獣人の少女。
悪戯好きな性格だが、アイシスと快人には素直で人懐っこい態度となる。
- スピカ
『六連星』の一人。通称『晶花星』。
ブルークリスタルフラワーの精霊。
関西弁と京都弁が混じったような独特の口調で話す。
- シリウス
『六連星』の一人。通称『天刃星』。
身長が2メートルを越える虫人型の魔族。剣を極めんとする剣士。
- ラサル・マルフィク
『六連星』の一人。通称『地縛星』。
魔界で数万年引きこもって研究だけしているネクロマンサー。
界王陣営
- リーリエ
界王配下筆頭の女性魔族。
『七姫』と呼ばれる界王傘下の七人の伯爵級魔族のリーダー。通称『魔華姫』。
光の届かない暗い洞窟の奥にのみ咲く魔導華の精霊。
盲目だが感知力に特化した能力を持つ。穏やかで優しい性格だが、ちょっと茶目っ気もある。
- ティルタニア
『七姫』の一人。通称『妖精姫』。
現精霊王。ラズリアの後輩にあたる花の妖精。
ラズリアのことを心から尊敬している。『七姫』のムードメーカー的存在。
- カミリア
『七姫』の一人。通称『草華姫』。
草の精霊。もっとも影が薄く、リリウッドのメイドと勘違いされている。
- ブロッサム
『七姫』の一人。通称『桜花姫』。
ノインから話を聞いたリリウッドが作り出した桜の木の精霊。
黒い髪に桜を模した簪を刺した和風美人。
- ロズミエル
『七姫』の一人。通称『薔薇姫』。
薔薇の精霊。派手な外見をしているが、実は結構人見知り。
- ジュティア
『七姫』の一人。通称『大樹姫』。
精霊樹の精霊であり、人界の精霊族のまとめ役。
- エリアル
『七姫』の一人。通称『天花姫』。
空に咲く伝説の花の精霊。
戦王陣営
- オズマ
ボサボサ頭で無精髭の中年男性。
どこかだらしない雰囲気をしているが、正体は『戦王五将』と呼ばれる戦王傘下の五人の伯爵級魔族の一人。通称『静空』。
戦王配下では最古参で、実力は五将筆頭のアグニを上回る。
WEB版と書籍版では登場時期が大きく異なり、WEB版では1章の後半である六王祭からだが、書籍版では1章前半の宝樹祭からの登場。
- アグニ
『戦王五将』筆頭。通称『業火』。
紅蓮の長髪を首の後ろで大きな三つ編みにしている女性。
- イプシロン
『戦王五将』の一人。通称『絶氷』。
着物に似た服を着た青髪の女性。武器に薙刀を扱う。
- バッカス
『戦王五将』の一人。通称『鉄血』。
重厚な鎧を身に纏った巨漢の風貌の老人。武器に巨大な斧を扱う。相当な実力者なのだが、作中では対峙する相手が悪すぎて瞬殺されている。
- コング
『戦王五将』の一人。通称『豪傑』。
名前の通り頭に大きな角が生えたゴリラのような風貌。
- イータ&シータ
戦王配下の双子の女性高位魔族。イータが姉で、シータが妹。
どちらも髪が赤いが、髪が長くて熱血な性格がイータ、髪が短くクールな性格がシータ。イータは大槍を、シータは大盾を得物としている。
メギドから快人を宴に招くよう命令を受けたが、意味を履き違えて快人を不意打ちし、強引に連れて行こうとするも、アニマとジークに敗れる。その後、不意打ちしたことでメギドの怒りを買って殺されかけるも、快人によって助けられる。この出来事から快人に深い恩義を感じ、二人揃って戦王の陣営を離れ、快人付きの従士兼メイドとして仕える。しかし、家事は壊滅的だったため、イルネスの指導を受けている。
- シグマ
戦王配下の男爵級魔族。日本刀に似た剣を持つ青い髪の男性。
イータ&シータがアニマとジークに敗れた後に登場し、疲労で分が悪かったアニマとジークと代わって相手になったアリスと戦うも、終始翻弄された末に敗れる。
竜王陣営
- ファフニル
竜王配下の伯爵級魔族の超古代真竜。
『四大魔竜』と呼ばれる竜王傘下の四体の高位古代竜(ハイエンシェントドラゴン)の一体。通称『誇り高き黒竜』。
漆黒の身体で全長は百メートルを超えるが、身体の大きさを変えることが出来る。
- ニーズベルト
『四大魔竜』の一体。
ワイバーンの特殊個体・ニーズヘッグの超古代真竜。通称『滅炎の天竜』。
- エインガナ
『四大魔竜』の一体。
魔界南部の海を統べる巨大な水竜。通称『大海に座す水竜』。
- グランディレアス
『四大魔竜』の一体。
マグナウェルに次ぐほどの巨体を誇るヘルグラウンドドラゴン。通称『不倒なる地竜』。
幻王陣営
※本名を持つ者はコードネームとなっている。
- パンドラ
幻王傘下の伯爵級魔族の十人の幹部『十魔』筆頭。序列一位。通称『鎖持つ狂鬼』。
ヘルナイトメアという種族の女性魔族。伯爵級の中でも最強を誇る。
幼い時にド外道な魔族に捕らえられて拷問を受けて右目を失っている。幻王にその魔族から助けられて以来、幻王に狂信している。敵対者には容赦ない拷問を行うサディストだが、幻王や快人など特定の人物には逆にお仕置きを求めるマゾヒストでもある。仕事は真面目だが幹部の中では一番性格がぶっとんでおり、幻王ですらどうしてこうなったのかと頭を悩ましている。不在時は幻王の影武者も務める。
- パンデモニウム
『十魔』副リーダー。序列二位。通称『滅び呼ぶ病魔』。
上級神の祝福すら容易に貫通するほどの病魔の力を持つ身体が包帯だらけの女性魔族。幹部の中では一番の常識人。シンフォニア王国情報統括兼、人界全域統括責任者。
その正体は…。
- グラトニー
『十魔』序列三位。
可愛らしい服を着てぬいぐるみを抱いた少女。通称『亜空の捕食者』。
魔界情報統括責任者。
- ファントム
『十魔』序列四位。
半透明で浮いているようにローブを纏った亡霊のような存在。通称『災厄の亡霊』。
- アスタロト
『十魔』序列五位。
幻王から下賜された牛の着ぐるみを着た魔族。通称『虚像の密告者』。
爵位級認定最高責任者。
- モロク
『十魔』序列六位。
本名『サタニア・ダークロード』。
褐色肌の悪魔公(デーモンロード)の少女。通称『贄求める大魔』。
デーモン種のまとめ役。アルクレシア帝国情報統括。
- リリム
『十魔』序列七位。
本名『リスティア・アスモデウス』。
抜群のプロポーションを持つ長い金髪のサキュバス。通称『嘲笑う悪夢』。
サキュバス、インキュバスを統べる存在。実はとある人物の母親であるが…。
- カタストロ
『十魔』序列八位。
燕尾服に身を包んだ薄緑髪の女性魔族。通称『永久の災害』。
ハイドラ王国情報統括。
- フェニックス
『十魔』序列九位。
緑色の炎を纏った不死鳥。通称『不滅の焔』。
- ティアマト
『十魔』序列十位。
本名『メディア・レビアタシ』。
二本の角を持ち4メートルを越える巨大なラミア。通称『嘆く絶望』。
感受性豊かで、ことあるごとに世の無常さを嘆いて涙を流す。
その他
- キャラウェイ
キャットレイド(猫獣人型魔族)の子爵級女性魔族。長い尻尾を持つ。愛称「キャラ」。
類稀な才能によって子爵級まで昇り詰めたことから、一族から『英雄』扱いされていた。
伯爵級を目指す野心から召喚されてすぐの快人を狙い、認識阻害の魔法をかけて誘拐しようとしたが、クロが登場したことで邪魔される形となり、その場から逃走した。
その後、シロに特定されてクロから尋問を受けるが、謝罪したことで叱責だけで済む。だが、この一件で一族や他の魔族達から白い目で見られるようになる。
後に快人に謝罪する機会を得る。さらに快人の何気無い行動によって自身が救われる形となり、彼を深く心酔するようになる。
尻尾の形でその時の感情が表れている(「?」なら悩んでいる、「♪」なら喜んでいる等。ただし、快人の前だけ喜びは「♡」になる)。
シンフォニア王国
- リリア・アルベルト
アルベルト公爵家の現当主の女性。22歳独身。快人達を召喚した人物。
現国王の腹違いの妹で、本名は『リリアンヌ・リア・シンフォニア』。愛称「リリィ」。
幼い頃から天才と持て囃され、後に弱冠14歳で『白薔薇の戦姫』(ルナとジークの三人で『シンフォニアの三花』とも呼ばれていた)という異名で呼ばれるようになり、王国最強と謳われるほどの実力を持つ王国騎士団第二師団長だった。しかし、それが祟って婚約者に逃げられる(実際は、裏であくどいことしていた婚約者が彼女に断罪されるのを恐れたためである)。
四年前、大量発生した魔物の討伐任務の時に王位継承権を巡るある貴族達の陰謀で、すり替えられた偽情報が原因で魔物の巣の隣に位置する形で第二師団の陣を構えてしまい、師団が大量の魔物に襲われてしまう事件が発生。奇跡的に死者は出なかったがジークが声を失うほどの重傷を負ってしまう。嵌められたとはいえ、その失態の責任を取る形で師団長を辞め、継承権を放棄して現在の名前を名乗り、公爵の地位にいる。
その後は、偽の情報をすり替えた黒幕の貴族達の割り出しと、ジークの声を直すために世界樹の果実の入手に尽力していた。後に黒幕の貴族達を時空神の加護によって断罪し、ジークの声は快人が手に入れた世界樹の果実で回復する。
正義感が強い性格だが、その分責任感も強く、必要以上に自分を責める面がある。
勇者のみ召喚されるはずが、複数人召喚されたことで今回の勇者召喚の責任者だったリリアは彼らを保護することとなる。高貴な出であるが傲慢さや差別意識は一切無く、快人達と分け隔てなく接し手厚く持て成している(これは幼少期にイルネスから受けた教育の賜物である)。一方、過保護すぎる国王にはうんざりしている。
本来は王妹にして公爵家当主というかなり高位の立場なのだが、快人が知り合ってくる相手が遥かに格上の存在ばかりであり、その対応をさせられるためよくキャパオーバーで気絶し、度重なる心労から胃薬が手放せなくなっている。
婚約者に逃げられてからは恋愛運が無く、恋愛神から祝福を受けても効果が無かった。また、女性ばかりの環境で育った影響で男性との免疫も無く、握手だけで顔を真っ赤にするほどの初心。
当初、快人のことは肩身が狭い立場から気を配っていたが、快人が次から次へとトラブルを起こす(もちろん、本人にその意図とはない)ため、さすがにげんなりしている。しかし、彼と交流するうちに次第に彼に惹かれていく…。
人界の苦労人担当。ドラゴンが好きで六王の中でもマグナウェルが一番格好いいと主張している。
- ルナマリア
アルベルト公爵家の筆頭メイド。魔族とハーフエルフの混血の半魔。愛称「ルナ(ノアなどからは「ルーちゃん」)」。
リリアの親友兼専属メイドで、かつては『黒百合』の異名を持つ最上位冒険者。武術大会でリリアと戦い、彼女を翻弄して激闘を繰り広げたことがある。大会後に第二師団に二年ほど所属し、四年前の事件後に師団長を辞めたリリアの後を追ってメイドとなる。リリアや快人などに茶々入れたりする悪戯好きなところがある。かつて母親のノアの危機をクロに救われたことがあり、それ以来冥王の狂信者となっている。実は虫が大の苦手。
- ジークリンデ
アルベルト家に仕える赤いショートカットのエルフの男装麗人の女騎士。愛称「ジーク」。
リリアの幼馴染でアルベルト公爵家の私兵の中で最強を誇り、『紅椿の騎士』と呼ばれていた。かつては第二師団の副団長を務めていたが、四年前の事件で喉に深い傷を負って喋ることが出来なくなったため、リリアはそれを負い目に思っている。当初から快人に友好的(というよりも同情的)で、彼の護衛を行っている。感応魔法のおかげで喋らなくても意思疎通が出来る快人に次第に親しくなり、ついには好意を抱く様になる。動物全般が好き。
宝樹祭後、快人が入手した世界樹の果実を受け取る。そして、イータ&シータの襲撃でそれを食べて声と力を取り戻す(実は四年前の事件で喉以外にも身体中がボロボロな状態で、普段は身体強化魔法でそれを誤魔化していた)。
- イルネス
アルベルト公爵家のメイド。
特徴的な間延びした喋り方と焦点のあっていない目、そして不気味な笑顔からは想像も出来ないほど有能で献身的。
長命な魔族であり見た目の年齢は少女と呼んでもいいほどだが、実際は屋敷の大半のメイドを教育担当として育て上げたほど長く働いている。(最低でも)優秀なメイド十人分以上の働きをしていると評されるほどのかなりの有能で、王族時代からリリアが慕っている存在。
その有能さからリリアや現メイド長らから何度もメイド長への昇格を打診をされているが、本人は裏方を望み固辞し続けている。せめて給料を上げようとリリアに散々言われているが、それもその都度断っている。
快人に対し最初から好意的であり、後に専属となっている。実は、初対面の時に彼に一目惚れしていた。当初、公爵家の男子禁制の所為で肩身を狭そうにしていた彼の現状に憤り、偏見を持つ使用人達を巧みに思考誘導したり遠ざけたりして改善させている。
その正体は、幻王幹部『十魔』の一人、パンデモニウム。他者に何も求めず、己の基準で己を捧げる献身の怪物。だが、同時に捧げる相手がいなかったという歪みを持っていた(快人と出会って改善)。幻王直々にスカウトされ、ある種の条件を得て部下となった。幻王の命令で人界統括責任者となり、自身はシンフォニア王国担当の情報収集係の一人となっていたが、現在は王女だった頃のリリアに勧誘されたのを契機にその任は解かれている。快人が来て以降は快人を最優先し、幻王に快人を監視するように指示されたがきっぱり断った(書籍版に記載)。
元々はヤンデレキャラになるはずだったが、後述のエデンと被るため変更された(WEB版の初登場回では、その名残がある)。
WEB版では六王祭の時に登場したが、書籍版では宝樹祭後の4巻から参加となる。
シリアス先輩から「ヒロイン力の暴力」と称される程、甘ったるいエピソードが多い。
777話記念特別番外編ではヒロインに選ばれている。
- アリス
快人が出会った謎の少女。
雑貨屋を経営しているが、普段からなぜか不細工な猫の着ぐるみを着ているため敬遠されており、商売もまったく売れず、しかもギャンブル好きも祟っていつも金欠。
温厚な快人が鉄拳制裁をするほど、図々しくウザい性格。そのため、快人からかなりぞんざいに扱われている。素顔はかなりの美少女なのだが、実はかなりの恥ずかしがり屋であるらしく、普段は着ぐるみを着ているかオペラマスクを付けている。
だが、それとは裏腹に男爵級魔族を赤子扱いするほどの実力を秘めている。
また、何やら情報に精通しており、裏の世界では「シャドウエッジ」と呼ばれている。
その正体は六王の一角・『幻王』ノーフェイス。とある目的から快人を見定めるために監視しつつ、度々試練を課していた。そして、快人が自分の出していたヒントを元に自分の正体を見破ったことから彼を認め、彼に忠誠を誓い、陰から護衛を担うものの、その態度は変わらずウザい。
書籍版ではアイシスより先に接触する。
- ライズ・リア・シンフォニア十八世
シンフォニア王国現国王。リリアの異母兄。妻は十人いる。
かなり年上だが二十代にしか見えないほぼ若々しい容姿を持つ。側室の子として生まれ、当時は王妃のダリアに子供がいなかったためそのまま王位を就くはずだったが、二、三十代の頃に王妃の子としてリリアが生まれたため、王位継承権の争い(当人達というよりも両者の派閥による)が起こる。結局はリリアがまだ幼いのと当時の王だった父のロータスが病弱で早く王位を譲りたがっていたため、彼が王位に就く。
彼自身は特別秀でた能力はなく、天才だったリリアのことを当初は嫉妬と不安から疎ましく思っていたが、自分を兄として純粋に慕い、病気の時に看病してもらったことから自身の愚かさを恥じ入り、今では非常に過保護になっており、彼女の周囲から徹底的に男性を排斥するほど(その所為で公爵家は男子禁制となってしまい、それが元で多くの使用人が快人に対し当初は不快感を抱いてしまっていた)。
現アルクレシア帝国皇帝のクリスとは幼馴染だが犬猿の仲で、彼女からは『蛇』(見かけによらず狡猾な面があるから)と呼ばれている。
普段はまともな人物だが、リリアに関することは軽率な行動が多く、召喚された快人に対し新年の夜会に招待しないといった些細な嫌がらせを行った結果、冥王を怒らせたため立場がかなり悪くなってしまう(主に冥王の信者達から)。さらに死王も怒らせてしまい国家存亡の危機にさらされたが、後にリリウッドに諭され公式の場で快人に対し誠意を持った謝罪を行い和解、時に快人に助言するなど交流を深める。
- アマリエ・リア・シンフォニア
シンフォニア王国第一王女。リリアの姪。
ダークブラウンの長髪を緩くカールさせている明るい赤色の瞳の美少女。女性だが第一王位継承権を保持している。
人の色恋沙汰に首を突っ込むのが好き。必要とあらば快人にも身を奉げることも厭わない。
- カトレア・リア・シンフォニア
シンフォニア王国第二王女。リリアの姪。愛称「カティ」。
ゆるい縦ロールの金髪にやや釣り目の青い瞳の美少女。アリス曰く「リリアを少しツンデレにした性格」。
勇者役である正義の各国への訪問に同行。途中、あまりに調子に乗っていた正義に対し堪忍袋の緒が切れてリリア直伝のビンタを行い、改心させる。とともに、彼に惚れられてプロポーズをされる……が再びビンタした(一応、拒否ではなく保留)。
その後も、改心した正義と共に諸国を巡っている。
- オーキッド・リア・シンフォニア
シンフォニア王国第一王子。リリアの甥。妻が三人いる。
ダークブラウン髪の美青年。第二王位継承権を保持している。快人の親友となり、彼の相談に乗ることもある。
- ロータス・リア・シンフォニア
シンフォニア王国前国王。リリアとライズの父親。
立派な顎鬚を生やした白髪の男性。
行き遅れているリリアを心配している。
- ダリア・リア・シンフォニア
シンフォニア王国前王妃。リリアの母親。
明るい金髪で、リリアを少し成長させた感じの美女。
行き遅れているリリアを心配しており、快人にリリアを託そうとお願いしている。
- レイジハルト
ジークの父親。シルフィアの夫。愛称「レイ」。
非常に明るく軽い性格だが、元はシンフォニア王国の宮廷魔導士だった経歴を持つ実力者。妻とともにジークを溺愛しているが、調子に乗り過ぎてジークによく制裁を受けている。
宝樹祭で自分達が住んでいるエルフの街・リグフォレシアに訪れた快人達を妻と共にアグレッシブな出迎え方をして唖然とさせる。
- シルフィア
ジークの母親。レイジハルトの妻。愛称「フィア」。
レイと同じく非常に明るく軽い性格だが、エルフ族でもトップクラスの実力を持つ精霊魔導士。だが、快人が(感応魔法やシロの加護の影響もあるが)一瞬で精霊と仲良くなった(自身は二十年もかかった)のを目の当たりにして今まで培った誇りとプライドが粉砕される。
- ノア
ルナの母親。ハーフヴァンパイアの魔族である女性。
小柄でルナよりも若い風貌を持つ。ハーフエルフの男性と結婚していたが、50年以上前に死別している。天然な性格で、よくルナを振り回している。だが、かつては『鮮血姫』の異名を持つ最上位冒険者でもある。ヴァンパイアゆえに血を飲むが、夫の血の相性が悪かったせいで血を飲むのが苦手になり、貧血に悩んでいた。
ある日、貧血で体調を悪くしていたところを快人と出会ってフィーアの教会に連れて行ってもらい、そこで快人の血を飲んだことで貧血が改善。また、その時飲んだ快人の血のあまりの美味さに虜となり、快人に惚れこむ。そして、会う度に色目が露骨になっている。
- フィーア
王都の教会に住んでいる司祭兼医者。
熟練の医療魔術の使い手で医療費はその人の事情に合わせて払える分だけをもらうことにしている博愛の人。一方で超絶なドジっ娘で事あるごとにこけている。
その正体はかつて魔王を自称したクロの家族の伯爵級魔族。クロの想いを読み違えてしまったことで世界に甚大な被害をもたらしたため、それに深い悔恨を抱いて贖罪の日々を送っている。
なお、伝わっている物語では魔界の不穏分子を集め蜂起したが冥王に僅か数分で叩き潰されて説教されたが、それでも諦めず人界に侵攻。六王が魔界を出てしまうと神族を刺激し、人界を舞台に大戦が勃発する可能性があったため六王は動けず、人界は大きな被害を受ける。追い詰められた人界は異世界から勇者を召喚すると伝えられていた魔法陣を用いて初代勇者を召喚し、召喚された初代勇者は何人かの仲間と共に戦い打ち破ったとされている。
名前の由来はドイツ語の「4」。
- セイ・リベルスター
セーディッチ魔法具商会の会長。
白い顎鬚が特徴的な初老の男性。実はゼクスの配下。
- メアリ
飛竜便を営む女社長。
飛竜便で宝樹祭に向かう快人達を出迎えたが、まだ自分にも懐いていなかったリンを一瞬で懐かせた快人をぜひ飛竜御者にと勧誘する。快人がリンを引き取るために行ったマグナウェルとの直接契約により超がつくほど商売が繁盛する。
- フォルス
『森の賢者』と呼ばれるエルフの魔導士。
1000年前は初代勇者のパーティメンバーの一人でもあった。
- レイチェル
王国騎士団騎士団長の子爵級魔族のリビングドール。
ゼクスの妻。
- ドゥーカス
ガマガエルっぽい見た目の伯爵(強さが伯爵級ではない)。
初登場時にかなり好色な目つきで葵と陽菜に舐め回す様な視線を向ける(実はリリアが二人を色目から守ることで彼女の立場を上げようとしたライズが指示していたもの)。
本当は見かけによらず物凄い愛妻家であり、この世界では珍しく妻は一人しかいない。
アルクレシア帝国
- クリス・ディア・フォン・アルクレシア
賢帝と呼ばれるアルクレシア帝国皇帝の女性。
中性的な外見の男装麗人。類まれな才覚と帝国をより良く発展させるためなら身内や自分も犠牲にすることも躊躇わないほどの愛国精神を持つ。元は継承権八位と高い地位ではなかったが、継承権上位が示し合わせたかのように次々と失脚や放棄をしたことで王位に就いた経歴から人々から畏怖されている。現シンフォニア王国国王のライズとは幼馴染だが犬猿の仲で、彼からは「女狐」と呼ばれている。
当初、快人がクロ達とバーベキューするために迎えに来た馬車の御者に扮していた。その後、アリスと共に帝国を訪れていた快人を招き、国賓扱いして持て成した。更なる懇意の仲になるためにわざと着替え中に快人を部屋に呼んだりラブレターを送ったりなど、おちょくりながらも数々の色仕掛けを図っている。
魔族との混血で、クロとは一時期共に生活していたため、懇意の間柄。
- バルド
帝国第一騎士団長。子爵級の実力を持つ。
帝国に訪れていた快人達を迎えに赴いた。
- チャペル
モンスターレース場の支配人。
かなりのやり手で、快人がベルを購入しようとした際、彼と友好的に接する事が利益に繋がると見て彼を優遇する。
ハイドラ王国
- ラグナ・ディア・ハイドラ
マーメイド族の現国王の女性。
ハイドラ王国を建国した人物でもあり、1000年以上生きている。また1000年前は初代勇者のパーティメンバーの一人でもあり、現在では人界最強と呼ばれている。
当人はもう王を引退したがっているのだが、王として有能な上にあまりにも国民人気が高過ぎて辞めさせてもらえない状況。
魔法で他の姿(老人)に変化している際にフェイトの付き添いで来ていた快人と出会った。
その他
- アニマ
熊のような丸耳と丸尻尾を持った女性。軍装のような意匠の服を纏い、性格も軍人気質。
元はエルフの森で暴れまわっていたブラックベアーという魔獣の1体。宝樹祭の狩猟大会の最中に同族の特殊個体に率いられた群れの先兵として現れ、快人を襲って怪我をさせるが、駆け付けたリリアに討たれる。なお、特殊個体と他のブラックベアー達は快人に怪我をさせたことで、怒り狂ったアイシスにより全て殲滅させられた。
その後、シロの気まぐれにより転生する。か弱い身でありながら果敢に挑んできた快人に感銘を受け、「ご主人様」と呼んで敬愛しており、実質的に快人の従士長に収まる。当初は快人以外には非常に狂暴な態度を取っていたが、徐々に丸くなっていく。
元々ブラックベアーであった時にも種族の中でも頭一つ抜けた武力を持っており、転生後は子爵級の実力を持っている。
- ベルフリード
幼体の特殊個体のベヒモス。愛称「ベル」。快人のペット。
元々はモンスターレース用の魔獣だったが、その立場を酷く嫌っており、レース会場にいた快人を発見すると、彼にここから連れ出してほしいと訴える(なぜ彼に訴えたのかは不明)。感応魔法でその想いを受け取った快人はベルに大金を賭けると、ベルは他の強力な魔獣達を全て倒し、レースに優勝。大金を得た快人はすぐにそれを元手にベルを購入し、以後彼のペットとなり、快人に身体を洗ってもらうことが日課となっている。快人のことを心中で「パパ」と呼んで懐いている。プライドが高いため、快人やジークなど一部以外の人にはほとんど懐かない。特に快人をいじめていると思っているルナのことは嫌っている。
- リンドブルム
幼体の白竜。愛称「リン」。快人のペット。メス。
元々は飛竜便用に徴用された2頭の白竜の子供。宝樹祭の時期に航路を覚えさせるために連れて来られる。当初はメアリにも懐いておらず、警戒心が強く快人に威嚇していたが、快人の感応魔法で仲良くなりたいという気持ちが伝わり、非常に懐く様になる。その後、リンのことが気になった快人が引き取って飼うことに。快人のことは異性としても好意を抱いており、求愛行動で首に甘噛みしている。人見知りはするものの、ベルよりも他人に懐きやすい。
- エデン
第1部中盤から登場する天使のような翼の生えた女性。
正体は初代勇者や快人達の出身である地球世界の神の分体。
シロが地球から手に入れたいものがあったため、交渉のために呼び寄せられる。
自分の作った世界である地球出身の者を『我が子』と呼び溺愛している。逆に『我が子』以外には価値を認めていないどころか敵意すら持っており、シロとの協定がなければ大惨事になっていた可能性があるほどの危険人物。
直接接触した際に快人を高く評価し、一際強い愛情を抱いた。その結果、愛情過多なヤンデレ母そのものとなる。快人と会話していると何を言っても好感度が上昇して暴走していき、快人をさらって二人きりの空間で一生過ごそうとしたり、快人のためだけに世界を1個創造しようとするなど、放っておくとどこまでもエスカレートしていく。その度にクロに邪魔され撃退されているため、クロの事を特に嫌っている模様。
逆にある条件で快人への愛情が限界突破すると、他者への敵意すら快人への愛情によって上書きされるため、慈愛に満ちた聖母のような性格に一時的に変貌する。逆にヤンデレに特化した性格になることもある。
- シリアス先輩
メタキャラ。本作品ではあまりでてこないシリアスという要素が具現化した存在。辛党。
WEB版ではあとがきと呼ぶべき部分にのみ登場し、書籍版などにもカバー裏に登場する。
書籍版6巻発売の際にイラストが描かれ、漫画版のカバー裏ではそれが採用されている。
シアとは仕様の違う一切関係がない別の存在である。
なお、先輩の本編での出番は概念レベルでない模様。
だが、2020年のエイプリルフール番外編で本編に登場。