概要
日本の地域区分のひとつ。
中部地方の範囲について法的な定義はないが、一般的に新潟県・富山県・石川県・福井県・山梨県・長野県・岐阜県・静岡県・愛知県の9県で構成される。
すべての県を合わせた人口は約2300万人。面積は北海道に匹敵する。
ただし企業や公的機関によって「中部地方」の範囲が異なり、三重県や滋賀県が含まれる場合もあったり、山梨県や新潟県が除外される場合もある。
中部地方を管轄する企業や国家機関は名古屋市に集積している。
ほか新潟市、静岡市、浜松市、金沢市も二次的な拠点都市として機能している。
区分
中部地方は9県もしくは10県(三重県を含めた場合)もあり各県の地域差も大きいので、しばしばいくつかのグループに細分される。甲信越・北陸・東海の3地方に細分することが多いが、長野県と山梨県を指して「甲信地方」や、山梨県・長野県・岐阜県を指して「東山地方」といった区分け方もある。関東地方と甲信越3県を指して関東甲信越と呼んだり、さらに静岡県も含めた1都10県を関東甲信越静(または広域関東圏)と呼ぶこともある。
地勢
もともとは、本州から東北地方・関東地方・近畿地方・中国地方を除いた残りをひとまとめにした呼称であり、中央に山岳が多いため中部地方全体のまとまりは弱い。特に静岡県東部や山梨県、新潟県は東京志向が強く、福井県は大阪志向が強い傾向にある。
各地域の文化や気候風土の共通点は薄いが、地形的な特徴を挙げるなら、「日本の屋根」とも呼ばれる日本アルプスを擁する中央山岳地帯であり、日本最長の河川である信濃川をはじめ、木曽三川(木曽川、長良川、揖斐川)、天竜川といった大河を多く擁することであろう。これらのことから水資源に恵まれた地域が多い。巨大なダムや水力発電所が多く立地し、これが後述の製造業の隆盛にも繋がっている。
歴史
歴史的には、戦国時代の織田信長や豊臣秀吉、徳川家康、武田信玄、上杉謙信はいずれも中部地方の人物であり、中部を抑えてからほかの地方(中国、四国など)に目を向けているため、戦国期を語る上ではなくてはならない存在である。
産業
現代では、愛知県・岐阜県・三重県、静岡県の東海4県は日本最大の自動車産業(完成車・自動車部品製造)地域であり、産業用ロボット、電機、航空、造船などの機械製造業、製鋼や非鉄金属、セラミックなど素材生産業が非常に盛ん。さらに北陸地方は金属加工や機械製造が盛んで、山梨県は工作機械、長野県は光学機械や時計・電子部品において日本トップメーカーの工場が並ぶ...という具合に、日本の製造業の屋台骨を支える地方である。
県一覧
甲信越
新潟県(稀に東北地方に含むこともある。)
山梨県(関東地方に含む場合が多い)
北陸
福井県(西側の嶺南は関西地方扱いされる場合もある)
東海四県
三重県(近畿・関西地方に含む場合もある)
近畿
滋賀県(近畿・関西地方に含むこと大半だが中部圏知事会のメンバーである)