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GRヤリスの編集履歴

2020-09-19 07:11:53 バージョン

GRヤリス

じーあーるやりす

トヨタ自動車のラインナップの一つ。

BORN FROM WRC


概要

2020年1月に発表されると同時に予約を開始。同年9月から発売された。


ベースとなった5ドアのヤリスは後部座席の居住性を完全に捨てたり、6速MTをFF・1500ccの全グレードに用意するなどスポーツカーの要素が濃く出ているにもかかわらず、トヨタ側があくまでも「コンパクトカーです(。決してスポーツカーではありません)が、何か?」と主張しているのに対し、こちらは「BORN FROM WRC」というキャッチコピーの通り、WRCのホモロゲーションモデルとして開発されたマジキチでリアルガチなスポーツカー。

その意気込みは特設サイトからも滲み出ており、『市販車を叩き台として競技車両を開発する』のが一般的なレーシングカーやラリーカーなのに対し、この車は『競技車両を基準として市販車を開発する』という全く逆のアプローチを取っている。


現行のWRカーやグループRally(旧称グループR)規定は大衆車を魔改造できる規定であるため、本来なら市販状態での戦闘力はほぼ関係ない。しかし骨格の丈夫さや重さ、重心の低さ、上部の空力など僅かながら市販車の素地が生きる部分が存在しており、GRヤリスはそれらを徹底的に追求したシャシーの作りになっている。

本来ならこれだけで十分なのだが、加えてトルクお化けの1600ccターボチャージャー付きエンジンとスポーツ4WD機構を新開発して乗せており、パワートレインだけなら市販車状態でもラリー2(旧名グループR5、WRカーの子分)と同等のスペックを誇る。


つまり大衆車魔改造全盛のこの時代に、かつてラリーのメインストリームだったグループAグループNのそれをやっているという時代錯誤(褒め言葉)っぷりなのである。20年以上インプレッサ(WRX)/ランエボだけが鳴らしていたこのカテゴリだが、ランエボが2015年に生産終了となった現在は滅びゆく一方に思えたところにこのマシンである。車好きたちが胸を躍らせないはずがなかった。


各地のローカルラリー(例えば全日本ラリー選手権)で総合優勝を争えるのはもちろん、サーキットでも強い。2020年シーズンからスーパー耐久のST-2クラスにエントリーし、発売日に開催されていた富士24時間では大差でポールトゥウィンを果たしている。


しかし真に驚くべきは、2012年のスポーツカーへの再参入以来販売を行ってきた86GRスープラに関しては人様(スバルBMW)からエンジンやプラットホームを融通してもらった上で開発するという採算の鬼っぷりを見せたトヨタが、GRヤリスについては(ヤリスという素地があったとは言え)完全自社開発にするという豹変ぶりではないだろうか。

かつて2017年の「GR」ブランド発表時は「TRDと何が違うんだ」(実際レギュラーモデルの純正エアロパーツにTRDの名称が使われていた)「NISMOやMUGENの後追い」、GRスープラが登場したときは「結局BMW製」「トヨタにスポーツカーは作れない」というシラけた空気が常に車好き界隈に漂っていたが、このGRヤリスの登場でそうした陰鬱な空気は全部ぶっ飛ばされた。

そういう意味ではGRブランドを真に確立させた一台と言えるだろう。


メカニズム

心臓部には公称272馬力を発生する1,600cc・3気筒ターボチャージャー付きを搭載。駆動系はトヨタがセリカGT-FOUR以来20数年ぶりに開発したスポーツ4WDの『GR-FOUR』で、四輪のトルク配分をスイッチで3種類から選んで走ることができる。トランスミッションは国内ではカローラスポーツ以来採用が続いているエンジン回転数自動調節機能付きの『iMT(6速)』を採用しており、これにはノーマルグレードのRZの他、モータースポーツでの使用を前提としたRCも用意されている。


その一方でベースのヤリスと同じ1,500ccノーマルガソリンエンジン搭載・FF・CVTモデルのRSも用意されている。気軽にGRヤリスの走りを楽しんでもらうためのモデルとしてはいるのだが、ベースのヤリスには先述の通りFF・1,500ccガソリンエンジン搭載グレード全てにMT車(しかも全て6速)が設定されているうえ、こちらもラリーカーへの改造を前提に開発されているなどポテンシャルは十分ある。故に、「何のためにあるの?」と言いたくなるが、要は後述の生産台数確保のための措置である。一応電動パーキングブレーキ+オートホールド機能や全日本ラリーで好成績を収めている10速シーケンシャルMTモードが奢られて差別化はされているが、車重が5ドアよりも重くなっているため価格に対して見合っているとは言い難い。しかもヴィッツGR SPORTにはあったハイブリッド搭載車がないだけに、どこまでその役割が果たせるか・・・・。

しかし軽を除くと国産3ドアホットハッチという存在自体が本車しかない(スイフトスポーツやマツダ2やヤリスなどはいずれも5ドア)なため、そこに惚れ込んでる人にはRSというグレードは一考の余地はあるかもしれない。RZに比べれば車両価格はもちろん、維持費の違いはかなり大きい。


ボディは量販車とは別物の専用設計となっており、3ドアに2+2シーター。ボンネットやドアパネルのアルミ合金化やカーボンルーフで軽量化を図っている。ただし内装のデザインは、GRパーツによる装飾はあるものの基本的には5ドアのヤリスと共通である。


なおベースのヤリスのGA-Bプラットフォームはフロント部分のみの採用で、リヤ部分は12代目カローラや4代目プリウスに採用されたGA-Cプラットフォームを使用している。

ちなみに、WRCのグループAの公認を得るためにはこの車両を単独で年間25000台生産しなければならない。前後ともGA-Bで、かつヤリスベースのエボリューションモデルでさえあれば2,500台で済んだのだが、ヤリスのプラットホームのままでは性能面の問題などで不都合な点があったのか、そうしなかった(あるいは出来なかったのかも知れない)。


技術面以上に開発手法においてTOYOTA_GAZOO_Racingの活動のフィードバックが生きており、従来の市販車であればテストコースでの結果を一旦持ち帰って解析していたものを、その場でレーシングドライバーの評価を受けて、その場で改善してコース上に送り返すという、レーシングカーさながらのやり方で開発されている。ちなみに開発には早い段階から社長自らがテストドライバーとして関わっている。


関連タグ

TOYOTA_GAZOO_Racing


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