概要
ルパン帝国とは「ルパン三世」の原作、アニメに登場する初期設定の一つである。取り扱う媒体や各シリーズによって設定が異なるが、基本的にはルパンコレクションの管理や、その遺産を元にルパン一族を支援する謎の犯罪組織と思われる。
各シリーズの設定
原作及び1stシリーズにおけるルパン帝国
初登場は、第11話「健在ルパン帝国」。このエピソードによると、ルパン二世により一代で築き上げたとされたが、部下であったキングの裏切りによりルパン二世は死亡(但しその後の第40話「ジャリ」や最終回で登場している。)一時的に乗っ取られてしまった。この回では次元大介が初登場(存在自体は前回の第10話「ルパン殺し」で示唆はされていた)。妹の存在や次元が二世の部下でルパン三世と幼馴染であったことが述べられている。
本拠地の記述に関しては、初登場回の新聞の記載があった北海道浜中町(作者であるモンキー・パンチの出身地)、第91話「我が盗争(その1)」から最終話「さらば愛しきルパン!」まで登場する先祖代々伝わる島、その他「漫画アクション」のカラーイラストの設定資料で示された地下組織のルパン帝国(ヨーロッパ?)の3種類存在し、作者の出身地ということもあってか一般的には浜中町として世間に認識、紹介されることが多い。
これ以外にも世界中にアジトや隠れ家が存在し千人単位で部下を持っていることが示唆されており命令一つで強力な団体となるという。
なお、新ルパン三世以降ではルパン帝国は登場しない。
また、TV版の1stシリーズでは、原作の設定を色濃く反映させており、ルパン三世がルパン帝国の総帥、その他レギュラーメンバー(次元、不二子、五ェ門)以外にも手下がいるとされる。
TVスペシャル版におけるルパン帝国
TVスペシャルとして制作された「ナポレオンの辞書を奪え」では、中世フランス時代にルパン一世が金に物を言わせて作った組織だと語られている。(公式アナウンスでは中世だが、ナポレオンの時代だと厳密な時代区分としては近代が正しい。)
ルパン一世が財産を女遊び等に湯水のように使ったために崩壊したらしい。
ミスターXの犯罪シンジケート『スコーピオン』の最大のライバルだったらしい。
本作では、ルパン帝国の財宝のありか記されているという「ナポレオンの辞書」がキーアイテムとして描かれている。
念力珍作戦におけるルパン帝国
実写版の映画第一作として制作された「念力珍作戦」では、原作の設定に近く組織作りの天才であったとされるルパン二世が世界中の犯罪組織を束ねていた組織であったが、マカローニ一家の裏切りにより壊滅、組織の生き残りは次元とルパン三世の2人だけであり、ルパン帝国再興を目指した次元がルパン三世を訪れる描写がなされている。
小説版におけるルパン帝国
辻真先氏による小説版では、ルパン三世があちこちの国家から盗んできた最新鋭の技術やスカウトしてきた科学者などで構成された基地のようになっており、様々な兵器などが開発可能。パイカルの魔術の種も、小説版ではこちらでほとんど見抜いている。
余談
- ルパン帝国の本拠地の一つとされる北海道浜中町ではルパン帝国とは別に、かつて畑正憲氏によるムツゴロウ王国があったことで知られている。
- ルパンの小説版を執筆した辻真先氏は後年に「迷犬ルパン」シリーズを執筆した。
- なぜ、後年にルパン帝国が描かれなくなったかについては宮崎駿監督の「カリオストロの城」などで、ルパンが美味しそうにインスタントラーメンを食べる姿や小さい車のフィアット500に乗る姿からルパンに対して庶民的なイメージが一般的になったことにより、ルパン帝国のイメージからかけ離れたものになってしまったことなどが理由としてあげられる。