概要
一般的にはヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが作曲した「ピアノソナタ第11番第3楽章」と、ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲の「アテネの廃墟」付随音楽、フランツ・ヨーゼフ・ハイドンの「交響曲第100番『軍隊』」の3曲が「トルコ行進曲」と呼ばれる。
オスマン帝国の2度にわたるウィーン包囲に随行した軍楽隊メフテルの影響で、18世紀のヨーロッパではトルコ趣味が流行していた。
大太鼓やトライアングル、シンバルなどの打楽器やトランペットなどの金管楽器が多用され、現代のマーチングバンドにも多大な影響を残している。
モーツァルト「ピアノソナタ第11番第3楽章」
現在日本で「トルコ行進曲」といえばこの曲を指すことが多い。
18世紀ごろに作曲されたとされているが、明確な作曲時期は判明していない。1783年頃にウィーンまたはザルツブルクで作曲されたという説が有力だが、1778年頃にパリで作曲された説もある。
本来ソナタは4楽章構成であるが、第1楽章に相当する部分が存在しないのが特徴。
「トルコ行進曲」と呼ばれる第3楽章は左手側の旋律がトルコの軍楽隊の打楽器を模している。
『おかあさんといっしょ』では番組のコーナー名を羅列する替え歌『おかあさんといっしょのトルコ行進曲』がある。
杉ちゃん&鉄平は琉球音楽風アレンジ『琉球音階によるモーツァルト「ハイサイトルコ行進曲」』を制作している。
1990年にアルバム「あの時、この歌 第七集“ピアノのけいこ”」に収録された由紀さおりと安田祥子によるスキャットアレンジも有名。
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ハイドン「交響曲第100番『軍隊』」
1793年から1794年頃に作曲された交響曲。
「軍隊」の由来は第2楽章と終楽章でそれぞれトルコ軍楽調の打楽器とトランペットで、初演の時点で「軍隊交響曲」と付けられていた。
ベートーヴェン「アテネの廃墟」付随音楽
アウグスト・フォン・ゴツェブーの同名の戯曲の付随音楽として1811年から1812年に作曲された。
全8曲構成だがベートーヴェン自身も「気晴らしの小品」と呼ぶほど当時から演奏される機会が少なく、現在では序曲と「トルコ行進曲」に相当する第4曲のみが演奏されることが多い。