サニー(日産)
だっとさんさにー
概要
1966年4月に初代モデルのB10型「ダットサン・サニー」が発売。
車名は一般公募により848万3105通の中から選ばれた。なお、発表会には日産自動車中興の祖・鮎川義介が降臨してしまった。それだけかけた期待は大きかった、と言う事か?
1リッター直4・OHVのA型エンジンを搭載し、同年11月発売のトヨタ・カローラと共に高度経済成長期のマイカーブームを支えた「大衆車」の先駆となる。
1968年3月にはクーペも追加された。
なお、この頃の日産の社長は「ブルーバードの市場を食い荒らしかねない車の開発なんかするな!金のない方はブルーバードの中古車でもお買い求めになればいいんです!!」などと言っていたのだが、「これは商用車です」とすっとぼけてまで開発したこの車が(カローラにしてやられたとは言え)かなり当たったため、「私の目は節穴でした」とばかりに開発陣に謝罪したという。
1970年1月に2代目・B110型にモデルチェンジ。
一回り大型化した車体サイズとエンジン、TVCMでの「隣の車が小さく見えま~す」のキャッチコピーでカローラに対抗、モータースポーツにおいても長く活躍した。
翌1971年にはブルーバードと同じ1.4リッター・OHCのL14型を搭載した上級シリーズ「エクセレント」が追加される。
このモデルのピックアップトラック仕様車は、改良に改良を重ね、日本国内向けは1994年、海外向けに至っては何と2008年9月まで生産された。
またロータリーエンジン搭載バージョンが開発されて東京モーターショーで披露されたこともあったが、オイルショックの影響などもあってお蔵入りしている。
1973年5月に3代目・B210型にモデルチェンジ。
外装デザインが曲線を多用したものに一新され、1975年には排気ガス浄化システム「NAPS」を採用し、排気ガス規制に対応したものに改良された。
エクセレントのクーペはテールライトの形状から「ロケットサニー」の愛称でも知られる。そのエクセレントは途中で1.6リッターエンジンとなったため、レギュラーシリーズに1.4リッターエンジンが追加(移動)している。
1975年より関口宏が嫁・西田佐知子共々宣伝マンを務めたが、モデル末期には、何とオヤジ・佐野周二までCMに登場してしまった。
1977年11月に4代目・B310型にモデルチェンジ。
2代目B110型を意識した直線基調の外装デザインに回帰した一方でエクセレントは廃止された(バイオレットの姉妹車・スタンザに移行)1。979年1月にはステーションワゴンの派生車「サニーカリフォルニア」が追加される。
1980年11月のマイナーチェンジではそれまでのエンジン排気量が1.3リッターと1.5リッターに拡大、フロントデザインがスラントノーズに変更された。また、宣伝マンに松坂慶子を起用している。
1981年10月に5代目・B11型にモデルチェンジ(バンに関してはB310が1983年7月まで製造・販売が行われたが、ADバンへの移行に伴ってこのB310を持って事実上廃止)。
このモデルより駆動方式がFFに変更された。
1982年1月にモーター店向けの兄弟モデルとなるローレルスピリットが発売。
同年9月にはE15E・T型ターボを搭載した「ターボ・ルプリ」と、CD17型を搭載したディーゼル車が追加発売される。
1983年10月にクーペ仕様車を廃止、3ドアハッチバックに切り替えた・・・・・なんかパルサーとかぶっちゃってません?
先代末期に引き続き松坂慶子が宣伝マンを務めている。サニー・マイ・ラブ。
1985年9月に6代目・B12型にモデルチェンジ。
外装デザインをより直線基調としながら、車体剛性の強化を図るなど完成度を大幅に向上。
「トラッドサニー」の愛称で人気を博し、積雪や寒冷地でのニーズに応えてパートタイム4WD仕様車も設定された。
1986年2月にはクーペの派生車サニーRZ-1が追加される。
同年8月にはツインカムエンジン搭載車が、さらにその翌月にはフルタイム4WD車が追加されている。
1990年1月に7代目・B13型にモデルチェンジ。
外装デザインは先代・B12型の正常進化ながら、ガソリン車に搭載されるエンジンがDOHCに改良された。
しかしその一方で3ドアが廃止され、代わりに兄弟車としてNXクーペが登場した。ただ一代で消滅してしまったが・・・・・・。
さらにサニーカリフォルニアに関しては同年10月にモデルチェンジするも、2代目ADバンの兄弟車となった(その後1996年にウイングロードに改名し、2018年3月まで3代にわたって生産販売された)。
宣伝マンは前期型は陣内孝則と伊丹十三、後期型は一色紗英を起用している。
なお後述の6代目登場後も、メキシコではダットサン・ツルの車名で2017年6月まで製造(販売は翌月まで)された。
1994年1月に8代目・B14型にモデルチェンジ。
外装デザインをスペース重視且つ若々しく大幅にリファインし、1.5リッター車は10モードでリッター19.2kmの低燃費を実現。
同年春には「ルキノ」のサブネームを付けた2ドアクーペが追加される。
なおこれまでサニーの製造を請け負ってきた(というよりはこの車種のために設置された)座間工場(神奈川県座間市)の規模が大幅に縮小される事になったため、九州工場(福岡県苅田町、現在は子会社の日産自動車九州に移管)に製造を移管している。
1998年10月に9代目・B15型にモデルチェンジ。
B12型を意識したオーソドックスな外装デザインに回帰し、新型プラットフォームを新たに採用。
スポーティーグレードの「VZ-R」は、最高出力175馬力を発生する1.6リッター・DOHCのSR16VE型を搭載。
2004年10月に日本国内向けの販売が終了。
2006年には国外向けの生産も終了し40年の歴史に幕を下ろした。