概要
行進曲(こうしんきょく)とは、運動会や軍隊など大勢の集団が歩調を揃えて行進するために演奏する楽曲である。英語由来の「マーチ」(March)も広く用いられている。
古くはオスマン帝国(トルコ)の軍楽隊が中央ヨーロッパに進出する際に吹き鳴らし、当時のヨーロッパの人々に対して強烈な印象を与えている。この当時の軍楽隊は大太鼓、シンバル、小太鼓と管楽器のみというシンプルな構成であったが、オスマン帝国軍の強力さと相まってヨーロッパの各地で流行するようになり、『トルコ行進曲』(モーツァルト)をはじめとする彼らの模倣(もほう)作品がいくつか世に出るようになった。
その後しばらくのあいだは、行進曲は戦列歩兵などとともに最前線で演奏されていたものの、火砲の発達によって戦列歩兵が戦場から消えると、次第に観閲(かんえつ)行進などの儀礼的な要素の強いものへと変化していった。
管弦楽やピアノのための作品もあるが、「軍事行動のため」という歴史的な経緯から管楽(吹奏楽)のために作曲されることが多い。行進曲のほとんどは2拍子か8分の6拍子で構成され、テンポも♩=108 ~ ♩=120を基準とする、無理なく歩ける指定がなされている。なお、最初からコンサートやコンテストで演奏することを念頭に置いて作曲された行進曲についてはこの限りではなく、拍子も4分の4拍子であったり、テンポも緩やかなものから♩=152に達するようなものまでバリエーションが豊かである。
関連動画
行進曲(海外)
双頭の鷲の旗の下に(Under the Double Eagle)/ヨゼフ・フランツ・ワーグナー
ワシントン・ポスト(Washington Post)/ジョン・フィリップ・スーザ
玉葱の歌(La Chanson de l'oignon)/不明
行進曲(国内)
軍艦行進曲/瀬戸口藤吉
祝典行進曲/團伊玖磨
吹奏楽コンクール課題曲
スター・パズル・マーチ(Star Puzzle March)/小長谷宗一(1993)
五月の風(Sweet Breeze in May)/真島俊夫(1997)
コンサート・マーチ
アルセナール(ARSENAL)/ヤン・ヴァンデルロースト
ブロックM(Block M)/ジェリー・ハーマン・ビリク