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271系の編集履歴

2020-09-28 00:57:18 バージョン

271系

にひゃくななじゅういちけい

JR西日本の直流特急形電車。

概要

JR西日本が運行している関西国際空港アクセス特急「はるか」は、2010年代後半より訪日外国人(インバウンド)の増加により指定席車両が満席になることが多くなった。このため、現行の「はるか」のうち6両編成で運転される列車を9両編成へ増結することを決定。271系は「はるか」用281系の増結用編成として製造されることになった。

281系の製造から25年も経過したことから、本形式は287系をベースに開発されている。


JR西日本では、「はるか」用281系および「サンダーバード」「しらさぎ」用681系、「くろしお」用283系の置き換えを2024年~2027年の間に予定しており、271系は『(現状は)281系の置き換え用ではなく、「はるか」の輸送力増強用・増結用』という立ち位置である。

あくまでも増結用車両であることと、案内の容易化を図るため車両デザインは極力281系と統一感を持たせている。

先頭車の貫通扉は幌を装備しており、271系同士で連結すると編成間での移動ができる仕様となっているが、営業運転では常に281系と連結するため幌を繋ぐことは行われない。


2020年3月14日より運行を開始。今回製造されるのは増結用の3両編成6本で、これにより「はるか」の全列車を9両編成で運行されることとなった。


281系では2019年1月からハローキティのラッピングが順次行われているが、本形式も営業運転開始までに「ハローキティ はるか」のラッピングが全編成に施行された。

デビューしたものの………

旺盛なインバウンド需要に支えられて登場した271系ではあるが、皮肉にもデビュー直前になって「はるか」の利用客数は急落してしまう。言わずもがな原因は世界的な感染症の流行であり、国内のあらゆる旅客鉄道にもその影響は及んだのだが、関空特急に関してはその影響があまりにも大きかった(前年比80%減)。


全列車9両化したものの利用客は一列車に数十人程度、肝心の増結編成に至っては一人も乗っていない事さえあった。

これを受けて、4月1日より「はるか」は全列車6両編成での運転に戻されることとなり、本系列はデビューから僅か17日で、事実上の定期運用離脱ということになってしまった。


デビューするタイミングがあまりに悪かったと言えよう。

設計

287系をベースとしているが、281系との併結を考慮したことによる車体長さ/連結面長さの違い(287系の20.6m/21.1mに対して、281系と同じ19.5m/20.0m)から別形式に分類された。


287系と同様に0.5Mシステムを搭載し、全電動車となっている。

ただし、技術の進歩を反映し、323系以降で採用された全密閉主電動機+SiCスイッチングモジュール適用型インバータの構成となっている。制御装置のメーカーは323系・227系1000番台の三菱電機・東芝とは異なる日立製作所製であり、首都圏新都市鉄道TX-3000系・JR東日本E261系と共に日立パワーデバイス製フルSiCモジュール初採用の事例となった。

1台のインバータで1台車分の電動機を駆動し、低圧電源用の静止形インバータを一体の箱に収める構成はこれまで通りである。

また、空気圧縮機が三菱電機製のオイルフリースクロール式に変更された。


287系と同等の10Mbpsデジタル制御伝送システムながら、異車種併結機能を追加することで281系との併結運転に対応する。


前面デザインは287系に準じた貫通形の高運転台構造かつ、運転台上部と貫通扉の左右に前照灯ケースを配置する構成だが、281系の内側にへこむ前面形状を元にした「インパースデザイン」を採り入れイメージを継承。側面の行先表示器は227系などと同等のフルカラーLEDに変更され、列車愛称表示器と一体化した。また、ドア横の号車・客室種別表示器も多色LEDに変更されている。


客室設備も287系を基本とした最新の設備だが、諸所に281系のカラーやデザインが取り入れられており、「はるからしさ」を演出している。

座席は287系の同等品だが、モケットの色調をブラウンとすることで281系のイメージを踏襲。また、肘掛部分には新たにモバイル用コンセントを装備する。

案内表示器は多言語案内や情報の拡充を想定し、新たに液晶ディスプレイ式が採用された。

また防犯の観点から、大型荷物置場がデッキから車内に移設され、客用ドア上部・荷物置場・案内表示器の右側に防犯カメラを設置している。

走行線区の都合上、683系・287系に装備されていた空気シリンダによるドア押さえ機構は省略。また、開扉時には盲導鈴が鳴るようになったほか、ドアランプが追加された。

諸元

営業最高速度130km/h
起動加速度1.8km/h/s
減速度4.6km/h/s(常用最大)、5.2km/h/s(非常)
歯数比17:96=1:5.65
駆動方式平行軸歯車継手方式
制御方式電圧形PWMインバータによるVVVF制御・センサレスベクトル制御
  • WPC16(日立製作所製)
主電動機かご形三相誘導電動機
  • WMT107(1時間定格出力220kW)
台車軸梁式ボルスタレス台車
  • WDT67A(動力台車)
  • WTR249B・WTR249C(付随台車)
製造メーカー近畿車輛

関連タグ

鉄道 特急形電車 はるか(列車名) JR西日本

281系 283系 287系

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