注意!
本項目内には様々な解釈があるができるだけ中立に努めている点を留意していただきたい。
概要
事の発端は、時空管理局の戦技教導官・高町なのはの「魔法少女リリカルなのはStrikerS」第8話において、言うことを聞いてくれない生徒に一発食らわして撃墜する直前の台詞から始まった。
この話の後、ファンの間における異名が「なのはさん」から「なのは様」へ、ネタとしての異名である「管理局の白い悪魔」が「管理局の白い魔王」にクラスチェンジした。
なお、この時なのはが使用した魔法は、あくまでも「非殺傷モード」である。(だからといって部下を暴力で押さえつけていいのかという論議の原因ではあるが)表情に関してはさすがにまずかったのか本放送とDVD(2012年再放送版も含む)では異なっている。
高町なのはは起動六課と兼任する教導隊の思想(叩きのめしたほうが相手が学ぶことが多い)に基き、危険行為に走ったティアナを拘束、撃墜した。
なおこの一件では(賞罰的意味で)ティアナが処分されたということはなく、文字通り「頭を冷やす」ことで済んだ様子。
この時のティアナは「成長する周囲に埋没する凡人の自分」を強く意識し無理をし過ぎた状態だったこともむろん考慮に入れるべきであろう。
その後、なのはの過去と真意を知り、謝罪している。
問題点
この項目では(視聴者目線の)「第四の壁」を介し、それぞれの視点から「各々の問題点」を分析する。
なのはサイドの問題
- 「非殺傷モード」というが、これは縛り付けた訓練兵にスタンガンを押し当てるのと同じ行為ではないかという指摘がある。一歩間違えればティアナは高所からの落下などにより大けがをしていた可能性もあるうえに部下の暴走を招いてしまった高町なのは自身の指導力不足による監督不行き届きを指摘されてもなんらおかしくはない。
- そもそもなのは自身の撃墜に関して最初にティアナ達に話しておけばここまでこじれることはなかったのではないかという指摘もある。もっとも撃墜の件は個人的なものであり、話していたら拗れなかったと断定するには少々根拠に乏しい。
- ティアナの抱えている問題や葛藤を見抜けずティアナ自身に疑問を持たれるような指導をしていたという指摘がある。これに関してはティアナ自身天涯孤独の身であることや境遇からくる焦りをもう少し考慮するべきではあったと考えることができる。しかし人の本心まで見抜けというのはいささか難題すぎるのではないだろうか。
ティアナサイドの問題
- なのはの魔力刃を掴んだ手からは血が出ていたため、ティアナは非殺傷モードを解除していた事が挙げられる。ただし様々な理由からティアナの意識が攻撃的な状態にあった可能性が高く、非殺傷モードの解除は無意識的なものであるとする見方が多い。
- バインドの対象にしたのはスバルでありティアナはフリー。加えてスバルも巻き込んでまで砲撃しようとしたので、流石に迎撃されても致し方なし。二発目はオーバーキルとはいえ、暴走したことへのバツなら軽い方ではないだろうか。
- 基礎訓練ばかりで焦っているなら、なのはに相談するべきだったのではないだろうか。少なくともなのはならくみ取っていたはずである。ただフレンドリーファイアの件を含めた当時のティアナの心境を考えると、素直に相談するのは困難であったかも知れない。
周囲の問題
- もう一つ上げるなら、機動六課を含むベテラン勢の「なのはという存在に対する慣れ」も遠因と考え得る。『StrikerS』以前に大怪我からの奇跡的な復帰を成し遂げた件でもそうだが、機動六課の面々がなのはという「才能に驕らず努力で叩き上げる“本物の天才”」という希少な人材と長く過ごした結果、無意識になのはへの無遠慮な信用となり放任主義に転じたという見方も出来る。
- ちなみに、その大怪我も「なのはという存在に対する慣れ」が原因の一つにである(シャマル曰く「いつものなのはちゃんなら」)。さらに奇跡的だった復帰と長いリハビリを過ごしたにも拘わらず以前と変わらないほどレベルまで回復したことも、周囲の評価を無意識的に高めてしまったのも留意すべきだろう。「なのはがやる(言う)のなら大丈夫」と彼女の才能と人徳を手放しで容認せず、あえて確認や相談に割って入るお節介があれば、先の事故もこの一件も先んじてフォローを入れて大事にならずに済んだ可能性はあるだろう。もしユーノのようななのはを俯瞰的に見れて的確なアドバイスをできるような存在がいれば少しは変わったかもしれない。
- もっとも慢性的な人材不足で、長らくなのはを始め若手に現場を任せ続けてきた時空管理局の慣習もあって、ベテランたちがなのはの意思を尊重して一任するのは至極普通の思考でもあった。
- 更に加えるがなのはの「段階を踏んで基礎を固めて自分のような無茶をしない何があっても壊れない局員になってほしい」という願いと、ティアナの「周囲や自身のコンプレックスからくる劣等感によるもっと強くなりたい」という焦りという互いの想いの相性が非常に悪かったのも原因の一つであろう。
総括
- こうして列挙すると双方に非があり、要は部下の焦りと上司の無理解が生み出した事故と危険行為への簡易的な処罰に過ぎず、一概にどちらが悪いと言い切るには根拠に乏しい。
- なのはの説明不足も落ち度だが、根本としてティアナの隊規違反という明確な案件があり、周囲に「先んじてティアナにフォローする」というお節介の手が出なかったことも遠因だとすると、この時点でどれか一つを槍玉に挙げるのはフェアではないだろう。
- 敢えて原因を上げるなら、「信頼関係に頼り過ぎたことによる“全員の”確認ミス」という、機動六課の武器といえる“絆”の力への過信というべきか。
ネタとして
「パンツめくれぇー!!!」
この台詞と同時に有名になったのが、ティアが発した「パンツめくれぇ!!!」であるが、当然ティア本人がウケ狙いで発言しているわけではなく「ファントムブレイザー」と言うべき所を当人が混乱してカミカミになっているうえに途中でなのはの砲撃により遮ぎられてしまったため「ファントムブレ…」の部分が大多数の視聴者には「パンツめくれ」と聞こえてしまったのである(補足しておくと、めくるべきなのはスカートの方であり、断じてパンツではない)。
「中の人ネタ」
アニメけんぷファー最終話では美嶋紅音と体が入れ替わったセップククロウサギ(cv:田村ゆかり)が中の人繋がりで発した。
又、快盗天使ツインエンジェルの水無月遥はwebコミックで発言している。
さらに
HUGっと!プリキュアでは中の人が同じルールー・アムールが人差し指をぴんと伸ばした状態を披露している。
「作画修正」によるファンの論争
強烈なインパクトを残した台詞であるが、実は「なのはの表情」は本放送とDVDでは表情が異なる。
- 本放送版→「見るからに怖い」表情
- DVD版・2012年再放送版→憂いを帯びた表情
※どちらも音声は同一で、映像のみ差異がある。
基本的に台詞がネタにされる場合は前者の表情を連想する方が圧倒的に多い。
具体的に言えば、顔にかかる影の付き方から寝不足で目の下に隈の付いた目元と悲しむ様な雰囲気の顔になっている。先述の慢性的な人材不足もあるが、なのは自身が新人用のカリキュラムに全力で取り組み過ぎた経緯を踏まえると、その全力を拒絶された事もこの表情に至る原因だろうか。
何故「作画が修正(表情のインパクトが薄れた意味では「劣化」とも表現できる)」されたのかは公式に言及はなされていないが、おそらく当時のスタッフ達が「TV版は(全体的に)作画崩壊しているな」と判断したのは言うまでもないだろう(DVD版での作画修正そのものは第8話以外でも行われている)。(今風に言えば「忖度」の二文字がよぎりながらも)断じて「こんなのゆかりんじゃない!」と発言した本人から抗議を受けて(圧力に屈して?)作画「修正(改竄?)」されていない…はずである。
しかし、ファン達の間でも「黒うさぎ教の信者たち」とも表される「ゆかり王国」の民衆(要するに中の人のファン達)からは「ゆかりんは悪魔じゃない、姫なんだ!」と冗談とも本気とも思える態度で「悪ふざけでネタにする」ファン達を嫌悪していたり、一方で「高町なのはマジ怖い」と畏怖するファン(本当に怖くなって推しキャラを「なのは⇒他のヒロイン」に鞍替えしたり、先ほど例示した「ネタ」として便乗する者も含む)、そして「地域格差」「見逃し」という様々な要因を抱え、DVD(および2012年版再放送)しか見ていないファンは「そこまで怖いか…?」などという具合に、今に至るまで意見は平行線のまま、ある意味不毛とも言える論争は続いている。
余談
このシーンはリリカルなのはシリーズの元となったとらいあんぐるハートシリーズの一つ、とらいあんぐるハート3でなのはの兄・高町恭也が、剣術の訓練メニューを無視して体を痛めるまで無理な調練をした妹(なのはから見れば姉)の高町美由希を殴り飛ばして激しく叱咤するエピソードが基になっている。
つまり「とらハ」時代からのなのはファンからすれば原作のオマージュ」あるいは「一種のファンサービス」と解釈することもできなくはない。
しかし先述した通り、最初の作画のイメージばかりが妙に先行しているためか、DVDで修正された後も修正前の映像を使用したMADなどが(某ニコ動を中心に)大量にうpされる⇒運営が削除する⇒しつこく再うpのいたちごっこが繰り返され、イメージ改善どころか悪戯に拡散されていたり、媒体によっても、この場面を紹介する際に「修正後」の画像が使用されない事もある(具体例として、2008年に発売された「魔法少女リリカルなのはStrikerS OFFICIAL FAN BOOK」ではDVD版のカットが掲載されているが、2012年に発売された「魔法少女リリカルなのはtype 2012AUTUMN」ではどうしてこうなったのかTV版のカットが掲載されている)のが現状である。
いずれにせよ、なのはファンなら(いい意味でも悪い意味でも)誰もが認める「StrikerS」のシーンの一つであることは間違いない。
関連タグ
個別
落ち着け:なのは関連以外でもこれと類似した意味で使われる場合がある。