演者:中山太郎
データ
身長 | 50.0m |
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体重 | 300.0t |
飛行速度 | マッハ15 |
出力 | 200万馬力 |
概要
ララーシュタイン率いるロボット帝国と戦うスーパーロボット。
嵐田陽一郎博士が遺した設計図を基に、祖父の嵐田竜之介が村野博士に依頼して制作したもので、1号機と違い超合金バロニウムが使われている。なお、1号機は陽一郎がララーシュタインの元で共同開発した物で、陽一郎の手で爆破・破壊されている。
パイロットは嵐田陽で、陽以外は操縦する事は出来ないが、操縦者の変更は簡単に出来るという。しかしこれは反抗的な陽を諌める為、村野博士が脅しで口にした嘘の可能性もある。
動力源は小型中性子原子炉「パイルX」で、これはマッハバロンの動力源にしてKSSの自家発電装置の中枢も兼ねている(正確に言うと、KSS海底基地の26基の「パイル(小型原子炉)」は、それぞれは仮に破壊されても他に被害が及ばない様になっているが、「パイルX」の破壊、即ちマッハバロンの破壊に際しては、それに連動して連鎖爆発を起こす様に村野博士により仕組まれている)。その為、マッハバロンが倒される事はKSSの壊滅を意味する。
陽が操縦する自動車マッハトリガーが左脚部に格納された後、座席がマッハバロンの額にあるコックピットへと移動する(空中では背中のハッチから、マッハトリガーが胴体内の格納庫に入る)。
操縦席に移動後、マスタースイッチをオンにした後、更に10近くある各種スイッチをオンにする事で起動する。
レッドバロンと同様に起動する際、「ファイトレバー・オン!」と掛け声を上げるシーンもある。※第24話の描写から、右足首には10数人乗りのエレベーターが有る事が判明している(胴体内の整備用らしい)。
発進基地は海底下にあり、発進するには専用の注水チェンバーに入り、注水されて水没した状態でチューブ内から発進する。
発進する際の掛け声は「マッハ・サリー・ゴー!」。
また、マッハバロンの首には武装の切り替え装置があり、武装を切り替えるための「準備動作」として、首が高速回転する。
この機能の為、陽には高速回転に耐える為の訓練が施されている。
首の左側に武器回路が有り、第6話ではレオパルトX1のノコギリにこれを切断され危機に陥った。
第21・22話でワルサーキル、同α号が腰から放った「機械の機能を狂わせる泡」を両足に受けた事で飛行不能になっている。
首の高速回転の他、劇中では武装を用いる前に、身体を前後に屈伸させたり、両腕を回転させるなどの「準備動作」が行われる様子が見られた。ただし、回によっては省略される事も多々あった。
マッハトリガー
マッハバロンに乗り込む為に用いられる特殊車両。
ベースとなった車種は初期型の日産・フェアレディZ。2連装の機関砲を装備している他、飛行機能があり、キャビンの屋根部分から翼を広げて飛行可能。
飛行時のみ小型ミサイルを車体下部から射出出来る。
武装
- マッハコレダー
マッハバロンの必殺武器。1億ボルトの超高圧電流と中性子線をミックスして目標物に照射、敵を内部から爆砕する光線兵器。両目から発射される。いわゆる「必殺技」である。
- フライングナックル
両手の拳を発射し目標に当てる物理攻撃兵器。誘導機能があり、攻撃後は自動帰還する。
- ドルフィンパンチ
フライングナックル同様に、左右の拳を発射する。準備動作が入る場合もあり。
- アトミックファイヤー
頭部の口の部分から出現する火炎放射器。
- カノンショッター
頭部の口の部分から出現する3連ロケット弾。威力が低いが速射性がある為、主に牽制に使われる。
- アイアンタイフーン
頭部の口の部分から出現する装備で、バロニウム合金の小型の針を9本同時発射する。
バロニウム合金の物理的な針なので爆発効果は無いはずだが、敵に刺さると爆発する描写がある。構造的には、むしろ「吹き矢」、または「含み針」。
- バロンスマッシュ
胸部に2門搭載された大型ミサイル。敵武装の破壊やダメージを与える為に使われる。
- メリコンパンチ
両拳の甲の部分から出現するバロニウム合金製の特殊カッター。
「メリコンカッター」と呼称しているシーンも有る。
- ベルヘンロケッター
バックルを含むベルト部分の前半分が切り離され、飛翔する救助装置。敵にぶち当てて物理攻撃に用いる事もある。救助用としては第2話、攻撃用としては第24話で使用。
- ドルフィンビーム
両拳の甲の部分に備わるビーム兵器。敵の武装をピンポイントで破壊する為に用いられる事が多い。
甲の部分を残し、拳を(手首を支点に)下方に下げる事で2本の砲身が出現するが、画面上ではアングルの都合で確認できない。なお、第19話ではこのギミックを利用して消火剤を噴射している。
- フライングキック
両脚底部のジェット噴射装置で飛翔し、宙返りしてドロップキックを放つ。呼称の無い場合もあり。
一部資料などでは「バロンキック」の記述も見られる。
- ウォールビーム
胸部のやや下部から放たれる防御用バリヤー。突風を防ぐことも可能。
- ピッカーワン
両脚底部に片足に2門、両足で計4門備えられた自立誘導式ミサイル。
マッハバロンの武装の中では最も使用頻度が低い。
- β光線カウンターアタック
ゲラー空軍参謀の最終作戦で登場した、αレーザー光線搭載のワルサーキルα号に対抗するため、βレーザー光線を搭載し放った攻撃。α光線が放たれた瞬間に対抗照射し、ワルサーキルα号を破壊した。
αレーザー光線は、村野博士の恩師、南博士の開発したレーザー。単体でも超合金バロニウムに穴を開けるが、βレーザー光線と合わせる事で、分子結合を完全に破壊する。
波長的には、βレーザーにαレーザーを衝突させると「飲み込まれてしまう」らしい。これを利用し、ゲラーに放って彼を完全に消滅させた。
マッハバロン1号機
設計者の嵐田陽一郎が、ララーシュタインのもとで自ら開発した機体。
劇中では回想シーンにのみ登場。超合金バロニウムは未使用で、劇中で陽が駆る2号機とは、頭部の形状などが異なっている。
ララーシュタインが世界征服を企んでいる事を知り、その尖兵に用いられる事を恐れて、嵐田博士が自らの手でドック内にて爆破してしまった。スペックなどは不明。
訓練用マッハバロン
15話登場。マッハトリガーのドッキング訓練用。
訓練場の地下からせり上がって現れた。ドッキング前にロボット帝国から攻撃を受けたため、どの程度動くかなどは不明。
商品化
放送当時、ポピーより超合金が、ウッドより大きさの異なる合金製の人形が発売されていた。
ポピー版は、近年に縮小されたサイズのものが発売されている。
アオシマより発売されたプラモデルは、頭部や手足を分解した、いわゆる「ミニ合体マシン」も発売。後に流用され「ドライガー」となる。
また、基地のプラモデルも発売。「巨大なマッハバロンの足首部分のみを基地としてキット化、マッハトリガーの格納・発進が可能」という、アオシマらしいギミックのものも発売されていた。
近年、エヴォリューショントイより、「ダイナマイトアクション」シリーズの一体として発売された。
余談
武装・装備関連の余談
- マッハコレダーは、「バスターコレダー」「キャプテンコレダー」「紅丸コレダー」「アビゲイルコレダー」など、後年における様々な作品に登場する、必殺技の元ネタとなった(英語発音なら「コライダー」になるため、紅丸コレダーは後に「紅丸コライダー」に改名)。
- マッハコレダーは、照射範囲をかなりピンポイントに調節できるらしい。そうでないと、第12話のとあるシーンでは、周囲の人間たちも巻き込み(レギュラー陣を)全滅させる事になってしまう。
- また、超合金バロニウムはマッハコレダーのエネルギーを特殊なパルスに変換するらしく、これが(仮死状態でロボット帝国から脱出した)村野博士の復活の鍵となった。
- メリコンパンチのカッターは、第1話や第18話の小杉愛救出シーンでも用いられた。
- ドルフィンビームの砲身は、「テレビマガジン ヒーロー大全集」P.209に詳細が判る写真が有るが、その後の資料には記載されていない。
- フライングキックに関しては、レッドバロンの、「ジェットファイヤー」に似た技を使ったエピソードもある。
- ウォールビームを使用した第6話には、本来入れるべき合成を入れ忘れ、ガラス板の黒枠が剥き出しになるミスが有る。
- ビッカーワンは第21話で、飛び上がったワルサーキルの足裏に吸着し、そのまま山の裏側にワルサーキルを運んで爆破した。このため、ワルサーキルα号がワルサーキルを修復した同一の機体なのか、予備部品から組み上げた別機体なのかは、劇中では不明。
造型物
田中視一氏のデザインを元にグラスファイバー(FRP)製スーツとウレタン/ラテックス製(エバーソフト製の可能性有り)のアクション用スーツ、複数種のミニチュアモデル(八関節可動モデルと発進体制撮影用可動モデル、所謂「飛び人形」が電飾/フロンガス噴射ギミック付きと発進時の水没前提モデル等)がヒルマモデルクラフトで製作された。
着ぐるみはプロポーション重視の観点から「高下駄」方式が採用されている。
※アクション用スーツに顕著だが足首から下がほぼ「上げ底」である。
因みに頭部、胸部等武器描写他でクローズアップされる部位は別途専用の造型物が用意された。
機体構造補足・考察
「足首にマッハトリガーや大型エレベーターの格納庫が有るのに、足裏のあの大型ノズルは成立するのか?」という疑問に関しては、結論から言えば方法は有る。
足裏の円形ノズルは、下腿部のエンジンから複数の伝達配管を介し、ノズル外周から中心部に向ける形で多数の噴射ノズルが存在。その噴射を中心部に集約する事で推力線を合成、劇中での推進方を実現している(成形炸薬の「モンロー効果」に近い方式)。
とは言え、通常のジェットエンジンで出来る芸当ではない。設定からも「熱核ジェットエンジン」では無い。電磁流体推進としても描写がおかしい。
結論を言えば、これも「重力/慣性制御」の応用である。この場合は推進媒体となる空気や水を取り込む過程で重力加速を行い、伝達経路自体でも重力制御を掛ける事で(機構への負担を抑えつつ)「ジェットエンジンとしての」推力発生を実現している。
この方式は「機甲界ガリアン」の裏設定に有る「静粒子(スタティコン)を介した重力制御理論=静重力理論」のそれに近く、マッハバロンやララーシュタイン側のロボットが流体抵抗を無視した飛行/水中航行、更には地中移動を可能にしているのは、こうした「重力/慣性制御による周辺流体物質の流動制御とその反作用の応用」による物と思われる。
※上記はあくまで考察であり、公式設定ではない事に注意されたし