ピクシブ百科事典は2024年5月28日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

CV:若本規夫

「人は平等ではない。生まれつき足の速い者、美しい者、親が貧しい者、病弱な身体を持つ者、生まれも育ちも才能も、人間は皆違っておるのだ。

そう、人は差別されるためにある。だからこそ人は争い、競い合い、そこに進化が生まれる。

不平等は悪ではない。平等こそが悪なのだ!!

権力を平等にしたE.U.はどうだ?人気取りの衆愚政治と坐しておる。富を平等にした中華連邦は怠け者ばかりだ。

だが我がブリタニアはそうではない。争い、競い、常に進化を続けておる。ブリタニアだけが前へ、未来へと進んでおるのだ!我が息子クロヴィスの死もブリタニアが進化を続けているという証!

戦うのだ!!競い、奪い、獲得し、支配しろ、その果てに未来がある!!オール・ハイル・ブリタニア!!」

人物像

神聖ブリタニア帝国第98代皇帝

ルルーシュナナリーの父親であり、威厳と威圧に満ちた強烈なカリスマ性を放つ絶対君主。

そして、ルルーシュが打倒を誓った怨敵にして天敵

「不平等においてこそ競争と進化が生まれる」という独自に理念を持っており、それを実践する為に、皇位継承者同士をあえて争わせ、最後に勝ち残った者を次期皇帝にする事を宣言している。

一見すると貪欲な独裁者な様に思えるが、実際には意外にも政治には関心が薄く、政務の殆どを宰相である次男・シュナイゼルに任せており、自身は王宮内にある「黄昏の間」で過ごしている事が多い。

その本性は、どんな些細な「嘘」も嫌う異常に潔癖な精神性の持ち主。それは人が他人を想ってついた「優しい嘘」でさえも許せない程である。

そうなった経緯は、かつて実母を親族間の帝位の争奪によって喪い、嘘と裏切りに染まった現在の世界に絶望した為であり、果てには兄であるV.V.やコード保持者だったC.C.、妻として娶った腹心のマリアンヌ、忠臣であるビスマルク・ヴァルトシュタインなど、一部の信頼を置いた人間達と共に「嘘のない世界」の創生を目指すまでとなった(V.V.と2人で誓ったのが始まりである)。

しかし後に、V.V.はマリアンヌへの嫉妬と恋情から、マリアンヌの暗殺を決行し、自身に嘘をついてマリアンヌを殺したとして分裂する。そして直後にC.C.も彼等とは袂を分かってしまう。

また、ビスマルクに関しては自身の家族や嚮団の関係者ではない為か、マリアンヌの精神体やC.C.や嚮団関連の重要な情報は殆ど何も教えていないなど、完全に同志として信頼していた訳ではないらしく、作中の時点で完全に信頼のおける同志と言えるのは、マリアンヌだけになっていた。

108人もの妻を持つが、殆どは貴族たちから薦められた女性であり、真に心から愛したのはマリアンヌだけだった。ルルーシュやナナリーへの風当たりが強いように感じるが、自身が愛した女性との子供故に、彼なりに愛情はあった模様。兄妹を日本に追いやったのも、二人をマリアンヌ暗殺の実行犯であるV.V.や余計な争いから遠ざけるのが当初の目的だった。また、マリアンヌの事件に関わったナナリーをV.V.から守る為に、自身のギアスで彼女から光を奪い、彼女を盲目にする事で情報弱者に仕立て上げた。

嘘のない世界を作るべく、世界各地にあるギアスに関わる遺跡を調査させ、集合無意識たる「Cの世界」の存在を知る。そして“アーカーシャの剣”を用いて「Cの世界」を打倒し、全人類の持つ意識を“個”から“集合体”に変化させて、互いが真に意思を疎通させていける世界を目指していた(要するに、コードギアス版サードインパクトみたいなものである)。

しかし、V.V.によるマリアンヌ暗殺事件の後は、ギアスでアーニャの体に精神体として宿ったマリアンヌと連絡をとり、V.V.とは袂を分かつ形で独自に計画を進めるようになる。

計画実行の為に、袂を分かったもう一人のコード保持者であるC.C.を連れ戻そうと、マリアンヌの精神体を通じて説得を繰り返していたのだが、C.C.が応じなかった為に、マリアンヌがルルーシュと契約する事を持ちかけて「ルルーシュがC.C.の願いを叶えられなかった場合は、計画に再び協力する」という約束を交わす。その結果ルルーシュはC.C.と契約を結び、ゼロとしての道を歩む事となった。つまり、彼等はゼロの正体がルルーシュである事など最初から知っており、C.C.との約束を全うする為に、ルルーシュをあえてゼロとして泳がせていたのである。

ルルーシュの記憶をギアスで改竄して日本に戻したのも、ルルーシュをC.C.をおびき寄せる為の囮にするのが目的ではなく(そもそも、C.C.の動向はマリアンヌを通じて逐一把握していた)、C.C.との約束の件を知らないV.V.の目を欺きつつ、自然にルルーシュをC.C.の下に一旦送り返すのが目的だった(その為に、学園の監視もあえてルルーシュが記憶を取り戻せば制圧できる程度のものにしていた)。

また、ナナリーをエリア11の総督にしたのもV.V.から遠ざける為であり、さらにルルーシュの正体が判明した後にナナリーを本国に呼び戻したのも、V.V.が死んだ事でナナリーを遠ざける必要が無くなったからである。ちなみにルルーシュがC.C.の願いを叶えてコードを継承した場合は、ルルーシュを説得して計画に協力させるつもりだった模様。

その一方で、計画の為に遺跡が存在する世界中の国家へ重点的に侵攻して、占領しており、日本も神根島の存在故に、ルルーシュ兄妹を疎開させておきながら侵略を断行している。この件によってルルーシュから「守る為に遠ざけた」というのは、ただの自己満足の言い訳に過ぎないと論破された際には、2人揃って反論できずにいた事から、彼等の中では「自分達の計画>子供の命」だったのは疑いの余地はない。

決して血も涙もない訳ではないのだが、自らの計画が「死者との意識共有」も可能にすると考えていた為に、“死”そのものへの感傷が大変に薄く、我が子が危機にさらされる懸念がありながら日本に侵攻したのは、こういう思想を持っていたからである。現実で自分達が行っている侵略戦争などに対しても、この思想から感慨は希薄で、自身の子供が死んでも関心は薄い(本人としては、テレビでも見ているような感覚しかないらしい)。争いで肉親を失った事で嘘のない世界の創造を誓っておきながら、自ら争いを振りまいて肉親の死に何も感じないような人物になったというのは何とも皮肉である。

なお、今でこそこんな厳つい外見だが、若い頃はルルーシュにも負けない美男子だった。少年期は中性的な外見の美少年であり、髪はナナリーと同じ栗毛で、ナナリーや三男・クロヴィスは父親似だった事が一目で分かる。青年期の外見はシュナイゼルに似ている(シュナイゼルとは違って長髪で、より体格も大柄だったが)。

性格面の方は、親しいものへの優しさ、理想を実現しようとする野心、一度決意すると如何なる犠牲をも払う覚悟の強さ、確実に勝ちに行く権謀術数の腕前…等々、(ルルーシュは認めたがらないだろうが)ルルーシュの性格は完全に父親譲りであり、よく似た親子だと言えるだろう。

因みにギアスの性質もかなり似ている(相手の目を見つめて発動する事、相手の思考に干渉し思うがままに操る事などが共通)。

活躍

コードギアス 反逆のルルーシュ

クロヴィスの葬儀で衛星中継による演説を行い、己の息子の死を「帝国の進化の証」と豪語してみせた。……が、これ以降は特に大きな出番はなかった。

ユーフェミアによる日本人の大虐殺直後にワンカットのみ登場したが、実の娘を襲った悲劇をも意に介さず「あやつめ、やりおったわ!」と叫び大笑いしていた。これらは先述の「死への感傷の薄さ」が原因である。

余談であるが、クロヴィスの葬儀で行った演説はその威厳と凄味から若本ファンに、そして若本規夫という声優を知らなかった視聴者に大きなインパクトを残したという。

コードギアス 反逆のルルーシュR2

“相手の記憶を改竄するギアス能力者”である事が発覚し、ルルーシュの記憶を改竄した他にも、アッシュフォード学園の生徒会メンバーの記憶を書き換えている。

そして、黒の騎士団がギアス嚮団を襲撃した際に、兄のV.V.がかつて嫉妬からマリアンヌ暗殺を企てた事、そして今度はルルーシュの暗殺を独断で決行した事を追求して、自分に二度までも嘘をついた報いとして彼から不老不死のコードを奪い去り、死に至らしめている。

そして、ルルーシュとの直接対決に至り、ギアスを掛けられたがコードを所持していた為に無事だった(後述の行動を考えると、ルルーシュを誘き出す為にわざと抵抗せずギアスを受けたのかもしれない)。暫く死んだふりをしていたが、ルルーシュが死亡を確認しに出てくると起き上がり、自分が不死であるという事実を突きつけて心を折っている。

そしてC.C.からもコードを奪おうとし、ルルーシュでは「死」という自身の願いを叶えられないと悟ったC.C.の方も、最初は上記のマリアンヌとの約束からコードを差し出そうとするが、後にC.C.の記憶を垣間見た上で帰還したルルーシュからの説得を聞き入れてコードの譲渡を拒否し、更に蜃気楼の乱入によってアーカーシャの剣を壊されて、そのまま行方不明となる。

しかし、ゼロによる「超合衆国日本」の宣言と時を同じくして本国に復帰する。

シュナイゼルの進言を「俗事」と取り合わなかった事から、シュナイゼルを初めとしたメンバーから不信感を抱かれ、クーデターを計画されるも、それを無視して神根島に向かい、嚮団の残党を率いてアーカーシャの剣を修復する。そこで再びルルーシュと対峙し、自らの計画の全てを語って聞かせて、後から来たC.C.、マリアンヌ、枢木スザクらの前でアーカーシャの剣を起動させる。

しかし、ルルーシュに彼の求める世界が「自分たちに“だけ”優しい世界」だと論破され、更にルルーシュがギアス能力を昇華させて「Cの世界」にギアスを掛け、アーカーシャの剣の起動を強制的に停止させてしまう。これによりアーカーシャの剣が崩壊を始め、「Cの世界」からコードに干渉された事で自身の肉体が崩壊を開始。最後の力を振り絞ってルルーシュへ襲い掛かり、シュナイゼルの作ろうとする世界の危険性を訴えるも、ルルーシュに改めて拒絶され、最期は怨嗟の声をあげながらマリアンヌと共に「Cの世界」に取り込まれて完全消滅した。

上記の通り、本質的にはルルーシュと非常によく似た面も多い人物だったシャルルだが、彼とルルーシュが決定的に違ったのは、ルルーシュが「未来」を求めて世界と向き合う事を選んだのに対して、シャルルは自分達がもう取り戻せない「過去」だけを見て、自分達に都合の良い世界だけを求めて、世界と向き合おうとしなかったという点である。この点は、シュナイゼルやC.C.などからも指摘されており、「目の前の現実を見ようともしていない」「結局は自分が大事なだけ」というシャルル・ジ・ブリタニアという男の本質を見抜いたからこそ、この2人はシャルルから離れる事を決意したのである。

要するにシャルルは本質的には、都合の良い記憶を見続けられるリフレインの麻薬に逃避したカレンの母親などと、何も変わらないような人物なのである。

しかし、コードギアスの世界の現状を考えれば、リフレイン麻薬中毒者やシャルルとマリアンヌが過去だけの世界に救いを求めるのも無理も無い話だったのも事実とは言える(ただし、そもそもコードギアス世界の現状は少なからずシャルル達自身が作ったものである事や、シャルル自身のこのような在り方は一人の父親としても一国の皇帝としても、大いに問題があった事もまた言い訳のしようがない事実だが)。

一方で、彼が欲した「嘘のない世界」による平和への理念は、ルルーシュの思想にも少なからず影響を与えており、それらとこれまでルルーシュとスザクが失ってきたものを思いあぐねた末に、後にカタチを変えて、平和な世界の創造の試みは決行される事となった。

ちなみに、ドラマCDでは大量の人生相談に対し、「悩みなど無い」というギアスをかける事で強引に解決するというギアスの無駄遣いを披露した事がある。

関連タグ

コードギアス

ルルーシュ・ランペルージ V.V. マリアンヌ・ヴィ・ブリタニア

ビスマルク・ヴァルトシュタイン

ギレン・ザビ 専制政治を行う国の指導者であり、親類の葬儀で国威発揚の演説を行うところが共通する。というかおそらく演説シーンの元ネタになった人物。

ドナン・カシム コードギアス以前のあるサンライズのロボットアニメにおける人々を苦しめる敵側の権力者。子沢山で主人公の父親でありながらも敵対しているのもシャルルと共通している。ただしこちらはちゃんとした政治家で、子供は少数、私利私欲では無く多くの人々の為にあえて悪政を行っている等といくつかの点でシャルルとは真逆である。