紅孩児も住んだ「火雲洞」の有力者「三聖大師」の一人。三聖大師の他のメンバーは黄帝と神農である。
呂岳が放った疫病に周の民が苦しめられた際、火雲洞を訪問した楊戩の懇願に応え、神農に丹薬を用意させる。
これにより周の地を覆う病は解消された。
安能版では彼ら三人が天帝とされ、裏で下界における政情を操作していたとするが、原作には無い設定である。
藤崎版
pixivでは主に藤崎竜による少年漫画「封神演義」に登場する「伏羲」の絵にタグが付けられる。
以下、ネタバレ注意
彼は地球に文明を作り出した「始まりの人」、すなわち俗に言う宇宙人であった。本来彼はグレイのような非人間的な姿であるが、後述する「王奕」を名乗ってからは人間に近い姿になっている。
「始まりの人」達は滅びた故郷の歴史を取り戻すべく、猿を進化させて理想郷を作ろうとした。しかし、その中の一人である女媧は「完全に同一な歴史」を作るという妄執に囚われ、「全生物を殺して一から作り直すために自然を全て四宝剣で破壊する」という暴挙に出ようとした。
女媧の親友だった伏羲はこれを咎めたが頑として拒み、伏羲一派は女媧を異空間に封じ自らも下野し地球に骨を埋めた(これにより生まれたのが妖怪であり、彼らの血を色濃く継ぐヒトは仙人骨を持つようになった)。
しかし女媧は魂のみで生き延び、歴史の道標として世界のリセットとリブートを繰り返していた。これを憂いた伏羲は人間に似た姿の「王奕」という化身の姿を取り、女媧を滅ぼせるだけの文明を築いた仙人界に紛れ込むと三大仙人(元始天尊、太上老君、通天教主)に封神計画を伝え、いずれ訪れる殷の滅亡と同時にそれを行うことを懇願した。
こうして一介の仙人となった王奕は自らの魂を真っ二つに割り、一つはその場に残し、もう一つは下野するために保管しておいた。仙人界に残した方はやがて王天君となって更にその魂を3つに割り、下野した方は遊牧民族の赤子・呂望の肉体(本来の呂望は生まれてすぐに死んだ)に埋め込まれることとなった。
その少年は後に姜子牙を名乗り、更に周に仕え太公望と呼ばれるようになった。
太公望は最後に残った王天君C(AとBは太公望一派に討滅され封神される)に自らの出自を明かされ、彼と融合し伏羲として甦ったのである。
というわけで復活した伏羲は、人格そのものはまんま太公望であるものの、敵に対しては容赦せず、必要とあらば味方すら切り捨てる王天君の冷徹な頭脳も身に着けることとなった。
更に、自らの身体を「善」たる太公望と「悪」である王天君に分けることもできるようになり、王天君の空間操作能力も使えるようになった。
紆余曲折あって遂に女媧の本体を捕えた伏羲は、原始天尊により神界が解放されたことにより、神仙から霊力を受け取り究極の力を解放することとなる。この形態では目つきが鋭くなり、毛髪が白く光るのが特徴(原作小説だと太公望は白髪の爺さんだしね)。
頭を消し飛ばされようが即座に復活するほどの生命力で女媧を追い詰めた伏羲は、とうとう彼女に引導を引き渡す。その幕引きは、歴史の道標が失われ、自由な未来が地球に訪れたこと…そして、「始まりの人」の子孫たちが遂に手を取り合う平和な世が訪れたことを意味していた。
女媧の自爆に巻き込まれた伏羲は、「自分がいない方が人間界のためになる」と考え、甘んじてその爆風に身を晒す。しかし、地球と一体化した千年狐(妲己)により難を逃れ、生きながらえた伏羲は、「本来の歴史」とは異なり無位無官のまま当てもない旅路に出た。
その行く末がどこなのかは、誰にもわからない。