概要
1966年から2004年まで販売。
セダンを中核として様々なボディタイプが登場した。
1966年4月に初代モデルのB10型「ダットサン・サニー」が発売。
車名は一般公募により848万3105通の中から選ばれた。
1リッター直4・OHVのA型エンジンを搭載し、同年11月発売のトヨタ・カローラと共に高度経済成長期のマイカーブームを支えた「大衆車」の先駆となる。
1968年3月にはクーペも追加された。
1970年1月に2代目・B110型にモデルチェンジ。
一回り大型化した車体サイズとエンジン、TVCMでカローラに対抗。
モータースポーツにおいても長く活躍した。
翌1971年にはブルーバードと同じ1.4リッター・OHCのL14型を搭載した上級シリーズ「エクセレント」が追加される。
このモデルのピックアップトラック仕様車は、1994年まで生産された。
またロータリーエンジン搭載バージョンが開発されて東京モーターショーで披露されたこともあったが、オイルショックの影響などもあってお蔵入りしている。
1973年5月に3代目・B210型にモデルチェンジ。
外装デザインが曲線を多用したものに一新され、1975年には排気ガス浄化システム「NAPS」を採用し、排気ガス規制に対応したものに改良された。
エクセレントのクーペはテールライトの形状から「ロケットサニー」の愛称でも知られる。
1977年11月に4代目・B310型にモデルチェンジ。
2代目B110型を意識した直線基調の外装デザインに回帰し、1979年1月にはステーションワゴンの派生車「サニーカリフォルニア」が追加される。
1980年11月のマイナーチェンジではそれまでのエンジン排気量が1.3と1.5リッターに拡大された。
1981年10月に5代目・B11型にモデルチェンジ。
このモデルより駆動方式がFFに変更された。
1982年1月にモーター店向けの兄弟モデルとなるローレルスピリットが発売。
同年9月にはE15E・T型ターボを搭載した「ターボ・ルプリ」と、CD17型を搭載したディーゼル車が追加発売される。
1983年10月にクーペ仕様車を廃止。
またサニーのバン仕様車に関しては、ADバンへの移行に伴いこのB310を持って事実上廃止される。
1985年9月に6代目・B12型にモデルチェンジ。
外装デザインをより直線基調としながら、車体剛性の強化を図るなど完成度を大幅に向上。
「トラッドサニー」の愛称で人気を博し、積雪や寒冷地でのニーズに応えてパートタイム4WD仕様車も設定された。
1986年2月にはクーペの派生車サニーRZ-1が追加される。
同年8月にはツインカムエンジン搭載車が、さらにその翌月にはフルタイム4WD車が追加されている。
1990年1月に7代目・B13型にモデルチェンジ。
外装デザインは先代・B12型の正常進化ながら、ガソリン車に搭載されるエンジンがDOHCに改良。
3ドアが廃止。
サニーカリフォルニアは同年10月にモデルチェンジするも、2代目ADバンの兄弟車となった。
その後1996年にウイングロードに改名し、2018年3月まで3代にわたって生産販売された。
モデルチェンジとほぼ同時に兄弟車としてNXクーペも発売される。
なお後述の6代目登場後も、メキシコではダットサン・ツルの車名で2017年まで販売された。
1994年1月に8代目・B14型にモデルチェンジ。
外装デザインをスペース重視且つ若々しく大幅にリファインし、1.5リッター車は10モードでリッター19.2kmの低燃費を実現。
同年春には「ルキノ」のサブネームを付けた2ドアクーペが追加される。
なおこれまでサニーの製造を請け負ってきた神奈川県座間市の座間工場の規模が大幅に縮小される事になったため、福岡県苅田町の九州工場(現在は子会社の日産自動車九州に移管)で製造が行われる事になった。
1998年10月に9代目・B15型にモデルチェンジ。
B12型を意識したオーソドックスな外装デザインに回帰し、新型プラットフォームを新たに採用。
スポーティーグレードの「VZ-R」は、最高出力175馬力を発生する1.6リッター・DOHCのSR16VE型を搭載。
2004年10月に日本国内向けの販売が終了。
2006年には国外向けの生産も終了し40年の歴史に幕を下ろした。
その他
サニーには多くの派生車種や兄弟車があり、7代目B13型のプラットフォームはラシーンに流用され、9代目B15型は光岡自動車の2代目リョーガのベース車となった。
トヨタのカローラとは、「CS戦争」と呼ばれるほどの熾烈な販売競争を繰り広げたライバルであった。
また元々「サニー」はソニー株式会社の商標であったが、事業に支障がないと判断されたらしく日産への使用許可が降りている。