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コンピューターウイルス(ユアストーリー)の編集履歴

2021-05-05 18:42:16 バージョン

コンピューターウイルス(ユアストーリー)

こんぴゅーたーういるす

3DCGアニメ映画、ドラゴンクエストユアストーリーに終盤で登場するキャラクター。

この記事そのものが映画ドラゴンクエストユアストーリーの重大なネタバレである及び(緩和されてるものの)映画の批判内容が含まれている為、読むことに注意。














































概要

映画ドラゴンクエストユアストーリー」におけるラスボス。


親子3代に渡る物語を描くため長編となっている『DQ5』を劇場版用に再編した『ユア・ストーリー』は、上映時間が約1時間40分しかなく、全体的に尺不足でバッサリとカットされたり、より尺が短くなるように大きく変更された箇所が多い。同作において、主人公の因縁の相手であるゲマと決着が付くまでに約1時間30分程度を要しており、本来のDQ5ラスボスミルドラース降臨を阻止されるような形で登場しなくなっている


しかし、そのミルドラース降臨を阻止したかと思った瞬間、残り10分程度で唐突にねじ込まれたのがこのキャラクターである。

なお『コンピューターウイルス』というのはある種便宜上の呼び名でありストーリー上ではこいつがミルドラースとされている。

ミルドラースウイルスを略し『ミルドウイルス』あるいは、ユアストーリーミルドラースを略して『ユアスドラース』と呼ぶべきではないかという意見もある。

外見で似ているモノと言えばドラゴンクエストⅩ時元神キュロノス、ドラクエに限らなければコレコレであろうか。


「DQ5にどうしてコンピュータウイルスが?」という疑問を抱く所だが、劇中何の伏線もなく唐突に「今までの本編はDQ5を元にしたVRアトラクションであった」と明かされ、このウイルスはVRアトラクションを破壊するためにハッカーが作り送り込んだという設定である事を本人が自己申告する。


劇中での活躍

劇中で彼の存在が発覚するのはストーリーのクライマックス。

映画のストーリーにおいて、魔界の門を封印することのできる天空の剣を手にした主人公が、最終局面において魔界の門の封印に成功したかと思ったその瞬間、特に何の伏線もなく唐突に現れる


現れるや否や、主人公(および観客)に対して上記の事実を告げて、世界を破壊して何もない無の空間に戻した後に、主人公を冷たく突き放すが、実はアンチウイルスプログラムだったスラりん山寺宏一イケメンボイス)が変身した天空の剣同様ドラクエシリーズお馴染みの伝説の剣によって討ち滅ぼされハッピーエンドとなる。


評価

本作の評価自体にも直結する事だが、ラスト10分で唐突に現れる上にこのラスト10分での主人公・ウイルス両人の言動に関してツッコミどころが余りにも多い。


  • 主人公に対し「私を作ったハッカーからの伝言だ。ゲームなどやめて大人になれ。現実に帰れ」と冷笑的な言葉を浴びせるが、そう考える根拠やハッカーの人となりが全く示されない
    • そもそも主人公は「懐かしのDQ5のVR版が出たので遊んでいる」だけの大人であり、別に現実が受け入れられないのでゲームやVR空間に逃避しているというような設定・描写はない。そのためこのような説教を突然無関係のハッカーにされないといけない理由が不明。
    • また、ハッカーがテレビゲームやゲーマー自体を憎んでいるとしても、その中でもわざわざVR版DQ5を格別に憎んで破壊しようとする意図が謎である。VRゲームに興じる見ず知らずの他人に説教を垂れる為だけにウイルスを送り込んでいるとしたらそちらの方がよほど幼稚というツッコミもある。
    • VR世界にウイルスが入り込んでいるような描写は残り10分まで一切ない。勿論相棒として旅してきたスラりんがワクチンプログラムを抱えているという描写も一切ない。

  • 主人公はこれに「ゲームは確かに作り物かもしれないが、もう一つの現実でもある」と反論し打ち倒す。
    • しかしこちらも論拠があやふやで、少年期~青年期に自室でゲームに興じる主人公のカットが入り、少年の頃からゲームが好きだった事は伺えるだけでそれがどうこの結論に繋がるのか不明瞭。
    • これが映画製作陣が伝えたかった本当のメッセージという解釈もでき、このメッセージ性を評価しユアストーリーを好む人物も存在するが、1時間30分で描いていた内容との関連付けは薄く、VRオチ自体が横紙破りで無理やり付け加えられた感は否めない。

  • VRゲームであると突然明かされた事でそれまでの描写が台無しになったり、矛盾点が生じる部分がある。
    • DQ5最大の決断とも言える結婚相手選びについて、VR版DQ5を前にした主人公(現実)が周回プレイした事がある人特有の軽いノリで決める発言をし、それを元に潜在意識プログラムなるものが生成されるくだりがある。セットこそしていないが、このシーンのせいで本編で言及された「自分でも気づいていない本当の気持ち」という要素や、相手の幸せを願ってお互い身を引こうとしていたフローラ・ビアンカ両名の行動が茶番扱いされるような結果となってしまっている。
    • また、多くの人がビアンカを推す理由として挙げる幼年期編での2人の冒険はSFC画面風映像で一気に飛ばされている。幼年期編がプレイできないのはVR版の仕様であると考える事ができなくもないが、DQ5未プレイ者にとってはどうしてビアンカを好きになるのかが分かりづらく、優しくない要素である。
    • 事前に「ロボットと戦う要素も入れてほしい」と主人公(現実)がリクエストしており、多少要素の追加や調整ができる事を伺わせているが、そのリクエストで追加されたと思しきメタルハンター(映画資料にはキラーマシンとも)は元々DQ5に登場しており、態々リクエストしないといけない理由が謎。ゲーム内で戦うシーンでは「ロボット!?」と驚いているが、DQシリーズではお馴染みのモンスターを自分でリクエストしておいて驚くのも不自然である。
    • 現実と思い込める程リアルなVRの世界…という触れ込みのアトラクションだが、主人公が石化した後も跋扈する魔物に苦しめられる人々、そして父を救おうとする息子アルスの冒険パートなど、一人称的ではなく観客・視聴者に向けたメタいパートが入るという点も指摘される(これもVRゲームの仕様であると取れなくもないが)。

  • そもそもの話として、DQ5のテーマとこのラスト10分で述べられるテーマに関連性があまりに薄い。ラスト10分の内容が言いたいのであれば態々DQ5を起用せずとも架空のゲームソフトで充分表現できてしまう
    • 当初『ユアストーリー』はDQ5を原作とした3DCGアニメ映画とされており、ドラクエを筋書きに組み込んだオリジナルストーリーであるとは明言されていなかった為、DQ5の映画化を期待した人にとっては突然全てがちゃぶ台返しされたような状態であった。
    • また、「親子3代の物語を描く」「SFC世代のドラクエ好きへ」と、DQ5の内容や発売年代をふまえて特定の層を狙った宣伝を盛んに行っていたが、特にDQ5だからこそ・その層だからこそ共感するようなメッセージ性が盛り込まれているとも言い難い。
      • 例えば現実での主人公親子3代がドラクエシリーズを楽しんでおり、それをDQ5の親子3代と関連付けて描いたうえで「もう一つの現実だった」という主張をもってくるならまだ理解できるが、そうした描写も一切無いために「懐かしいゲームのVR版を遊んでいたら急に変なやつが出てきて説教してきたので倒した」以外の何物でもない。

改変点はありながらも概ね原作に寄せた流れで殆どの時間を使っておきながら、ラスト10分で唐突ににツッコミどころ満載の取って付けたようなやり取りが展開される事で

今までのストーリーが完全に崩壊・無意味化してしまっており、これが『ユアストーリー』という作品自体の評価が非常に低い原因となっている。


とはいえDQファンの中には『これはこれであり』という意見もあったりすることは留意して欲しい。


関連タグ(ユア・ストーリー版)

衝撃の結末 メタ発言


世界の中心でアイを叫んだけもの……「公式自らファンに唾を吐く」という似たコンセプトでリリースされた曰く付きのシナリオ。当然大炎上を招いた点も同様。

原作そのものか、既存の原作を改悪したものかという違いはある。


ブラック・ノワール:同様のメタ発言をしたり、設定を持つラスボス繋がり。なお、コイツが出た番組SFC版DQⅤ発売の約三ヶ月後に放送開始している。


ルパン三世THEFIRST:本作の監督の次回作。ラストバトルでは本作のラストと似た展開があるが現実を突きつける側と付けられる側が逆になっている。

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