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オトナ帝国の逆襲の編集履歴

2020-10-28 21:27:21 バージョン

オトナ帝国の逆襲

おとなていこくのぎゃくしゅう

2001年4月21日に公開された映画『クレヨンしんちゃん』第9作。正式タイトルは『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』。

「とうちゃん、オラがわかる?」(しんのすけ)


「ああ・・・・・・ああ!」(ひろし)


概要

「ボウズ……お前の未来、返すぞ」

 21世紀最初の作品として公開されたクレしん映画第9作。監督原恵一


  • 第三十三回星雲賞メディア部門参考候補作選出。
  • 第23回ヨコハマ映画祭日本映画ベストテン第8位。
  • キネマ旬報オールタイムベスト・テン アニメーション部門7位。
  • 日本のメディア芸術100選アニメ部門選出。
  • 日本オタク大賞2001オタク大賞受賞。
  • 雑誌『映画秘宝』2001年度映画ベスト10で1位獲得(洋画・邦画全て含めた総合ランキングで1位を獲得した初めての邦画)。

…という経歴からわかる通り、クレしん映画でも断トツの名作と名高い。20世紀への哀愁、野原一家の絆など、どの世代が見ても心打たれる演出とシナリオを有する傑作。

大人からは懐かしく、子供からは新鮮な昭和ノスタルジーを題材にしており、往年のギャグ名台詞名車も数多く登場している。

本作に出演したゲスト有名人は小堺一機関根勤であり、彼らの持ち前のモノマネを駆使して名台詞を再現した。


主題歌は小林幸子の『元気でいてね


あらすじ

2001年日本全国で「20世紀博」というテーマパークが開催されていた。みさえやひろしは子供時代を思い出してわくわくするが、連日連夜付き合わされるしんのすけは辟易していた。日本では狂ったように20世紀ブームがはびこり、テレビも古い番組の再放送だらけになる。そんなある日、20世紀博から「明日、お迎えにあがります」というメッセージが放送された。

翌日、春日部中から大人たちの姿が消えた。大人たちは(高校生も含む)記憶を失い、まるで小さな子供のように(幼児退行したかのごとく)遊び呆けていた。そして20世紀博のオート三輪が突如としてあらわれ、大人たちはみなそれに乗って20世紀博へと向かっていった。

20世紀博の開催者であるケンチャコは、「なつかしいニオイ」を使って大人達に未来へ進むことを放棄させ、永遠に昭和の時代に捉えて生き続けさせようとする計画「イエスタデイ・ワンスモア」を実行していたのだ。

子供達でさえも20世紀博に幽閉し、再現された昭和の時代に取り込もうとするイエスタデイ・ワンスモアに対し、かすかべ防衛隊は大人たちを救い出し明日を手に入れるために戦いを挑む。


ゲストキャラクター


考察・余談

「オトナ帝国」という名前について

タイトルにもなっている「オトナ帝国」だが、本編中においては、


風間くん「春日部中の大人が居なくなっちゃうなんて」

マサオくん「一体どこ行っちゃったんだろう?」

ネネちゃん「20世紀博に行ったんじゃない?」

マサオくん「何しに行ったのかな?」

ネネちゃん「遊びにでしょ? きっと私達捨てられちゃったのよ!」

マサオくん「えぇ!? うわーやだやだ!!」

しんのすけ「大人達、本当にあの中で遊んでんのかな?」

ボーちゃん「こっそり、大人たちの国を、作ってるとか」

しんのすけ「おぉー! オトナ帝国ですな!」

風間ネネマサオ「オトナ帝国!?


……と言うやり取りで登場するのみであり、ケン達イエスタデイ・ワンスモアがそう名乗ったシーンは1度もなく、また「彼らの実態」を表す言葉としても、そこまで的確なものとは言い難い。

とはいえ作中で示された通り、しんのすけ達子供には理解が出来ない「ノスタルジー」を武器にする彼等に対し、そう言った適当な名前を付けてしまうのは致し方ないと言える(上のやり取りや下記のひろしを見た時の反応を見れば分かるが、しんのすけもまさか大人達が本当に遊び呆けているとは、夢にも思っていなかった事が窺える)。

更に言えば、クレしん映画のタイトルはおおよそ主人公であるしんのすけの視点で付けられている物なので尚更である。


大人達の異様さ

先述したように大人達が幼児退行したかのような描写があるが、特にひろしが居た万博のシーンはしんのすけの視点から見て考えた場合、しんのすけが必死に説得していたのも無理もない事が読み取れるのである。

それはひろしが涙ながらに我を取り戻した際の部屋の状況にあり、『万博のミニチュアとはお世辞にも言えないハリボテが並んだ、薄暗い部屋』『その中で幼児退行している父親の姿』を目の当たりにすれば、さすがのしんのすけでも愕然とするであろう。シーン自体はひろしの幼少期の記憶の中に、しんのすけが入ってきたように描かれているが、現実的に考えると異様としか言い様がないのである。

この事はひろしが我を取り戻し、みさえを見つけた際の様相で第三者には異様に見えている事を実感したからである。



「ケンカしたり頭にきたりしても一緒がいいから」

「オラ…とーちゃんやかーちゃんやひまわりやシロと…もっといっしょにいたいから」

「ケンカしたり、あたまにきたりしてもいっしょにいたいから…」

「あと…オラ、オトナになりたいから

「オトナになって、おねいさんみたいな

 きれいなおねいさんといっぱいおつきあいしたいから!」


振り返る過去が無いからこそ、未来へ向いてただ走ることが出来た。

かつての自分達だってそうやって子供から大人になった。

しかし過去に囚われ、時代の流れから目を背け、未来を見捨てた大人達のエゴは、

ただ未来を信じる子供達のガッツの前に敗北したのであった。


※(ちなみにその後飛び降り心中を試みたが、「またしても“家族”に邪魔された」とのことである)


関連イラスト

イエスタデイワンスモアクレヨンしんちゃん映画


関連項目

クレヨンしんちゃん クレしん映画

昭和 20世紀 21世紀 ノスタルジー 昭和レトロ


21世紀を手に入れろ:クライマックスシーンで流れるBGM。


20世紀少年:同様に大阪万博を「20世紀の象徴」として扱った作品。

メガゾーン23:ある意味「20世紀博」の行きつく先

バースデーワンダーランド:本作の監督が担当しており、初代しんのすけと初代ひろしの声優を担当した矢島晶子藤原啓治が共演している。

Over_Quartzer:同じく子供向け映画で元号に関連しており作中で最も新しい時代を否定するが登場している。


嵐を呼ぶジャングル←前作 次作→アッパレ戦国大合戦

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