概要
マレー半島南部とボルネオ島北部に跨っており、タイ、シンガポール(1963-1965年までマレーシア)、ブルネイ、インドネシアと国境を接している。
法律上の首都はクアラルンプールだが首都としての機能はプトラジャヤに移されている。意外と知られていないが、立憲君主制で国王が存在している。
また、イギリス連邦の一員である。
なお、マラッカ海峡はソマリア沖と並び海賊多発地帯として有名である。
歴史
マレー半島は15世紀にマラッカ王国などの王国が成立し、それらの国は交易で栄えたが、その後それらの国はポルトガル、その後イギリス東インド会社(アジア地域との貿易独占権を与えられた特許会社であり、このインドという言葉には「ヨーロッパ以外の地域」の意味が存在する)によって支配され、1824年にはイギリスの植民地(イギリス領マラヤ)とされる。
第二次世界大戦時に日本軍によってイギリス軍が駆逐されたものの、戦後は再びイギリスに攻めいられる。しかしそれでも1957年にマラヤ連邦として独立した。
その後1963年にイギリスから独立した北ボルネオ、サラワク、シンガポールを加えマレーシアとなるが、1965年にシンガポールはマレーシアから追放される形で独立した。
植民地時代から天然ゴムのプランテーションやスズの採掘など、特定の農産物や鉱物生産に頼るモノカルチャー経済が長らく続いていたものの、4代首相のマハティールによる日本を手本にした「ルックイースト」政策をとったことにより、工業化と経済成長の2つを達成させた。
国旗
月と星はイスラム教のシンボル。赤白青の色はかつての植民地のイギリスから、紅白の14本の線は独立時の州の数を表している。
国家形態
選挙で変わる国王
マレーシアでは現代の王国の中では珍しく、選挙で国王が変わる国である。一般的に国王は世襲で変わるが、マレーシアの場合、13州の内9州にいる首長であるスルタン(イスラム世界における君主号のひとつ。各州のスルタンは勿論世襲により王位を継承する)から投票で選ばれ、5年の任期で内閣の補佐を受け行政を行うとされる。とは言うが実際は各州スルタンの持ち回り(輪番制)になっている。
ブミプトラ政策
1970年代より、マレーシアは経済を支配する華人に対するマレー人(ブミプトラ)の政治、経済的体力を高めるためにマレー人の優遇政策を行っている。
具体的にはマレー人に優先的な大学入学、公的期間への就職、良い条件の住宅への優先措置などである。これはマレー人の他の民族に対する特権意識にも繋がり、時折民族間でいさかいが起こることもあり、政府も何度か緩和を試みているが実現していない。
加えて、マレー人の出生率が2.9に対して華人は1.3と極めて低く、遠くない将来マレー人が華人を凌駕する可能性が高まっている。
マレーシアから追放された形で独立したシンガポールでは、対照的に緒民族を「シンガポール人」として平等に遇している。
関連イラスト
関連キャラクター
関連タグ
シンガポール:隣接国。マレーシアには名物マーライオンチョコレートの製造拠点もある。