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ビナー(モンスト)

びなー

ビナーとはmixi発のXFLAGスタジオ製作のソーシャルゲーム『モンスターストライク』に登場するキャラクター(妖精)である。

「私はもう怖くない…戦いましょう、この旗の下に!」

CV:堀江由衣

概要

2019年12月27日のモンストニュース内でエクスカリバーと共に発表された年始の目玉となるキャラクター。プレミアムガチャである『超獣神祭』限定で登場する。

モチーフはセフィロトに配置されたセフィラの一つから取られている。

モンストアニメ第3期全体において最重要クラスの人物で、特に最終章『エンド・オブ・ザ・ワールド』ではルシファーやアーサーらと共に主人公の一角となり、悪しき天聖達と最後の決戦に臨む。悪しき天聖最強の男・イェソドからは強い想いを寄せられている。

劇場版『ルシファー 絶望の夜明け』にも登場し、ある理由からルシファーに立ち向かうアーサー達を手助けをする。プライオル・ビナーという姉の存在が明かされている。

性能

センシティブな作品

通常進化「希望を導く天聖 ビナー」

種族妖精
タイプバランス
ボール反射
アビリティマインスイーパーM / アンチウィンド / 回復M
ゲージショット状態異常回復 / SSターンチャージM
ラックスキル友情コンボクリティカル
友情コンボダブルエナジーサークルL
SS〈集結の啓示〉スピードとパワーがアップ&周りに回復フィールドを展開する(16ターン)

進化は地雷とウィンドのギミックに対応。アビリティに回復Mと状態異常回復、SSはサポート寄りだが威力もなかなかのもの。戦型こそバランス型ながら友情コンボクリティカルの乗ったダブルエナジーサークルLは圧巻。

神化合体「世界を紡ぐ者 ビナー」

種族妖精
タイプ砲撃
ボール貫通
アビリティアンチ重力バリア / アンチワープ / 友情コンボ×2
ラックスキル友情コンボクリティカル
友情コンボ回復弾 / 分身弾
SS〈絆の神託〉狙った方向に、3本の毒の波動砲を放つ(20ターン)

神化は重力バリアとワープのギミックに対応、友情コンボにはサブ友情として初実装となる分身弾とサポート向けの回復弾を所持している。回復弾は当てるのはやや難しいが、敵の弱点に命中させるなどすると大きなダメージを与えられる。

不遇

同時期に実装されたエクスカリバーの性能が余りにも圧倒的だったことや、彼と比べ、アビリティや友情、SSの火力及びその有用性が芳しくなかった彼女の評価は一層低く見られていた(ビナーの性能とエクスカリバーのサプライズ的な発表の仕方から、エクスカリバーを輝かせる為の踏み台にされた形と見られてしまう側面もある)。

その後、新しい限定キャラや獣神化、新イベントでの木属性キャラが登場する度にあまり良くない意味で比較対象にされるという、限定枠にも関わらずネタキャラの扱われ方をされている。

更に追い打ちをかけるように2021年の限定超獣神祭では、同時期に実装されたエクスカリバーが正月の絵違いVer.が登場したにも関わらず、彼女にはそれすら登場させて貰えなかった(代わりに登場したもう一人の絵違いは何故かシャーロック・ホームズだった)。

↑のようなビナーの実装を待ち望んでいたユーザーも少なからずいたとは思われるのだが・・・。

こういった理由から、一部のユーザーから限定の面汚しキャラ絵と声優だけ限定スペックな女など、散々な言われようであり、挙げ句の果てに「微ナー」などという不名誉なあだ名までつけられている。当然だが、ビナーのこういった扱いに不快感を覚える人も少なからずいるため、発言する内容と場所には十分注意する必要がある。ましてや声を担当された堀江女史や、ビナーというキャラクター自体の制作に関わった人達に迷惑のかかる発言などは御法度である。

最近は進化が非常に難易度の高い超究極真・伊達政宗にて、同じく評価が抑え気味だったヴィーラと共に大活躍を果たした・・・のだが、

様々な観点から多くのユーザーの中でビナーよりヴィーラの方がより重用される風潮になり、真・伊達政宗の第2回以降の降臨ではヴィーラを4体準備出来ない人がとりあえず穴埋めとして入れるという立場のキャラという見方をされてしまっている。

そして、真・伊達政宗(超究極)の完全適正キャラとして島津義弘が登場、更に後には豊臣秀吉の獣神化が実装された事によりビナーの立場は益々危うくなってしまう事となった。

擁護する点としては、彼女のアビリティーとSSは両方ともに回復に特化しており、中ボスやボスからの攻撃が苛烈な真・伊達政宗のクエストにて体力面を安定させるという役割は担っている。

また、超究極真シリーズの二週目の水属性クエスト真・浦島太郎でも、流石に最適性キャラとまではいかないものの、地雷所持時の高い攻撃倍率や回復力といった面から進化ビナーが適性キャラの一角となっている。

バックストーリー

性格 純真で協調性があり、他者を包み込む優しさを持つ / 決断力があり、人々を導くカリスマを持つ(進化) / 芯が強く、必ず願いを叶えるという強い意志を持つ(神化)

性別 女

誕生日 3/3

好きなもの 人の話を聞くこと、神の愛する世界と人々(進化) / 神のいる世界(神化)

苦手なもの わがままを言うこと、突発的な出来事(進化) / 諦めること(神化)

※XFLAG DICTIONARYより

神の声を聞き、天界を導く存在である「十天聖」の一人で、天界の未来を憂う「理解」の天聖。

他の天聖達が自身の欲望を満たすために神への反逆を企てる中、神を守る唯一の天聖として立ち上がる。

進化前は自身と志を共にする者を見つけ、緊張する仲間を前に優しく微笑む姿。

進化後は絶望に支配された状況下で、溢れんばかりの生命力とオーラを靡かせた聖槍旗を掲げた姿。

神化後は死にゆく神を救うという決意により、世界を創生するほどの力を手にした姿。

余談

ビナー神化のサブ友情の噂

実はビナー神化のサブ友情は「分身弾」ではなく那由他が持つ「クロス分身弾」になる予定だったのではないかという説がある。

というのも同時期に実装されたエクスカリバー神化のサブ友情が刹那がもつ放電であった為である。

刹那那由他はどちらも「禁忌の獄」に登場するキャラであり、

エクスカリバー神化が刹那の持つ砲撃をサブ友情としてもつなら、ビナーもその流れで那由多の持つ「クロス分身弾」がサブ友情に付くはずであったが、いざクロス分身弾にしてみるとサブ友情とはいえ、「砲撃型+友情コンボ×2」の組み合わせからなる、クロス分身弾の威力が想定していた以上に高く、バランスを崩す恐れがあるとして分身弾に格下げされたと噂されているのである。事実、後に登場した超獣神祭限定キャラクターのハレルヤ(神化)はメイン友情にクロス分身弾を備えており、所持アビリティーであるカウンターキラーが乗った状態でこの友情が発動すると高い威力を発揮していた(が、それでもゲーム全体のバランスを崩すほどとまではいかない)。

以上のように、ハレルヤの活躍やエクスカリバー神化の実装当初の無双っぷりを見ると、「クロス分身弾(或いはそれ以上に強力な友情)で良かったんじゃないの?」という意見も多い。

超獣神祭限定キャラクター

過去に超獣神祭限定キャラクターとして登場したキャラクターの中にはノア神威といったキャラクターがいた(現在は別のガチャイベントであるモンストコレクションに移籍している)が、彼等は

・進化、神化いずれかの状態が貫通かつ重力バリアおよびワープに対応

・実装当初の評価は低かった

という点で彼女と共通点がある。

また、彼等は獣神化を果たしたことで評価が爆発的に上昇し、特にノアは水属性キャラクター中でもトップクラスの評価を受けるキャラクターの一人となっている。

過度な期待は禁物だが、いずれ来るであろうビナーの獣神化(または上方修正)の際は、彼女の評価がどう変わるかも注目である。

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モンストアニメ 堀江由衣 モンスト モンスターストライクのプレミアムガチャモンスター一覧

以下、映画「ルシファー 絶望の夜明け」の核心に迫る重大なネタバレが含まれます。映画をまだ御覧になっていない方、ネタバレを避けたい方は今すぐブラウザバックをお願いします。

「ルシファー 絶望の夜明け」にて(ネタバレ注意)

「オラゴンが戻るまでこの力は隠し通すつもりでしたが・・・仕方ありません・・・。」

実は彼女が世界を滅ぼそうとした張本人であり、一連の事件における真の黒幕。

一言でまとめるなら、彼女こそ、モンストアニメ3期における真のラスボスである。

彼女が何故世界を滅ぼそうとしたのかを説明するには、まず彼女の過去を語る必要がある。

彼女は前述した姉であるプライオル・ビナーの後任の天聖であり、元々しがない一天使でしかなかった彼女は非常に優秀で優しかった姉に強い憧れを抱いていた。しかしプライオルはある時、生命の樹に命を捧げる役割を担うことになる。と言うのも生命の樹は五千年に一度、選ばれし天聖の命を捧げなければ生命活動を維持できず天界も滅亡してしまうという生贄同然の残酷な性質を孕んでいた。

当時の天聖達(ほぼ間違いなくダアトは除く)は自身の命惜しさに正義感の強いプライオルなら断れないだろうと判断し生贄の役目を押し付けていた。そんな天聖たちの本心を見抜いていた彼女は姉を涙ながらに必死で止めるも、プライオルもまたそれを見抜いた上で天界の為に命を捧げることを選び、ビナーに天聖の力と天界の未来を託して生命の樹と一体化し消滅した。

しかし、その生命の樹も天聖たちの反逆・攻撃によって生命活動を停止、天界は再度滅亡の危機に陥った。ビナーは裏切者の天聖全員を討ち滅ぼすことで生命の樹は復活すると考え、ルシファーをはじめヒーローたちと協力し全滅させる事に成功するも、悲願である生命の樹の蘇生は遂に叶わず彼女は世界の全てに絶望してしまった。

映画のキャッチコピーである「世界は彼女に絶望する」とはかつての仲間であったルシファーの行った暴挙を指すのと同時にビナーの裏切りに対する絶望という2つの意味が込められていたのである。

「これは生命の樹の苗木と言ってね・・・ストライクワールド全ての歴史が刻み込まれているの・・・これさえあれば世界を造り変えることができる!・・・でもその前に一度この世界をゼロにしなくちゃ・・・だからソロモンお願い・・・そのオーブを渡して・・・」

しかし、オラネの研究によって全ストライクワールドの情報が刻まれている白の書庫と世界を造り変える能力を持つ生命の樹の苗木の存在を知った彼女はその力に心を奪われ追い求めるようになると次第に彼女の願いは「今ある世界を滅ぼして姉が犠牲にならず悪しき天聖も存在しない新たな理想郷を造り直せばいい」という狂気のような歪んだ欲望に憑りつかれてしまった。後に自身の理想実現の手始めとしてヒーロー達を利用し強力な力を持つ三つのマスターオーブおよび生命の樹の苗木を揃えて秘密裏に現在のストライク・ワールドを全て消滅させる計画を企てその機会を窺っていたのである。

カエサル「まさかアンタが黒幕だったとはなァ!!イェソドも喜んでるだろうぜ・・・。」

「そう?・・・じゃあ本人に聞いてみたら?」

ビナーには生命の生死を含めた運命に干渉するという特殊能力が備わっていたためクインステラのリサーチ能力から逃れ続けていたが、劇中で死亡したルシファーの暴挙とも言える作戦により計画の歯車が狂い始める。また、パンドラとスルガトの戦闘ではビナーがパンドラ諸共スルガトを殲滅しようと焦るあまり能力を発動しかけたため、クインステラに居場所をあぶり出されるミスを犯し、挙句カエサルがヒーローたちに真実を暴露した事で、アーサーが友への償いとしてマスターオーブそのモノの破壊を決断した結果、計画は完全に破綻。追い詰められた彼女は強硬手段として神化後の姿へと変貌し遂にその本性を現す。

「運命から逃れることは出来ませんよ・・・マスターオーブを奪いなさい!!」

アーサーからマスターオーブを奪い取った彼女は終盤になると、ケテルケセドダアトを除いた天聖を自身に忠実な傀儡として復活させ残りのマスターオーブを奪い取る為、既に満身創痍のヒーローたちを襲わせ血祭りに挙げると言う元のビナーからは想像もつかない残虐な行為を躊躇なく実行した。以降、オラネからの呼称は「ビナー様」と敬意が込められたものから「ビナー」へと呼び捨てに変わり、ビナーもまた本性を現してからは他者に対し敬語を使わなくなった。

「遂に三つのマスターオーブが揃う時が来た・・・日の出と共に消えなさい!!」

「さようなら・・・古き世界・・・」

そしてオラゴンから生命の樹の苗木を強奪し遂に目的を果たした彼女はかつての仲間に目も暮れず、冷酷な言葉を言い放ち、全ストライクワールドの消滅を実行する。

オラゴン「ビナー考え直すである!!今すぐストライクワールドの消滅を止めるである!!」

「もう誰にも止められない・・・世界は生まれ変わるの・・・正しい形にね」

ヒーロー達やルシファー一派に白の書庫へ送り出されストライクワールドの消滅から唯一、難を逃れたオラゴンはビナーに対して再度説得を試みるも、彼女は姉から託された天聖としての使命と重圧に耐えられなかった自身の本心を打ち明け再びオラゴンを突き放す。

オラゴン「姉さんの思いを無駄なんて言わないでほしいである!!」

「いいえ・・・このままじゃ・・・姉さんはただの無駄死によ・・・ルシファーと同じようにね・・・貴方も大切なモノを失えば同じことを考えるはず」

「姉さんの思いを繋ぐことが出来なかった私にはもうこの方法しか残されていないの・・・これが私にとって最後の希望なの!!」

オラゴン「ビナーのバカァーーーー!!」

だが最後はルシファーやビナーをはじめ、仲間たちを何処までも信じていたオラゴンの命懸けの熱い説得と次第に世界が消滅していく光景を目にして心が揺らいだ彼女は世界の未来を自分に託した姉が世界の消滅なんか望んでないことを思い出し、荒れ果てたストライク・ワールドの復興と仲間たちの蘇生・回復を行い、ストライク・ワールドには平穏が戻った。

「姉さん・・・」

力を使い果たした彼女は代償として生命の樹に自らの命を差し出し、微笑みながら消滅した。再生した生命の樹は二つの幹がお互いを支え合うようになっており、姉妹二人の想いを表すかのように満開の花が美しく咲き誇っていた。図らずとも姉と同じ顛末を辿ることとなってしまった妹はこの先何を思ってストライクワールドを見守っていくのだろうか。

余談(ネタバレ含む)

評価

本作品中、ルシファーと同様にその行動の評価が最も難しいキャラクターの一人でもある。起こした行動こそ許されないもので、カエサルを以てして「大悪党」と呼ばれるほどの所業(カエサルも大概だが)ではあるが、本来心優しい性格だった彼女をここまで歪ませてしまった元凶は「神」によって与えられた残酷な運命と、悪しき天聖による私利私欲の行動である。ルシファーは堕天する前に「天界は欺瞞に満ちている。」と語っていたが、ビナーの大切なもの全てを奪い尽くし、取り返しのつかない暴挙に走らせるほど追い詰めてしまったのはまさに天界の「欺瞞」そのものだといえよう(これはルシファーにも言えることだが)。

果てなく怒る『理解』の天聖

終盤においてビナーの手で復活させられた7名の悪しき天聖たちは、戦隊モノでおなじみのいわゆる再生怪人にあたる。しかしながら操っている大元が生命を自在に操れるためか、この作品においては再生怪人は弱いという法則は一切通じず、全員が全員オリジナルと同等かそれ以上に強い。また、人形であるがゆえ痛みも恐怖も一切感じない。ただでさえ生前のイェソド1人でも絶望的だったというのに、それが7人がかりでしかも生前と同じ強さかつ死者であるために倒すことすら不可能、対してこちらは全員満身創痍という、もはや気合や根性でどうにかなるレベルを遥かに超えた無理ゲーとしか言いようがない。

極めつけには、人形たちは攻撃がオリジナルよりもさらに残虐になっている。具体例としてマルクトを挙げてみると、彼はソロモン編同様ソロモンに襲いかかっているが、あろうことか彼女の顔面を集中攻撃するという倫理的に完全アウトな行為に及んでしまっている。そもそも生前のマルクトは性格こそ邪悪だったが、ソロモンたちに対して魔法という同じ土俵で真っ向勝負を挑んで圧倒し続けた男である。そんな彼がこのような行為に出たのは、彼の意思云々ではなくビナーの冷酷非情さが死体に反映されていたということに他ならない。

何より恐ろしいのは、こうした残虐行為が眉一つ動かぬ無表情で次々に繰り出されることである。無表情のままヒーローたちを血祭りにあげていく終盤の光景は、もはやホラーを通り越した悍ましい何かとしか言えない。

このように、アーサーたちに対して閲覧禁止レベルの所業をやらかしたビナーであるが、この場面、見方を変えてみると彼女による悪しき天聖たちに対する遠回しな復讐にも見える。

悪しき天聖たちの欲深さに始終翻弄され続け、生命の樹の復活さえ叶わなくなった彼女には最早かつての優しき面影はどこにもなくなっていた。そんな彼女はマスターオーブを奪うという目的のためだけに死者を蘇生・使役し弄ぶという天界どころか世界に生きとし生けるものとして決して許されざる禁忌を犯してしまった。かつて世界全てを支配するという大いなる野望に燃えていたマルクト、自分こそが最も美しいと信じていたティファレト、そしてビナー自身に想いを寄せていたイェソドまでもが死してなお物言わぬ人形として操られる様は、いかに生前が悪党とてあまりにも哀しい光景である。悪しき天聖は総じてプライドが高い者ばかりなため、死後も操られ尊厳を踏みにじられることは耐え難き屈辱に違いない。仲間達を襲撃させたことは許されざる罪だが、天聖たちからすればビナーを追い詰めた故の当然の報いとも言える末路であり、哀れではあるがごく一部の者を除けば救いようも同情の余地も皆無である。

話を纏めると、本性を現した時点でのビナーは消えるとわかっている天界を含めた世界に生きる者達がどんな目に遭わされようが興味はなく、対して天聖たちには死んだところで晴れることのないドス黒い憎悪を抱えていたと言える。そうでもなければ、あれほど心優しかった彼女が死体を操るという禁忌を犯した説明がつかない。悪しき天聖たちの復活は、アーサーたちの始末とビナー本人による悪しき天聖たちに対する凄絶なる復讐劇という2つを意味していたのだ。彼女が天聖たちに対して抱えていた憎しみは、たとえ世界の書き換えに成功したところで永久に晴れることはないのかもしれない…

  • 超えなかった最後の一線

傀儡として蘇った天聖のうち、前述の通りケテルとケセド・ダアトの3人は対象から外れていたが、ケテルの場合はルシファー以外のヒーローたちと全く面識がなかったことのほか、ウェディングゲームの件が理由で復活させたくなかったのかもしれない。ケセドに関してはそもそも戦闘力が皆無かつ改心し自身の命と引き換えにノアを蘇生させた点、ダアトに至ってはイェソドとの戦いで死の淵から自らを犠牲にして救ってくれた恩人のため除外したのだろう。元々救いようのない極悪人だったケテルはともかく、仮にモンストアニメ屈指の涙腺キラーであるケセドと自身に未来を託したダアトを傀儡として操ろうものなら、それはケセドと友情を結んだノアやオペコ、パンドラ,ダアトを師匠と慕うゼフォンに対する最低最悪の侮辱と言える。イェソドたちを使役したことも既に大概なことだが、万が一ケセドやダアトの使役まで実行に移していたらビナーは間違いなくケテルに匹敵かそれ以下の畜生に成り下がっていただろう。

最後の悪しき天聖

彼女の起こした暴挙はどんなに姉や世界を思う純粋な気持ちからであったとしても、自分に都合の良い世界を造り直したいと言う欲望と天聖への復讐のためだけに他の人々への思いを捨て、かつての仲間を欺き、血祭りに挙げてまでストライクワールドを滅ぼそうとした時点で、ダアトやプライオル、及びビナーを信じてきた天界の民や仲間たちへの裏切りに他ならない。

あれだけ悪しき天聖による私利私欲の暴挙を非難して来た彼女もまた、オラネの研究成果に魅了され欲望を満たす行為に及んだ結果、皮肉にも彼女自身がヒーローの前に立ちはだかる最後の悪しき天聖へと成れ果ててしまったのである。

彼女の贖罪と救い・・・。

道を踏み外す以前には仲間達と世界を思う優しい心を持っていたことは紛れも無い事実であり、少しでも何かが違っていれば彼女が道を踏み外し、ひいてはそれによるルシファーの暴走を防げた可能性は十分に考えられた。とはいえ最後には優しい心を取り戻し、贖罪の為とは言え自らの消滅と引き換えに、仲間たちや世界を正しい形で回復・復興させたのはせめてのも救いであろう(この最期は同じく生命の樹に命を捧げたプライオルの他、自らの行いを反省しノアとの友情を育んで彼を自らの命と引き替えに救ったケセドにも通ずるものがある)。

天聖亡き天界の行く末

悪しき天聖達の脅威はビナーの死亡により真の意味で終焉を迎え、復活した神と生命の樹の元、天界は新たな道を歩む事となる。しかし、天界の欺瞞は完全に解決したわけではなく、五千年後に先送りされたに過ぎない。時が来れば新たな天聖を選抜し生贄を捧げなければならず、天界の悪しき慣わしを変えない限り新たな犠牲者・被害者・加害者を生み出すことになるであろう。その事態を防ぐためにもウリエル達には天界の欺瞞を変えるべく行動を起こしてくれると信じたい。

これ以上、大切な仲間が道を踏み外すことがないよう、新たに保たれた天界およびストライク・ワールド全体の平和が続くことを祈るばかりである。

関連タグ(真)

哀しき悪役 悲劇のヒロイン ラスボス 真のラスボス

ルシファー(モンスト)ミロク(モンスト)・・・モンストアニメにて、完全な悪と言えないながらも自らの信念の為に多くの人々を傷つけてしまった女性主要キャラクター繋がり。いずれもラスボスやそれに近い立ち位置にいるキャラクター。因みにミロクは進化形態が悪で神化形態が善と、ビナーと対照的になっている。

他作品における類似キャラ

キャロル・マールス・ディーンハイム(戦姫絶唱シンフォギアGX)・・・理不尽な理由でただ1人の肉親を喪う、目的のためなら手段を問わない、人形を操り使役する(ただしこちらは死体ではなく本物の人形)など共通点が多く、そしてあと一歩で世界を滅ぼしかけたラスボスヒロイン繋がり。

ちなみにこちらの作品では、ルシファー、アーサー、ティファレトの中のたち同じチームとして共演しており、さらに言えばカエサルとビナーの中の人たち故人として出演している。

オティヌス(とある魔術の禁書目録)・・・自身の目的のためだけに世界そのものを作り替えることを目論んだヒロイン繋がり。他にも、プロセスこそ違うが死者を使役する術を持つ、最終的に思いとどまり元の世界を修復したなど、ビナーに通じるところが多い。

美剣サキ(ウルトラマンR/B)・・・こちらも肉親を失った悲しみに囚われた結果、自身の目的に固執して世界を滅ぼすという本末転倒な選択をしたヒロイン。しかもビナー同様妹繋がり。境遇、動機、手段に至るまでビナーに通じるものがあるが、こちらはコンプレックスを拗らせたせいで主人公たちと全くウマが合わず、物語から退場するまでついぞ相容れることはなかった。