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※この記事は重大なネタバレを含みます


概要編集

 藤崎竜の漫画『封神演義』に登場する人物。

 王奕の名は安能版においても王天君の俗名と設定されている(ちなみに、原典では「王変」)が、そっちの名前で使う人はまずいないため、この記事では漫画版に登場する「王奕」に関して記述する。


 仙界に向かう前の黒い髪に白い肌をしている少年で、魂を分割するという特異体質を有していた。

 その体質に目を付けた元始天尊は彼をスカウトして道士に育てるも、金鰲と崑崙の不可侵条約成立に伴い楊戩とトレードされた。金鰲のトップである通天教主は彼を幽閉し、次第に無限の退屈と孤独に蝕まれ虚ろになった王奕は千年狐(後の妲己)に籠絡されてしまう。そして千年狐(しつこいようだがこの頃はまだ妲己ではない)の養子となり、通天教主の洗脳に加担した。

 やがて王天君を名乗るようになった彼は魂魄を三つに分け、一つは十天君の首領として、一つはもしもの時の影武者として、一つは裏で上記二体の「王天君」を操る首領格として活動することとなる。


関連項目編集

封神演義 黒幕 仙人























以下、ネタバレ注意





















太公望たち


 実はトレードに出される前に、師である原始天尊により既に魂魄は二つに割られている

 残った方の魂魄は、生まれてすぐに死んだ少数民族の長の息子の身体に入れられて生き帰り、その子供はやがて成長し、仙人骨を有するようになった。


 その少年の名こそ、「姜子牙呂望」であり、彼は後に元始天尊に弟子入りし、太公望と名乗る

 いわば「太公望」は元となる王奕の善=秩序の心であり、王天君は悪=混沌の心というわけである。

 そして志半ばにして太公望が封神された時、最後に残された「第三の王天君」はその魂を自らの空間に匿い、事の真相を告げた。王天君の肉体に入れば再び生き返ることができると知った太公望は、王天君と融合し、隠されていた更なる真実に辿り着く。


 実は王奕は、伏羲と呼ばれる「始まりの人」の化身だったのだ。

 女媧と朋友だった伏羲は、文明のリセットとリブートを繰り返し続ける女媧を打ち滅ぼすべく、彼女の差し金で作り出された仙界に密かに入り込み、封神計画を唆したのである。そして月日は流れ、女媧の眼を盗み人間の肉体を手にした彼は、王奕を名乗り、元始天尊の弟子となる。こうして、封神演義の幕は静かに上がったのだ。

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